アオアシ【感想】【コミックライク】
Jリーグユースを舞台にした本格的サッカー漫画
愛媛で強烈すぎるサッカーの才能を持て余していたアシト。
中学最後の試合でも個性を発揮しながらも、感情的に未熟でチームに迷惑をかけてしまい、高校への推薦も断られてしまう。
その試合をたまたま観ていた「東京シティ・エスペリオン」のユースチームの福田監督が興味を持ち、アシトと接触。
最初は興味半分だった福田はアシトの持つ、ピッチ全体を見渡せる能力に無限の可能性を感じ、自チームのセレクションを受けるように勧める。
地元では負けなしだったアシトでしたが、ツワモノ揃いのユースセレクションでは壁に当たります。それでも壁を乗り越えて無事に入団。
けれど、ユースチームはトップのプロチームに入ることを目的にしている集団。チームメイトでありながらもライバルである彼らと、アシトは切磋琢磨しながら成長し、仲間の信頼を得ながら、時には挫折しながらも一歩ずつ階段を登っていきます。
特別な必殺技など出てこない、理論を突き詰めた本格的なサッカー漫画。もちろん、展開は王道です。
一番の見どころは、この漫画が「戦術」を軸にしていること
この作品のひと味違うところは「戦術」を丁寧に描いているところ。
がむしゃらにゴールを目指し、得点こそがチームに貢献することだと考えていたアシトがカルチャーショックを受けるくらいの理論展開がなされます。
戸惑うアシトでしたがその意味を理解し始めた時、自身の持つ「ピッチを見渡せる能力」、俯瞰的に物事を見ることの力が真価を発揮します。
そこからのアシトの成長、周りを巻き込んでいく姿が胸アツのストーリーです。
過去にはサッカー雑誌とのコラボも
「サッカー選手はプレーしながらいろんなことを考えている」という本格的な内容から、サッカー雑誌とコラボしたこともあります。
鹿島アントラーズ所属(2019年現在)の右サイドバック内田篤人選手もインタビューで、「アシト君は特別足が速いわけでも身体的に特別な何かがあるわけでもないけど、『目がいい』。主人公がサイドバックというポジションを選んだのは、素晴らしいです」とコメントしています。
この作品は
作者は小林有吾さんで、取材・原案協力が上野直彦さん。小学館の「ビッグコミックスピリッツ」で2015年6月から連載、2019年4月現在も連載中。既刊16巻。
9巻発売時には発行部数100万部超。14巻時点で累計200万部超。2017年マンガ大賞4位。
終わりはまだ見えてこない
最新刊16巻(2019年3月発売)ではサイドバックで覚醒したアシトが、また一段階レベルが上がっている姿が描かれています。
なかなかレベルアップしない期間もあっただけに、ようやく会心の一冊となりました。今後もますます目が離せませんね。
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