92話「秘密の痕」
前回までのあらすじ
夏休みに入り、アパートを引き払って元の高級マンションに戻った5つ子たちと風太郎は会えずにいます。風太郎はらいはにせがまれて海へ遊びに行き、クラスメイトたちと盛り上がりますが、いつもそばにいる5つ子たちがいないことに物足りなさを覚えます。そして、風太郎から5つ子たちをプールに誘うのでした。
「五等分の花嫁」【91話 偶然のない夏休み】【コミックライク】
以下、「週間少年マガジン(2019年31号)」のネタバレを含みます。
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(感想→あらすじ→まとめ)
日常プール回、五月が一人であわあわしている
ラブコメ定番の水着回です。四葉のシリアスなエピソードがどう解決に向かうのかと構えていましたが、夜のブランコ一人漕ぎから続けて2回の日常回になりました。
四葉のエピソードや三玖のひたむきさ、二乃の積極的な姿勢を見ていると、正直今更五月が参戦しても・・という想いが強く、五月まで恋愛感情を持ち始めても違和感が大きいです。
「誓いの鐘」の件もあって花嫁レースからは外れている気もするので、ここから他のエピソードにどうつなげていくのかわかりません。「母親」の役割を強調していますので、零奈の命日絡みで何かあるのでしょうが、恋愛感情とは関係なさそうですし。
もしかしてこのような日常回にも何かしらの伏線が張られているのか、と深読みしてみましたが、一花と四葉が一歩引いちゃったくらいしか読み取れません。力不足です。
一方、三玖は告白してからは世界が違って見えると生き生きしていて、これは「風太郎なしでも何でもできる」という敗北フラグでしょうか。二乃も積極的ですが、風太郎の方に今のところ受け皿がないのであまり実ってません。
そういった恋愛軸を別にして読むと、五月が一人でバタバタしているサービス水着回です。姉妹たちと風太郎を会わせてはいけないと勝手に空回りしつつ、最後は風太郎も似たようなことを考えていてほっと落ち着くという展開です。
序盤にこのエピソードだったら五月のヒロイン路線ですが、先にも書いたようにもうエントリーが締め切られちゃってる感があるので、しっくりこないです。いわゆる相談役ポジションに収まるのかなあとぼんやり思っています。
しかし、五月と密着してボートに二人乗りしながらの風太郎の感想が、「枕みてぇ」は照れ隠しでもなさそうなので、かなり羨まけしからんですね。
あらすじで振り返ってみます。
92話のあらすじ
風太郎に誘われた5つ子たちが先にプールに到着しています。看板には「入れ墨・タトゥーの方は入場をお断り」と書いてあり、三玖が二乃に大丈夫?と聞いています。
肩に「風」の一文字を入れた二乃のイメージを姉妹たちは思い浮かべていて、「私をどう思ってんのよ!」と二乃は憤慨していますが、「相手との絆を刻み込むってのもロマンチック」とうっとりしています。
勿論やりませんが、それを聞いた五月が「そんなことをしたら不良です!」と真面目に注意し、やはり風太郎がいなければ自分たちは平和だと一日何事も起きないようにと気を引き締めます。
入場し、五月が一人でやきそばを五人分買っていると、遅れて来た風太郎と出会います。「お前ついにそこまできたか・・」と風太郎は呆れ、五月は皆のぶんだと必死に言い訳していますが、なんだか一人で食べてしまいそうな雰囲気もあります。
風太郎は早速皆の元に案内してもらおうとしますが、姉妹に会せたくない五月は水着を見せて感想を聞きます。風太郎は「いいと思う」と軽く流しますが、執拗に食い下がります。
風太郎がやや怒り気味に話を遮ると、さすがにそれ以上引き延ばすことができずに皆の元に向かいます。「今は私がしっかりしないと! 見ていてくださいお母さん! 私が姉妹の秩序を守ってみせます!」と意気込んでいます。
行く手に一花を見つけると進路を変え、今度は四葉を見つけると再び進路を変え、隠れるように身を屈めさせます。しかし、傍から見れば人気のないところでいちゃついているだけで、一花と四葉に見つかってしまい、冷ややかな目線を向けられます。
「終わった」と五月は修学旅行の二の舞になると心配しますが、二人の態度はカラッとしており、五月は四葉のことは「もう過去のことは洗い流したように見える」、一花のことは「家を出る一見は彼とは無関係だったということでしょうか」と早とちりしていたみたいとひと安心しています。
本当は二人とも複雑な想いを抱いているはずなので、姉妹の五月に感じさせない二人の心を思うと複雑です。
そこに二乃と三玖が現れ、突進して風太郎に抱きつきます。二乃はともかく、三玖もかなり積極的です。水着を見せ、日焼け止めを塗って欲しいと迫ってきます。改めて二乃と三玖の本気を知って慄く五月です。
皆が揃ったところで全員でウォータースライダーに行きます。かなりの高さがあるスライダーで、五月は腰が引けて一花に手を握ってくださいよと念を押しています。
混んでいて全員で列に並んでいると、二乃が風太郎に今度店長の見舞いに行こうと誘い、風太郎も行こうと思っていたと頷きます。三玖もなんの話かわからないけど私も行くと割り込んできます。その流れで高級マンションに戻ったことなどを話しています。
ようやく順番が回ってきて、ボートに乗ってスライダーを降りることになりますが二人乗りです。ジャンケンで組み合わせを決めると四葉・二乃、一花・三玖、風太郎・五月になりました。
四葉は単純に楽しみ、二乃はこのままじゃいけないと頭を悩ませ、一花は三玖の変わりように目を見張っています。三玖は「告白してからはなんだか景色が違って見える」と笑顔も輝いています。
一方、最後に残された風太郎と五月。怖気づいてると思われたくない五月はあれこれと引き延ばし、「あなたと乗りたいだなんて二乃も三玖もどうかしてます」と悪態をつきますが、「全くだな」と風太郎が同意します。
五月は二人を否定しているわけではないと言いますが、風太郎はそうじゃなくて「こんな俺を選ぶなんてどうかしてるという意味だ」と言います。
「もっと本を読んで早急に自分の気持ちを見つけ出さなければ」と風太郎が真面目な顔で言うと、やっと五月の緊張がほぐれ、風太郎を肯定するように、「あれこれ考えるより やってみてわかることもあると思いますよ」と控えながらも笑顔になりました。
そうこうするうちに順番が回って来て、五月は前に乗るか後ろに乗るかどっちも地獄だと苦悶していますが、結局、後ろを選びます。それでも気持ちの踏ん切りがつかない五月に、風太郎が「手 握れば平気か?」と尋ねてきます。五月はドキッとします。
「子供扱いしないでください!こんなのへっちゃらです!」と一花に念を押していたのとは真逆の態度を取りますが、「そうかよ」と言った風太郎はあっさり五月の前に乗り込ました。密着した姿勢での感想は、「枕みてぇ」でした。
「やっぱり二人ともどうかしてます!」と呆れ気味の五月です。
夜になって帰り道、日焼け止めを塗っていなかった四葉が健康的に日焼けしています。風太郎も真っ赤になっていますが、二乃が右手だけ日焼けしていないことに気付きます。
風太郎は「なんだこれ」と覚えがないようでしたが、はっと気づく五月。「わ 私は何も知りません!」「これ以上 火種を増やすのはごめんです!」と一人でテンパっていますが、スライダーの時に手をつないだのでしょうね。
五月は真っ赤になっていました。
まとめ
ラブコメものでは定番のプール回でしたが、五月が一人であわあわしている感じでした。五月の方は少し風太郎を意識したかもしれませんが、このまま恋愛感情に発展するかと言えば、それはどうだろうというところです。
四葉のエピソードからの落差が凄くて未だに気持ちが戻っていませんが、春場先生のことなのでこんな日常回にも伏線を張ってあるのか気になります。
夏休みの間には零奈の命日もありますので、そこにも何かしらのエピソードがあると思われますが、母親つながりだと五月でしょうし、このまましばらくは五月のターンになるのでしょうか。
一気に物語が加速していくと思っていたので、ちょっとこの緩急になかなかついていけてませんが、油断すると痛い目に遭いますので、しっかり読んでついていこうと思っています。
三玖が一人立ちしそうな感じもしますね。
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