138話「Epilogue of chapter3(第三章最終話)」
前回までのあらすじ
イバラに石化武器を使わせ、龍水が操るドローンでの引き合い。刹那の駆け引きでイバラにうまく石化範囲をコントロールされますが、龍水が身を挺してイヤホン型スピーカーを石化武器に取りつけ、スピーカー経由で千空が新たなコマンドを入力。イバラを石化させて、ようやく科学王国側の勝利となったのでした。
「Dr.STONE」【137話 LAST MAN STANDING】【コミックライク】
以下、「週間少年ジャンプ(2020年11号)」のネタバレを含みます。
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事後処理はスムーズに ホワイマンの正体は・・!? 新章突入へ
宝島編の事後処理ですが、情報量が多過ぎです。
個人的に一番心を揺さぶられたのは、コハクと千空の抱擁シーン。二人の信頼し合っている関係性とか、恋愛感情ではない思慕の念というか、コハクは元々初対面から千空に好意を抱いていましたが、茶化さずちゃんと受け止める千空がカッコ良かったです。
あそこで抱き締め返さないのがらしいですし、アマリリスはルリのことでは興味津々だったけども、コハクとの関係についてはわかっている顔をしていました。
純情なキリサメが嘘の恋人設定を信じたままで、顔を真っ赤にしているのも可愛かったです。
敵方の復活者はやはりキリサメからでした。コハクと銀狼の石像回収の意味もありましたが、イバラに騙されていただけ、と無害判定が出ています。ソユーズに跪いているシーンもありましたし、長の家系に対して従順なままです。
その後ろではオオアラシもしれっと復活していました。イバラに破壊されていましたが、無事に修復されて何よりです。
復活者の順番は詰め将棋だ、ということでアマリリス→大樹→フランソワと順番にやっていきましたが、途中からカットして一気に復活していました。龍水の豪華な服はどこで調達したのでしょうかね。奪い返したのか?
ルリが通信してきたのも単に心配して、というだけではなく、何かあって連絡してきたというクロムの見立てには、長い年月の絆が感じられました。
アマリリスの恋愛アンテナにピンと来ていましたが、事実を知って余計にややこしくなったようです。説明は難しいです。フランソワのしら~っとした四角目も、なかなか見れない貴重な顔でした。元カノという概念にもびっくりです。
ホワイマンの正体が千空の声というのも衝撃でした。「人間の声・・??」からページをめくったら「12800000m 1second」にはぞっとしました。「ヤベェ!」と思いましたよ。
幸い距離が離れていて石化装置は作動しませんでしたが、ここでイバラとの対戦で距離があって作動しなかったという伏線が活きてきています。ただ、どのくらい離れていたらセーフとかアウトとかの判定は曖昧。
もう少しスピーカーの出力が高かったら、一発全滅エンドだったでしょうか。スイッチのオンオフ機能というかセーフティロックがないと、今後は怖くて持ち歩けませんよ・・。
誰かやけくそになって、大声で「12800000m 1second!」とか叫べば終わりってことですよね。大丈夫でしょうか。
声が千空のものというのは耳のいい羽京が一番に気付いたのは納得ですが、千空はよくわかりましたね。頭の良しあしではなく、自分の声というのは普段聞き慣れているのとは別の聞こえ方をしますから、ぱっと聞いて判断できそうにないです。
直前のイバラとの対決でスピーカー越しの自分の声をたくさん聴いていたとか、科学実験で慣れていたとかそういう千空らしい裏付けがあるかもしれません。
ラストページで「第三章最終話」とタイトルが入るのもカッコ良かったです。
ここのところのスローペースな展開とは打って変わり、一気に話が進んだ感じがします。見どころがたくさん過ぎて、印象がバラけてしまいますけどね。嬉しい悲鳴が上がりました。
以下、あらすじです。
138話のあらすじ
千空はまずクロムを復活させます。千空が一人で立っているのを見てクロムは勝利を確信、ガッツポーズをします。千空はクロムの閃きのおかげだと褒めます。
早速、科学使いタッグで復活液を作って仲間を回復させようとしますが、食糧の問題などで手順を間違えると詰む、と千空は慎重です。まずはアマリリスを復活させて食糧を確保し、次にパワー要員として大樹。次に料理担当でフランソワです。
黙々と復活作業を続けていると、スピーカーからノイズが聞こえて来ます。ケータイは電池不足で、ルリの通信を捉えて以降、切れたままです。インカムはもっと悪い状態です。
本土からの通信に、大樹が「おお 皆を心配してかけてくれたのか さすが元巫女様だなー!」と素直に感心していますが、クロムは首を捻っています。ルリの性格からして、いくら心配だとしても自分の安心のために電話をかけまくるか?とのこと。
「たしかに!」と納得する大樹の後ろで、アマリリスがワクワクを隠し切れない様子です。フランソワに「あの信頼と俺はわかってる感・・! ねーえ もしかしてそのルリって娘 クロムのカノジョとか元カノとかそういうの!?」とこっそり訊ねます。
四角目で聞いていたフランソワが「いえ 千空様の元奥様と伺っておりますが」と事実を告げると、初耳の大樹が騒ぎますが、「3分だけな 即離婚したぞ」と千空に言われて更に混乱しています。
「どゆこと どういう関係 千空ルリクロム!?」とアマリリスも目を回していますが、クロムも簡単には説明できません。その話は横に置いておき、ルリが何かを伝えようとしているなら聞かないと、と話を戻します。
フランソワがペルセウス号の設備なら双方向通話もできるかもと言い、千空も頷きます。ちなみにフランソワの服装はワカメのままです。
ペルセウス号の通信室に乗り込みますが、イバラたちが散々に破壊していてボロボロになっています。クロムはブチ切れていますが、千空は冷静です。
「千空が本気で怒ってるのを見たことがない」と大樹は言っていますが、千空は「いや怒るわ聖人様じゃねぇわ ヒマがねぇだけだ」と論理的です。
復旧に数週はかかると判断したフランソワがすぐさま食堂の手配にかかり、その有能さにアマリリスが若干引いています。千空はカセキたちを続々と起こして、人海戦術で復旧させようと、いつもの悪爽やかな笑顔です。
「石化装置イタダいたんだ ペルセウス号 勝利の凱旋航海といこうじゃねえか・・!!」と言っていますが、島に留まるつもりはないということでしょうか。
龍水が復活し(豪華な服つき。フランソワも服が復活)、カセキ、ゲンと続きます。大樹が船の真下から陽を拾い上げ、キリサメも発見して回収します。
クロムが敵だからどうするかと悩む間に「んじゃブチ殺しとくぞ」といつの間にか復活していたマグマが躊躇なく武器を振り上げ、「人殺しに迷いが無さすぎない!?」とゲンが驚いていますが、千空があっさり復活液をかけ、「こっちはこっちで迷い0!!」とどっちもどっちです。
復活したキリサメに、「イバラに騙されてただけだコイツはよ」と千空が言葉をかけます。その後、経緯を説明されたのか呆然と空を見上げるキリサメ。千空に「何が聞きたいの」と自分を起こした理由を悟って自ら切り出します。
千空は後宮の石像の捨て場所、つまりコハクと銀狼の石像のありかを訊ねます。キリサメに連れられて現場に赴きます。
「一か八かの賭けだったことに変わりはないのだ!」(注:誰の台詞?コハク?)「この銀狼の傷 本当に治るのか?」(おそらくクロム)「ククク 復活液の修復力なめんじゃねぇぞ」(これは千空)。
銀狼が無事に、お腹の傷もまるごと治って復活します。これまたいつの間にか復活していた金狼が、銀狼を見て涙ぐんでいます。
銀狼は周りを見回し、ドレス姿のコハクを見つけると、「ありがとおぉコハクちゃぁあああん」と飛びつきますが、コハクのドレスの胸元にだらしなく鼻の下を伸ばし、容赦なく吹っ飛ばされています。
「おぅいつもの銀狼だぜ!」とクロムは笑っていて、復活しているニッキーも笑みを浮かべていますが、スイカだけはぷるぷると震えています。
コハクは千空と目線を交わし合います。そっと近づいたコハクは力一杯、ぎゅっと千空の背中に両腕を回して抱き締めます。千空はいつも通り、腰に手を当てたままですが、表情は穏やかです。
銀狼がずるいと喚いていますが、二人の関係を恋人だと勘違いしたままのキリサメは赤面して顔を背けています。「そういうんじゃないハグでしょ あの二人は」とアマリリスはルリとのことを冷やかしていた時とは別人のような優しい顔をしています。
船上では賑やかに復旧作業が勧められています。陽がコーラを配り、キリサメはソユーズに跪いて忠誠を捧げている様子です。オオアラシも復活しています。銀狼がさぼるなか、一心不乱に修理にかかっている科学チームは通信機を見事に修復します。
盛り上がる通信室。羽京もいます。早速、村へと通信するとルリと繋がります。「楽しい思い出話は後だ 用件あんだろ言え」と効率重視の千空の態度に、元奥さんにその態度は・・?とアマリリスが顔色を失くしています。
「千空 あなたが不思議な通信を――」とルリが言いかけると、別の強力な電波で通信が遮断されます。「別のって!」とゲンがその正体に気づいてはっとします。
「モールス信号か!?」と訊ねる龍水。「いや違う」と千空が否定します。人間の声でした。
続いてスピーカーから聞こえてきたのは「12800000m 1secomd」という不気味な声。石化装置を持っているコハクが固まり、アマリリスが「ダメ!! 石化装置を」と声を荒げます。
「あ”-わかってる 死んでもスピーカーに近づけんじゃねえぞ」と千空は落ち着いています。
龍水はホワイマンのスタンスがはっきりした、明確な攻撃意思だと断定。クロムがわけがわからないと言い、ゲンは具体的でデカい数字に怒りを表しています。
「12800000m 地球の直径だ」と千空。言葉を失くす一同ですが、羽京だけが「・・いや それより 問題はそこじゃない そこじゃないんだ」と問題の本質に気付いています。もちろん千空もそれに気付いています。「あ”ぁ」。
「この声は千空 君の声だ」と羽京。声にならない悲鳴を上げる一同。
(Z=138 Epilogue of chapter3(第三章最終話)とタイトル文が入ります)
「唆るぜ これは!」。千空は不敵に笑うのでした。
まとめ
イバラを倒して宝島編の事後処理回と思いきや、詰め込んで来ましたね。
石化解除の順番、ルリの通信の必然性やクロムとの関係性、キリサメ復活、コハクと銀狼の復活、コハクと千空の抱擁、ペルセウス号の通信室の修復、島との通信でホワイマンの妨害、ホワイマンの地球を滅ぼす恐ろしい呪文とその声が千空。
箇条書きにしただけでも盛りだくさんです。次回から新章ということですが、もう1話あっても良かったくらいです。
今後はホワイマンの正体を探る展開になる模様。声が千空のものという点については、本紙で少し前に外伝をやっていて、宇宙から白夜が帰還した後のAIが色々と活躍している話でした。
まさかこの進化したAIがホワイマンで千空の声を操っている、というオチだと簡単過ぎて味気なさ過ぎます。それはないと思いたいですが、まったく絡んで来ないのも不自然な気がしますので、そのへんどうなるでしょう。
それにしても先にも書きましたが、石化装置は一発で地球が全滅してしまう超危険アイテムです。声が中に届かないように厳重に封印しておかないと、誤作動含めて怖過ぎます。フォローは入るでしょうか。
宝島に関しては「凱旋航行」とか言っていましたので、長居するつもりはないようです。イバラとモズはそのまま石化させておくにしても、謎の石像の件とかも放置したままです。
氷月とほむらの石化をどうするのかも諸々、人員整理はちゃんと説明が欲しいところですね。
ちなみに、コハクらが揃ったメンツ(通常服バージョン)が久々に見れて、「これぞDr.STONE!」という感じで感慨深かったです。全員が揃うのは久々でしたね。
「Dr.STONE」【139話 FIRST DREAM】【コミックライク】
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