118話「五月の思い出」
前回までのあらすじ
風太郎と四葉の幸せを願っていた五月でしたが、いざそうなってみると胸のモヤモヤが止まらず、風太郎に自然な態度が取れません。風太郎から話があると言われ食堂に行くと、四葉が二乃を連れて来るところに出くわします。その流れで一緒に食事を取りますが話は決裂。バラバラになりますが五月は風太郎と再び合流、空き教室に入ります。しかし、そこに後から四葉と二乃が入って来て、二人は咄嗟に身を隠すのでした。
「五等分の花嫁」【117話 五里霧中ランチタイム】【コミックライク】
以下、「週間少年マガジン(2020年8号)」のネタバレを含みます。
ヤングマガジン2020年8号 [2020年1月20日発売]【電子書籍】[ ヤングマガジン編集部 ][楽天kobo電子書籍]
四葉と二乃の話し合いを聞いて五月はモヤモヤが晴れる
四葉と二乃の話し合いが円満に解決したと同時に、五月のモヤモヤも解消しました。
結局、モヤモヤの正体は風太郎への淡い恋心をなかったことにすべきなのか、ということと、選ばれなかった姉妹(自分を含めて?)の気持ちを考えていてスッキリしなかったようです。
四葉が三玖に言われてちゃんと二乃に想いをぶつけ、風太郎のことを真剣に好きだし、絶対に関係を認めて欲しいと願っているけども今じゃなくていい、むしろ認めさせるからずっと見てて、と伝えたことで二乃もそれを受け止めました。
「ここで勝負は終わってない 少し後ろであんたたちの行く末を見ててあげる ほんの少しでも隙なんて見せたら私が彼を奪ってやるんだから」と啖呵を切るところが二乃らしいです。
裏表ハッキリしていて割り切りが上手そうに見えるのに、ずっと姉妹のことを想っていて、最初、輪を乱す風太郎を拒絶していたように、二乃は一番自分の想いに対して一途です。
言葉通り、風太郎と四葉の関係を最後まで後ろから、やいやいと声をかけて世話をしまくる未来が見えます。
「チュー」の鳴き真似には最初の段階で二乃は気付いていたでしょうか。「大量だ」と信じる四葉の素直なところはステキです。
二乃にぶつけて気持ちを白状したつもりがそっくり風太郎に聞かれ、真っ赤になってしまいます。ドンマイ四葉。風太郎も動揺して誤魔化すところが微笑ましかったです。
四葉と二乃の話し合いを聞いて、五月は風太郎への恋心があったことを認識したうえで、それを記憶していてもいいと自分を認めます。と同時に選ばれなかった姉妹たちが不幸なわけではない、とわかってモヤモヤが晴れたようです。
咄嗟に風太郎からスマホを隠しましたが、風太郎、五月、らいはの三人で撮ったプリクラが貼られていました。「ずっと友達」の文字を再び噛み締めたでしょうか。
ただ、スマホにこれを貼っているとなると風太郎には隠せたとしても、家の中では他の姉妹に見つかってしまいそうなのですが・・。それこそ二乃に知られたらかなり追及されると思います。
ストーリー上では最後の方の時間軸が把握出来ず、肩に顔を乗せているシーンがどの瞬間のものか(四葉と二乃が話し合っている途中?)わかりづらいですが、五月なりのケジメはつけられたようです。
以下、あらすじです。
118話のあらすじ
四葉に連れて来られた二乃は、「あんたのことがずっと疎ましかった それまで私たちはずっと仲良くやってきたっていうのに 一人で何も言わず突っ走って」と昔、四葉がリボンをつけた頃のことを話します。
「私たち五つ子の輪を乱し始めたのは四葉 あんただよ」と二乃の厳しい視線に四葉は怯まず、自分勝手だったことを素直に謝ります。
押し付けるばかりだったことを反省しながらも、それでも考えは変わらず「私の願いは 私と上杉さんのお付き合いを認めてもらうこと」と愚直な姿勢を貫きます。
「・・呆れた」と二乃はまだ甘いことを言っている四葉に冷ややかな目線を向けます。
その時、教室の暗がりでガタンと音がしてびっくりする二人。暗がりから「チュー」と間の抜けた鳴き声が聞こえてきて、「なんだネズミか」「ネズミがいるのね」と二人とも納得しています。
勿論その鳴き声は五月が出したもので、教室の前のドアから出ようとして失敗して音を立ててしまったようです。身を寄せて来る風太郎に五月はちょっとドギマギしています。(こんな所・・四葉たちに見せられません・・)。
何かを思いついた風太郎が五月のポケットに手を伸ばすと、焦った五月は「チューチュー」と連呼。四葉が「大量だ」とつぶやいていますが、二乃の視線が冷ややかです。
急に暴れた五月に風太郎は小声で窘めますが、五月は急に手を伸ばしてきたからと反論。風太郎はスマホを使いたかったようで、自分は今持っていないので五月のスマホで四葉たちに連絡して外に出てもらおうと考えていました。
五月はそれに乗っかろうとしますがスマホを見て「あっ」と声を出すと取りやめます。教室の暗さでバレていないけど画面が光れば見つかるから無理という理由に、風太郎も一理あると認めます。
(下田さんの言う通りこのモヤモヤの正体が嫉妬なのだとしたら 私はなんて悪い子なんでしょう・・)と五月は自分を責めています。
そうしているうちに四葉の方の話し合いでは二乃が痺れを切らし、教室を出て行こうとします。手を取って止める四葉。
「今更なんなの? 私なんて無視して勝手に付き合えばいいじゃない!」と二乃は怒りますが、四葉は「これは 私と上杉さんだけの話じゃないと思ってるんだ」。
二乃と風太郎、三玖や一花、五月と風太郎、それぞれが過ごした日々を無視なんて出来ないと、自分なりの覚悟を持って伝えに来たんだと説明し、風太郎との関係を認めてもらうことが願いと言います。
「だからそれは・・っ」「ただ それは今じゃなくていい」「!」「数か月 数年 どれだけ時間がかかるかわからないけど・・ 私が上杉さんをどれだけ好きなのか この想いの強さを 見ててほしい きっと負けてないから」。
四葉の堂々として宣言に二乃の態度も少し軟化します。「そうね たとえ今のあんたに謝られたり説得されたりしても 私は納得できないでしょうね」「それをわかった上で あんたは茨の道を進むつもりなのね」。
「私は上杉さんと好きなのと同じくらい 姉妹の皆が好きだから」と四葉。
「全く・・馬鹿ね」と呆れたような感心したような二乃。背後でまたガタンと音が聞こえ、続いて「チュー」と鳴き声。四葉の言葉に動揺して音を立てた風太郎を庇って、五月が鳴き真似をしています。
二乃は四葉らしいと言い、五つ子の枷から解き放たれて突き進んで行く四葉の背中が気に入らなくて羨ましかったと言います。「あんたはまだ私を競い合う相手として見てくれてるのかしら」。
「勿論だよ 私たちはずっとお互いを意識しながら生きていくんだ 時には仲間 時には敵 そんな・・」四葉の言葉を「ライバル・・よね」二乃が引き取ります。
三玖と話したかを聞かれ、怒ってると言われたことを話すと「口下手なんだから」と二乃の表情も柔らかいです。
二乃は「昨日のことがなければ大人しく祝ってあげようと思ってたのに・・あんたがそのつもりなら私も言うわ 往生際が悪いのかもしれないけど私のフー君への気持ちは収まる気がしないの」。
「ここで勝負は終わってない 少し後ろであんたたちの行く末を見ててあげる ほんの少しでも隙なんて見せたら私が彼を奪ってやるんだから」と、瞳に涙を滲ませながらも二乃らしい啖呵を切ります。
四葉もそれをしっかりと受け止め「うん」と頷きます。それを聞いていた五月も目を閉じ、彼女らの言葉を胸に刻んでいます。
「そろそろいいかしらね」と言った二乃は、教室の暗がりに向けて「ネズミの二人 出てきなさい」と命じます。
「・・気づいてたのか」とバツが悪そうに風太郎と五月が姿を現すと、気付いていなかった四葉がテンパっています。「もしかしてずっと聞いて・・」。
「すまん」と認めた風太郎に、四葉が真っ赤になって二乃を責めますが、二乃はどこ吹く風で「あら てっきり知ってて言ってるものかと思ってたわ」。
二乃は風太郎に向き直ると「聞いてたわよねフー君」「そういうことだから 努々油断しないようにね」と楽しそうに余裕たっぷり笑いかけます。「ああ 肝に銘じておくよ」と風太郎も逃げずに受け止めます。
「あはは 二乃らしいですね あなたも厄介な姉妹に手を出し手しまいましたね」と人聞きの悪いことを言う五月。
二乃は推薦のことで言い返したことを四葉に詫びますが、四葉は本当のこと、とちょっと謙遜し過ぎで、二乃は「自信持ちなさい あんたがやってきた成果でしょ」と励ましています。
皆のことを考えると素直におめでとうと言えない、と下田さんにも相談した五月でしたが、二乃や四葉の本音をぶつけ合う様子を見て口元を綻ばせます。(下田さんの予想はハズレみたいですよ)。
「五月 何笑ってんのよ」と二乃に突っ込まれますが、「二乃と四葉を見て ずっとモヤモヤしてた感情が無くなったからかもしれません」と五月。
風太郎がどういうことかと訊きますが、「あなたには秘密です」と五月は微笑んだまま返します。
日が改まり、塾では五月がアドバイスした中学生女子が、想い人がクラスの子と付き合っていると知って泣いています。「こんなことなら好きにならなきゃよかった」。
五月はそっと寄り添い、「辛いですよね でもこれで終わりではありません」「たとえ実らなかった恋であったとしても 彼を好きだった思い出 そんな自分が輝いていた記憶は何事にも代えがたい宝となるでしょう」「この恋はこれからのあなたをより輝かせてくれるはずです」。
「だからあなたも手放さないで この恋の記憶を」と真摯なアドバイスに女生徒も素直に頷きますが、下田さんは珍しく力強い五月の言葉に「何かあったな」と勘づきます。誤魔化す五月。逃げながら机のスマホを手に取ります。
零奈の姿で風太郎の前に現し、ボートの上でお守りを渡した時のことを思い出しています。何かをお守りを入れる零奈(五月)。
場面は少し戻って、四葉と二乃から隠れて、教室で風太郎と肩を寄せ合っていた時の五月。
(やっと言えそうです)とスマホを見つめています。そこには風太郎、五月、らいはの三人で撮ったプリクラの写真が貼られています。ずっと友達、と文字がプリントされています。
そっと風太郎の肩に顔を乗せた五月。(上杉君 おめでとう)と、五月は心からそう言えたのでした。
まとめ
五月のモヤモヤが引っ張られると展開的に辛いなぁ~と思っていましたが、四葉と二乃の仲違いの解消と同時に、五月のモヤモヤも解消と一気に解決です。
五月のモヤモヤが姉妹との関係性や、自分のうっすらとした風太郎への想いだったので、四葉と二乃の話し合いとその決着はまさにドンピシャだったようです。中学生女子に大人っぽく恋愛を語れるようになるとは、随分な成長ですね。
二乃も二乃らしかったです。本当にずっと見張っていそうです・・。少なくとも結婚式までは独り身でいるでしょうか。
「写真の子」の話までは出ませんでした。四葉の風太郎への感情がダダ漏れただけです。一花と特訓していましたが、今度は風太郎がちゃんと四葉に言わないといけませんね。
風太郎が答えを出した後の姉妹の動向も、これで一応全員分消化。あとは風太郎と四葉が関係を進展させるだけで、二人だけでの行動になるでしょうか。
急に結婚式まで飛んでしまわないよう、恋人同士での学園生活の部分も見たいと思っています。
「五等分の花嫁」【119話 五つ星ツアー】【コミックライク】
↓良かったら応援して下さい!
五等分の花嫁(12) (週刊少年マガジンコミックス)[kindle版]