五等分の花嫁【110話 最後の祭りが五月の場合②】【感想・ネタバレ】【コミックライク】
110話「最後の祭りが五月の場合②」
前回までのあらすじ
「教師になる」という自分の夢のため学園祭中でも勉強に励む五月ですが、結果が思うようについてきません。そこへ現れた五つ子の本当の父親である無堂。五月は「夢」を否定され、ショックを受けるのでした。
「五等分の花嫁」【109話 最後の祭りが五月の場合①】【コミックライク】
以下、「週間少年マガジン(2019年50号)」のネタバレを含みます。
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(感想→あらすじ→まとめ)
自分を見失いかけていた五月は、風太郎に肯定されて立ち直る
五月の後編です。学園祭とは関係ないところで話が進んでいますが、本当の父親である無堂に「夢」を否定されて引きこもってしまいます。
風太郎がマンションまで行ってサポート。自分が家庭教師を経験したからこそ、教師なんてのはごめんだと言いながら、それが五月の夢なら誰に何を言われようと自分で決めろと喝を入れます。
母を追いかけていることも、憧れなんだから当たり前だと肯定し、五月は迷いが振り切れたようです。
「勉強を教えてください」と五月が言ったのは、最初に会った時の再現ですかね。今度は「勿論だ」と風太郎は力強く請け負い、二人の間のわだかまりは解けたようです。
ただ、恋愛という空気感はまったくなくて、五月エンドに至るのは未だに無理があるように感じます。
五月の回も前後半では終わりませんでした。突然現れて掻き回しまくっている無堂との決着が待っています。勇也→風太郎→一花経由で五つ子たちも無堂の正体を知り、最終日の午後(辺り)で学園祭中に何かしらの答えを出すようです。
次回は「最後の祭りが五つ子の場合」になるのか、風太郎視点からの話になるのかはわかりませんが、父親絡みの決着は着くかと思います。
というかこの流れで五月がキスをするのは、気持ち的にも時間的にも厳しそうですが、一人だけやらないというのも逆に特別な感じになるので、それはそれでなんだかしっくりこないです。
無堂に関しては情報が少なく、未だに人物像が掴めませんが、「五つ子だとわかった途端姿を消した」というそのままの評価なら、相当ゲスいです。
土下座までして五月の関心を引こうとしていましたが、本心からゲスいのか、そうすることで五月を「正しく導こう(あくまで無堂から見て)」としての行動なのかもわかりません。
実はいいヤツだったと言われてもなんだかなあな気もしますので、ゲスいまま五つ子にケリを着けられて退場してもいいでしょう。マルオの株上げもあったし、読者としての気持ち的にもそっちです。
全体の物語の結末に向けて、家族のことは避けて通れない話題ですが、学園祭とは思えない重いムードの話でしたね。
以下、あらすじです。
110話のあらすじ
実の父親と名乗る無堂に、「私たちが生まれる前に消息不明になったと聞いています」「本当に無堂先生が・・?」と五月は戸惑っています。
無堂はずっと会いたかったこと、教師として全国を回りながらいつもどこかにいる五つ子たちを想っていたこと、テレビに映る一花を見つけたことを伝えます。
五月が皆を呼ぼうとしますが、「今は五月ちゃんと話しているんだ」と圧をかけて遮る無堂。五月が無堂の教室に現れたのは偶然ではないはずで、何か悩みがあるのなら「今こそ父親としての義務を」と迫って来ますが、「今更なんですか!」と五月は叫びます。
零奈から聞いていた無堂は、お腹の中にいる子供が五つ子だとわかった途端姿を消したこと、その時の母の気持ちはどんなだったか、「私は・・あなたを・・」と言う五月に、「ごめんなさい!」と突如、無堂は土下座してまたも話を遮ります。
ずっと後悔していたこと、当時に自分に甲斐性があれば迷惑をかけずに済んだこと、子供たちの行く末を考えると心が張り裂けるそうな思いだったこと。
「私の罪は消えることはない しかし許されるのならば罪滅ぼしをさせてほしい 今からでも父親として娘にできることをしたい」。
冷ややかな目を向ける五月は「もう私たちに関わらないでください お父さんならもういます」と言いますが、「中野君か」と無堂。
優秀な生徒だったが父親としては不合格、やはり血の繋がりが親子には必要不可欠だと自分勝手なことを言い、「お母さんが死んだ時 彼が君に何をしてくれた?」と尋ねます。
五月が亡くなった母親の影を追い続け、母親と同じ間違った道に歩を進めるようとしている、「学校の先生が君に相応しくないということは君が一番よくわかっているはずだ」と痛いところを突かれた五月は言葉を失います。
そこに付け込んだ無堂は「父として到底見過ごすことができない 君たちへの愛が僕を突き動かした」「僕ならばいくらでも違う道を用意してやれる 思い出してほしい 君のお母さんは言っていたはずだ」と言葉を重ね、五月も零奈の言葉を思い出し、反論できませんでした。
夜になり風太郎は一花と夜道を歩いています。勇也からの情報として、五月が五つ子の元父親と接触した疑いがあると報告します。翌日に改めて話を聞くことにしますが、最終日の学園祭に五月の姿はありません。
二乃と三玖によれば、昨日からずっと部屋に篭もっているとのこと。
そこに無堂がしれっと現れます。無堂も五月を探していると言い、三玖は「フータローの知り合い?」と尋ね、二乃が「言伝があるならお聞きしますが」と水を向けますが無堂は無言です。
風太郎が「五月に何か言いました?」と耳打ちすると、ニッと口を歪める無堂。「怖いなぁアイスあげるから許して ただ現実を教えただけだよ それが僕の務めだからね」と悪びれません。出直すと言って去って行く後ろ姿に二乃はあっけに取られています。
風太郎は三玖に書類を本部に届けてくれるように頼み、マンションに向かおうとします。二乃が呼び止めてカードキーを渡してくれます。尚、無堂が風太郎に手渡していったアイスは、真顔で三玖にも拒否されていました。
二乃と三玖が「こっちのことは任せて 五月をお願い」と快く送り出してくれます。
風太郎がマンションに着くと、一心不乱に勉強している五月の姿がありました。風太郎が声をかけると、「上杉君 こんなこと意味がないというのに 私は何をしているのでしょう」と自信を失っています。
「あのおっさんのことなら気にすんな どうせ適当なこと言って・・」「いいえ そうじゃないんです」と五月。
零奈はかつて五月に「あなたは私のようには絶対にならないでください」と言ったこと、それでもまだ諦められず母親を目指してしまっている、「そう願う私は間違っているのでしょうか?」と涙ながらに問いかけます。
風太郎は「それもそうか 教師なんてなってもいいことないしな」と拍子抜けするような口調で言います。
優秀な生徒ばかりとは限らないこと、世の中には想像を絶する馬鹿がいると思い知らされること、自分のポリシーを曲げてでも付き合っていかないといけないこと、他人と関わるのは心身ともに疲れること、中には反抗する生徒も出てくること、そんな時も投げ出さず向き合い続けないといけないことと経験を語ります。
「マジで大変だったぜ 俺はもうこりごりだ 教師なんて絶対になるもんじゃない」「だがそれがどうした 他人の戯言なんて聞く価値もない お前の夢だろう どれだけ逆風だろうが進むも諦めるもお前が決めろ」と発破をかけます。
少し落ち着いた五月は「・・本当に私の夢なんでしょうか」と、「私はお母さんになりたいだけ 以前ある人に言われたことがあります」と心に引っかかっていることを吐き出します。
「アホか」と一蹴した風太郎は、「憧れの母親なんだろ 忘れる必要なんてないんだ」「母を目指して夢を追うのと 夢を目指して母を追うのとでは大きく違う お前がそれを理解できているのなら 親に憧れ志すことは絶対に間違いじゃない」と断言します。
「突如現れたおっさんよりお前の方が母親のことをよく知ってるはずだ お前は自分が見たそれを信じればいい」と言われ、ようやく吹っ切れた五月は「お母さんは私の理想の姿です 強くて凛々しくて優しくて・・私は・・」。
「お母さんのような先生になりたい! 私は私の意志で母を目指します!」と力強く宣言するのでした。
生徒が願うならそれを全力でサポートするのが家庭教師の仕事と風太郎が言うと、「・・ふふ いいことを思いつきました 上杉君」と五月は悪戯を仕掛けるように「勉強 教えてください」と、かつて初めて会った時のようにお願いします。「勿論だ」と風太郎は答えます。
礼を言う五月ですが、その前にやらなければいけないことがある、「私 あの人に会いに行きます」と決意するのでした。
一花経由で他の姉妹たちも、何が起こっているかを知ったようです。
まとめ
学園祭らしさのまったくない五月の後編でした。
五月への執着、他の娘への無関心、ゲスい行動とただただ無堂の気持ち悪さが引き立っています。狙いがあってそうしている・・たとえばマルオと五つ子がうまくやっているようなので、きっぱりと本当の父親の縁を切らせようとしているとか?
まあそんな感じでもないので、次回、五つ子たちの結束で三下り半を突き付けて欲しいですね。
時間経過としては学園祭最終日の午後になっているでしょうから、今から学校に戻ってケリを着けてとなると、キャンプファイヤーまであまり時間がありません。
五月と風太郎との関係性はひとまず落ち着いたようですが、キスをするのかは不透明です。そのあたりも含めて、引っかかりなく解決してくれればいいと思います。
風太郎の気持ちがどういうふうに動いていく(いった)のか、風太郎視点での学園祭が描かれることを心待ちにしています。
「五等分の花嫁」【111話 最後の祭りが五月の場合③】【コミックライク】
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