94話「分岐の時①」
前回までのあらすじ
押してもダメなら引いてみな作戦を実行した二乃でしたが、意外に風太郎がビビってくれたことが嬉しく、結局追いかけることを決めました。一方、一花が女優業に専念するために二学期から学校を辞めると言い、姉妹たちは言葉を失うのでした。
以下、「週間少年マガジン(2019年33号)」のネタバレを含みます。
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(感想→あらすじ→まとめ)
一花の決意を翻意させることができるのか
一花が学校を辞めると言い出し、姉妹たちがそれぞれの距離感で向き合うなか、三玖は正面から話し合うことを選びました。昔の三玖だったら行動しなかったでしょうし、随分と変わっています。
風太郎も夏休みの学校まで駆けつけて「ビジネスだ」と照れ隠しで家庭教師を続けることを提案し、学校に残る選択肢を示しますが、決意を固めた一花には通じませんでした。
お金が足りないと言った風太郎にすかさず「バイト募集中のお店 知ってるよ」と目を輝かせながら言う三玖が、積極的で可愛いです。一花の騒動がなければ風太郎ももっと三玖に目を向けられると思うのですが・・。
一花は四葉と公園でブランコに乗りながら話をするようですが、どっちが呼び出したのでしょう。話の流れ的に一花だと思いますが、だとすれば四葉が一人でブランコを漕いでいることを知っていたのですかね。
小学校の頃のことを話し始めましたが、四葉に対してもケリをつける気持ちのようです。
本音では皆と一緒に卒業したいと思いながら、風太郎と一緒にいると姉妹に色々と迷惑をかけてしまったことを思い出して自分が許せなくなる、という想いを抱えている一花の心を動かすことはできるのでしょうか。
風太郎としては最善手を打ったうえでの敗北ですから、今までの風太郎だったら手詰まりです。三玖や二乃、五月らの協力を得て、変わった姿を見せることで一花の心を動かすのかもしれません。
以下、あらすじです。
94話のあらすじ
マルオ(おそらく)からの電話で、「今後君には一花以外の家庭教師を続けてもらう」と知らされた風太郎です。
お墓では二乃が「あーあー聞こえない聞こえない」と子供っぽく否定していますが、淡々と学校を辞めることを告げる一花に、「私たちが同じ学校に通えるのはこれが最後なのよ」と泣き出します。
四葉も他の選択肢はなかったのかと尋ねますが、「お仕事に専念したいから」と表情を変えません。
五月は「一花が学校よりも大事なことを見つけたことを喜びましょう」と優等生発言をしますが、二乃に「それは本当にあんた自身の言葉かしら」と言われて、はっとしています。
四葉は一緒に卒業したかったし、一花だけいないなんて寂しいと言いながらも一花の夢を応援すると言います。三玖だけは無言で何かを考えているようです。
職員室で手続きをする一花。先生にも考え直すように言われますが、「勉強はもう勘弁です」と笑いながら受け流しています。
風太郎が息を切らせてマンションを訪ねますが、出迎えたのはお風呂上りでバスタオル一枚の四葉。一花は学校だと聞かされて、すぐに学校へ向かおうとします。
「待ってください」と連いて行く気の四葉が呼び止めますが、初めて四葉の恰好に気付いた風太郎が驚きます。四葉も改めて自分の恰好に気付くと、思い直して「一花をお願いします」と笑顔で送り出します。
その笑顔に何やら思うところがありそうな風太郎でしたが、特に何も言いませんでした。
学校では有名になった一花が、色々な生徒たちから声をかけられています。部活をする友達に「これで最後だから悔いなく終わらせたいんだ」と言われて、「偉いね」としか返せない一花です。
帰路に着いた一花を三玖が待ち伏せしています。学校のなかを二人で歩きながら、「私にはこの道しかない 覚悟が決まった気がする」とまるで自分に言い聞かせるように言う一花。
三玖は「本当に?」と疑問をぶつけ、「私といることがまだ辛い?」と本音を聞き出そうとします。
鋭いところを突かれた一花は、「辛いのは三玖といるからじゃない」「また元のように戻れると思ったけど フータロー君と一緒にいると 自分が許せなくなる」と本心を語ります。
続けて「一緒に卒業したいよ」とこぼし、「それなら」と三玖が言いますが、「なんちゃって」と振り払うように言われて三玖は言葉に詰まります。
自分では止められないと三玖が思った時、風太郎が息を切らせて現れます。「お 偶然~」。全然偶然ではないです。
風太郎は休学について先生に聞いてきたようで、出席日数と一定の学力を示せばまた復学し卒業までできることを告げます。「この手段を選べ 五人で卒業したという気持ちがあるなら」と一花に提案します。
一花は「意外だなぁ 君は後押ししてくれると思ってたのに」とこぼすと、一定の学力といってもただでさえ苦手な勉強を、授業も出ないでは無理と言います。
しかしそれは風太郎としては想定していた流れで、「またお前が個人的に俺を雇うんだ」と畳みかけます。
今までの一花なら乗ってこないはずのない提案に、「フータロー君は優しいなぁ」とつぶやく一花。風太郎は照れ隠しに「ビジネスだ」と顔を逸らしますが、一花の答えは「ごめんね」でした。一花の決意は固く、去って行きました。
三玖には「カッコつけたのに失敗したね」と痛いところを突かれます。風太郎は何やら考え始め、バイト先の店長がリハビリ中でこのままではお金が足りないとこぼします。
それが一花のことをなんとかするためのものなのか、本当にお金に困っているのかわかりませんが、すかさず三玖が喰いつき、「バイト募集中のお店 知ってるよ」と顔を輝かせています。おそらく自分と同じ店のことだと思いますが、積極的な三玖が可愛いです。
一人になった一花は「これでいいよね あとは・・」と言うと、公園に四葉を呼び出します(一花から指定?)。
ブランコを二人で漕ぎながら、一花はブランコに乗ったのは小学校の頃以来と言います。「四葉は覚えてる?」と話しかけ、四葉がブランコのことかと聞き返しますが、一花は「ううん フータロー君のこと」と真剣な表情で言うのでした。
まとめ
一花が二学期から学校を辞めると言い出したのは女優業のこともありますが、一番は風太郎と一緒にいることで自分が許せなくなるという想いでした。
風太郎への恋愛感情がなくならない限り消えるものでもないでしょうし、翻意させるには別アプローチが必要です。
四葉との話し合いが、一花に「皆で一緒に」という気持ちを思い出させてくれるものなのか、四葉の閉ざされた心が逆に溢れ出てしまうのか、何を語るのかとても気になります。
子供時代に四葉から風太郎を奪ってしまった形の一花が、今更そのことを謝っても四葉としてはどうしようもないですし、またブラック四葉になりかねません。
一花のエピソードでもありながら、四葉のエピソードでもあり、もしかしたら「それは本当にあなた自身の言葉かしら」と二乃に言われた五月のエピソードであるかもしれません。
「分岐の時」とのタイトル通りにそれぞれの道を歩み出すのかもしれませんが、5つ子の絆の強さを見せてくれるエピソードになればいいのになと思っています。
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