14話「The Kids are Alright」
前回のあらすじ
ブライテスト・レコーズとの契約を断り、インディペンデントで名を売ることに決めたキャロル&チューズデイ。マネージャーのガスはプロデューサーが必要と、隠棲している伝説の男・トビーを仲間にするためにスラムに向かったのでした。
【アニメネタバレ目次】「キャロル&チューズデイ」【コミックライク】
「キャロル&チューズデイ」【13話 Walk This Way】【コミックライク】
(感想→あらすじ→まとめの順です)
伝説のプロデユーサー・トビーによるレコーディングに大物助っ人参戦、ダンの正体も明らかに
ヤバい人物のトビーはきっちり仕事をこなしました。マイク1本でのレコーディングでしたが、まさかここでスキップが再登場するとは予想外でした。初登場の時からいい奴オーラが漂っていましたが、52テイクも付き合ってくれるとかいい人過ぎます。
気難しそうなトビーをどうやって味方に引き入れるのか謎でしたが、ガスが同じテキサス出身ということで、「テキーラジョーク」で盛り上がって一発で意気投合。ガスは人脈だけは広いというか、人をつなぐコネクションとか特技を持ってるんですよね。
しかし、「フォートゥーザフロア!」ってなんなんだ・・思わず笑ってしまったではないですか。
ガスとトビーは酒場の打ち上げで、次はアルバムを作ると盛り上がっていましたが、「アルバムの時代は終わった」とロディは言っています。AIで曲が作られてどんどんと配信されていく時代になり、アルバムは求められていないということでしょうか。
ロディはもっと酷い目に遭うと思っていましたが、特等席でキャロチューの生歌を52テイクも聴けたりと、今回は割といい思いをしていました。
曲作りがスムーズに進んだ裏で、チューズディの母親ヴァレリーは選挙屋ジェリーの進言に従い、地球との貿易協定の破棄とか物騒なことを決断しています。
ジャーナリストのカイルがチューズディに軽く取材をしたついでに、「ちゃんと向き合わないといけない」と助言してくれて話し合うフラグは立っていますが、音楽活動の足を引っ張るような展開は望みません。
とはいえここまで政治方面を押し出してきているので、衝突は避けられないでしょうが・・。
ちなみにカイルの持っていたノートとペンにチューズディは注目していましたが、アナログな手法を用いているカイルに、AIを使わずに曲作りをしているチューズディが共感したとかそういうことでしょうか。
キャロルとダンの関係も判明しました。やはり父親だったようです。というか明言はしていませんでしたが、お互いにわかり合って、再会を誓ってのお別れです。気丈なキャロルは涙を少しこぼしましたが、笑顔で見送りました。
刑期が終わるまで何年かかるかわからないとのことで、「奇跡のライブ」には間に合いませんね。雪の話をしていましたが、言われてみれば、毎度流されるオープニングの「それはまるで奇跡の・・」のシーンの紙吹雪(?)が雪のようにも見えます。ダンのことを思い出すでしょうか。
一方、順調にデビューへの道を歩んでいるアンジェラの方は不穏な空気です。タオ大好きっ子のアンジェラがタオのスタジオに出向くと、AIにアンジェラの新曲を歌わせるという「シュミレーション」を行っていました。
いわゆるボーカロイドですが、「じゃあ完成したら私は要らなくなるってわけ?」と問い詰めるアンジェラに、肯定とも取れる無言で返すタオ。この曲は後から気付いたのですが、新エンディングの曲なんですね。
アンジェラが奮起してAIを上回るパフォーマンスを見せる流れだと思いますが、キャロチューに、AIに頼らない極意でも教わりにくるでしょうか。ツンなのでないでしょうね。
SNSでは「Black_Knight」というアカウントを持つ、ストーカーっぽく行動を見張っている人物がいるとダリアが言っていますが、深読みしなければケイティでしょう。
このアニメはそんなに捻りを入れてはきませんので多分そうだとは思いますが、アンジェラが落ち込んだ時に現れるのかもしれません。しかし、AIボディガードとか、イデアの姿しか思い浮かびませんが・・。
キャロチューとアンジェラがそれぞれに抱える問題が浮かび上がってきましたね。
以下、あらすじです。
14話のあらすじ
スラム街で演奏をしたキャロル&チューズデイ。目論見通り音楽に釣られて「伝説のプロデユーサー」トビーが現れますが、斧を振りかざして暴れ回る姿にキャロルは「違う意味で伝説なんじゃ・・」とこぼし、チューズデイは怯えています。
ひとこと口を開けば「クソだ」と喚き散らし、その口の悪さこそトビーだとガスは確信を抱きます。キャロルはさすがに付き合えないと「帰ろう」と言いますが、トビーが呼び止めます。
「プロデユーサーが必要なんだろ?」と何やらキャロチューは受け入れられた模様です。トビーの住まいに案内されますが、家の周りには怪しげな植物が生い茂り、「騙されてるのかも」とチューズデイは不安がります。
ガスはトビーの生まれをテキサス州と見抜き、自分もテキサス生まれだと「テキーラジョーク」をかまして打ち解けました。
ロディは「本物だったとしても現役感ゼロ」と疑っていますが、トビーはやる気で、「これから毎日朝から晩まで練習しろ」と、それがプロデユーサーになる条件だと言います。
しかし、お金もないからスタジオも借りれないしミュージシャンも呼べないと、キャロルとチューズデイはあまり乗り気ではない様子。トビーは気にせず飼い犬を指笛で呼び寄せると、1本のマイクを取り出します。
ノイマンのマイク、とのことで、「録音はここでやる マイク1本で全部一発録りだ」とさらっと無茶ぶりを告げました。
場面変わってアルバシティでダン。「ええ こちらの保護観察官にも連絡を入れています 予定通り三日後にはこっちを出ますから」とどこかに電話しています。
更に場面変わってアンジェラ。新曲発表のため記者に囲まれて取材を受けています。取材後、IT界の風雲児アーロンが訪ねて来て挨拶を交わします。ダリアいわく、アンジェラのファンとのこと。営業スマイルを浮かべるアンジェラです。
夜になり、キャロルがコインランドリーで用事を済ませていると、見知らぬ年配の男女が「キャロルじゃないの!ママよ!」「パパだ!」と声をかけてきます。ところが別の方向からも違う年配の男女が「キャロルじゃないか 探したよ」「お母さんよキャロル!」。
明らかな偽物たちが罵りあっているなか、キャロルは冷静に「言っとくけど私お金とか持ってないよ」とマーズ・ブライテストも失格だったからと告げます。
「でもこれからスターになったらいくらでも稼げるはずだ」と引き下がらない二組の男女は、「もし本当の父親だったら右の手首に痣があるはずなんだけど」とキャロルが言っても効果がなく、ついにキャロルの両腕を引っ張り合います。
そこに現れたのはダン。前にチンピラに絡まれた時と同じように救ってくれました。キャロルは礼を言い、「このあいだ教えてもらった技でぶっ飛ばしてやろうかと思ったけど咄嗟に出なくてさ」と言うと、ダンは「合気道は護身術だ」と自ら仕掛けるものではないとたしなめます。
「最近よく来るからさ さっきみたいな金目当ての連中が」とキャロルはうんざりしています。「仮に本物だとしてもずっと放っておいて今更会いたかったとか 意味わかんない 無責任すぎるよね」と愚痴をこぼすとダンは無言です。
キャロルが話題を変えて用事は済んだのかと聞くと、ダンは終わったのでもうすぐ地球に帰ると答えます。地球生まれと聞いて興味を持つキャロル。自分も地球生まれだと話します。
地球のことで覚えていることは?とダンが聞くと、キャロルは教会に捨てられた日に雪が降っていたと言いますが、実は後からシスターに聞いたと付け加えます。ダンはずっと前に見たことがあるとのこと。 「綺麗なんでしょ」とキャロルは憧れを持っているようです。
チューズディは「火星焼き」の屋台でアルバイトをしています。タコの形をした焼き物の、せんべいのようなオヤツです。そこにジャーナリストのカイルが客として訪れます。母親のことを取材したいと言ってきますが、チューズディは拒否します。
カイルはあっさりと引き下がり、名刺がないのでノートに連絡先を書いて渡してきます。その際に「家族だからって誰もがちゃんとしたつながりがあるわけじゃない」としたうえで、「でもいつかちゃんと向き合わないといけないんじゃないかな 母親ってものと」「君が自分の人生を歩むためにね」と諭すように言い、チューズディははっとしていました。
アンジェラは海辺のプールサイドで寛ぎながら、ダリアから報告を受けています。SNSに「Black_Knight」と名乗る不審人物がいて、行動を把握し、見張っているようなコメントを残しているとのこと。
アンジェラはあまり気にしていない様子ですが、ダリアは最新のAIボディガードをつけると言っています。それよりもタオのことが気になり、スタジオに来ていると知ると早速タオの元に向かいます。
スタジオではタオがアンジェラのAIに、アンジェラが歌ったことのない曲を歌わせていました。何事かと問い詰めるとタオは大きくため息をつき、「これまでの君のあらゆるデータを分析してそれをもとにAIに歌わせている」「新曲を歌う場合のシュミレーションAIだ」と渋々答えますが、まだ未完成とのこと。
アンジェラは「じゃあ完成したら私は要らなくなるってわけ?」と怒りに震えていますが、タオは無言。アンジェラに「そこは否定するところじゃないの!?」と詰められて「ただのシュミレーションだ」と言いますが、もちろんアンジェラは納得していませんでした。
ヴァレリーはジェリーと共に選挙戦の作戦を練っています。ジェリーは地球との貿易協定を破棄するという突拍子もない戦略を打ち出し、スペンサーは反対しますが、支持率に9ポイントの差があると言われ、ヴァレリーは受け入れました。
トビーのもとではレコーディングが始まろうとしています。手を打ち鳴らして音響を確かめると、ロディにノイマンのマイクを立てさせます。
ここで助っ人に登場したのがスキップとバンドメンバー二人。トビーが呼び寄せたようで、スキップと悪態をつき合い、拳を打ち合わせます。
トビーはオッケーを出すまで何回もやり直すと宣言し、スキップのバンドを加えてキャロチューは「Army Of Two」を歌い始めました。
陽も沈み、ようやくオッケーが出た頃にはリテイクは52を数えていました。キャロルとチューズディは疲れ果てていますが、スキップに言わせれば「やるじゃねえか トビー相手にたった52テイクでオッケーとはな」とのこと。
ちなみにこのシーンの合い間に、川辺のベンチに佇むダンの姿が差し挟まれ、右手首の痣が映し出されていました。
酒場で打ち上げをするガス、トビー、ロディ。トビーが次はアルバムを録ると意気を上げ、ガスが乗っていますが、ロディだけはアルバムの時代は終わったと言っています。「だから作るんだよ!」「伝説のクソを生んでやるぜ!」と、もう伝説とクソが言いたいだけですね。
チューズディは家でぐっすりと寝ていますが、キャロルは夜明けにコインランドリーに行き、待ち構えていた様子のダンと出会います。
キャロルは嬉しそうにキャロチューのデビュー曲ができたことを報告します。「今度曲持ってくから聴いてよ」と言いますが、ダンは「もう来られないんだ」と地球に帰ること告げます。
何か考え込んだダンは、帰りがてらでいいから話を聞いてくれるかとキャロルを誘います。キャロルが頷くとダンは歩きながら身の上を語り始めます。
昔妻がいたこと、妻は体が弱く子供を産んだが一人では育てられなかったこと、その時厄介ごとに巻き込まれて刑務所にいたこと、妻が雪の降るある日、子供を教会に預けほどなく死んだこと。
ダンは正当防衛を主張したが認められず、刑務所から出ることができずに17年が過ぎ、ようやく仮釈放が認められて子供の行方を調べたこと。養護施設から難民キャンプ、その後の行方がわからなくなり一度は諦めかけたが、ある時火星にいるらしいことが判明したこと。
全てが自分の身の上と重なるキャロルは「それで火星に来たの?」と静かに尋ねます。ダンは「親らしいことのひとつもしてこなかった自分に父親を名乗る資格などない 許しを請うことすら私にはできない」「ただその子の姿をひと目だけでも見たい そう思ったんだ」。
キャロルのアパートに着きますが、二人は確かめ合うこともなく、ダンは「じゃあここで」と別れを切り出します。キャロルは背中を向けたまま「いつかまた火星に来る?」と絞り出します。
「何年かかるかわからないが 地球で刑期を終えたらね」と言うダンに、「約束して そん時は絶対訪ねてきて」とキャロル。ダンは「あぁ 約束するよ」と力強く答えます。「じゃあまたいつか」。
うっすらと涙を目に浮かべるキャロルですが、こらえて振り向くと「ダン!」と呼び止めます。クロスさせた二本指をこめかみに当て、シュッと切ってさよならの挨拶を送るのでした。
まとめ
トビーを仲間に引き入れてのレコーディングまでは早いと思っていましたが、スキップが助っ人に現れるのは予想外でした。アルバムを作ると言っていましたので、他のアーティストも登場するかもしれません。
クリスタルが助っ人とかだとびっくりですね。
キャロルの父親(ほぼ決まり)のダンは引っ張るかと思いきや、速攻で正体が判明しました。母親も亡くなっていたとは・・。これでキャロルの親関係の話は終息したでしょう。
チューズデイの方は母親の選挙絡みで面倒事になりそうな雰囲気が満載ですが、最後までゴタゴタするのでしょうか。
アンジェラも「AIアンジェラ」に乗っ取られそうになっていて、存在意義を脅かされています。そういえばヴァレリーもジェリーの「AIによる予測」とか言っていましたので、「AI対キャロチュー」という構図にもなるのですかね。
今回は新曲がありませんでしたが、アルバム作りでの新曲を期待しています。
いつも言っていますが、あまり鬱な展開にならずに爽やかに進んで欲しいですね。
「キャロル&チューズデイ」【15話 God Only Knows】【コミックライク】
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新登場人物
アーロン(CV 柿原徹夜)
20~30代の細身の男性。茶色の癖毛に縁なし眼鏡。
IT界の風雲児。アンジェラのファン。
挿入歌
「Not Afarid」アンジェラ(vo Alisa)(作詞・作曲・編曲:Lido)(和訳:KR Advisory Co. Ltd.)
「Army Of Two」キャロル&チューズデイ(Vo.Nai Br.XX&Celeina Ann)(作詞・作曲・編曲:ANDY PLATTS)(和訳:qdopp.inc.)