ライドンキング【10話 大統領と獣王の冠】【感想・ネタバレ】【コミックライク】
10話「大統領と獣王の冠」
前回のあらすじ
ジェラリエが騎士団を率いて人馬の里を襲撃します。ジェラリエに恨みを持つブルガルムが力を貸し応戦しますが、従軍魔術士カーヴィンの魔法や魔法武器の前に撤退を与儀なくされ、プルチノフ村へと逃げ延びるのでした。
「ライドンキング」【9話 大統領と狂姫(きょうき)の騎士団】【コミックライク】
以下、10話のネタバレを含みます。
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(感想→あらすじ→まとめ)
獣王となったプルチノフ、ベルにも秘密が
死の淵を彷徨っていたプルチノフは獣王ヤムドゥアに会い、新たな獣王となりました。
なんでも願いを叶えてやろうというヤムドゥアに、プルチノフは戦う力、魔法力、不老、金、凶悪な面相を変えるなどの全てを必要ないと断り、亡き妻ルチアの面影を忘れないようにというささやかな願いを叶えてもらいます。
てっきり竜へのライドンを希望するかと思ったのですが違いましたね。夢の中では「至福の騎乗」を体験していましたけど。
プルチノフもまさかヤムドゥアがその願いを叶えるために「我が身を捧げる」とまで思っていなかったでしょうが、ヤムドゥアも現世に縛られるのも飽いていたと言っていたので、プルチノフに獣王を譲って満足だったでしょう。
プルチノフはまたしてもパワーアップしてしました。どんどんと人外の力を身に着けていきます。
ベルも上位魔法を唱えたり、魔導院のカーヴィンに顔を覚えられていたりとか、かなりの実力の持ち主で、オリジナル魔法も持っているようです。帽子を脱ぐと中に精巧な模型のような武具が入っていて、これがベルのオリジナル魔法でしょうか。
密室を作り出した魔法「完全密室」の読み方が、「ルームオブコナン」というのはシャレています。あのコナンですよね。
ジェラリエの従軍魔術師カーヴィンは外道な回復魔法を使っていて、タダモノではなさそうです。ジェラリエも本気で村を落とそうとしていて、ブルガルムも結構やられています。
ブルガルムは貫禄はあるのですが、意外とやられまくってますね。
プルチノフらはベイダーベアのベイダーの掘った穴から村に戻り、マルセロスら人馬族と合流。ベルも逃げ切れないと悟り、秘密を明かそうとしています。ジェラリエ軍との衝突は必至です。
以下、あらすじです。
10話のあらすじ
死の淵を彷徨っているプルチノフは竜のディーンボウに跨ってライドンタイムを満喫する夢を見ていますが、ディーンボウに「目覚めよ」と言われ、夢から目覚めます。
といってもまだ現実の体は起きていません。ディーンボウの背には獣王ヤムドゥアが乗っていて、「この墓所の主だ」と名乗りを上げています。
プルチノフは「獣王」の単語よりも、竜に騎乗していることの方に注意を取られている様子で、「ずいぶんとうらやま・・いや・・仲がよいのだな」と本音がだだ漏れです。
ヤムドゥアは真の竜がその背を許すは獣王のみと言い、プルチノフは落胆します。ヤムドゥアは更に自分もディーンボウも死の河を渡った身だと、死者であることを告げます。
プルチノフもベルやサキ、カーニャに囲まれて倒れている我が身を振り返り、自分も死者になったわけかと冷静に受け止めていますが、ヤムドゥアは「安心せい 一時のことだ 我らと通じ合うには肉体と離れてもらう必要があったのだ」「そなたは我らの恩人 望まぬ死など与えはせん」と言います。
ヤムドゥアはこのダンジョンが獣王の墓所であると告げ、その成り立ちを説明します。400年の昔、十二の亜人部族により造られた墓所で、十二の部族を統べる八王国の冠、十二亜八冠を戴く獣王の墓とのこと。
十二の部族は離散し、王統も途絶えたため、冠ももはや過去の遺物だが、竜と心を通わせる道具としては使えると、「雷神の隠刃(ライゲルソード)」と共に持って行くがよいと言われます。ただ、どちらも実体がないために冠と剣はプルチノフの体に溶け込んでいきます。
ヤムドゥアはそれだけでは礼にならないので、ディーンボウを救ってくれた礼も合わせて望みの加護を与えると言います。
「神化は無理だが、それ以外のものはなんでも叶えてやろう」と様々なものを提案してきますが、プルチノフはそれぞれに理由をつけて断ります。以下、問答。
戦う力(無双の膂力か万軍を滅す魔法力)→「力で得られるものなどすべて手にしてきた 今更その手段が増えたところでなんになろうか」
不老の身体→「御免蒙る 殺めてきた人々を思えばこの身だけ長らえようとは思わぬ」
金貨の沸く壺→「金貨(かね)の価値など所詮他人(ひと)の決めたもの それがゴミになるのを何度も見てきた」
凶悪な人相を変える→「面相など他人にどう思われても構わん」
という流れで亡き妻ルチアの思い出、写真の一枚でもあればと希望。スマートフォンは不可能だが、朧げな記憶を蘇らせるなど容易いと、「時と英知の神タナーシュ」に請い願い、我が身を捧げてプルチノフに祝福を与えます。
「我が身を!?」とまさかそこまでオオゴトだと思っていなかったプルチノフは慌てますが、ヤムドゥアは現世に縛られるのも飽いてしまっていたので構わないと、プルチノフに祝福を与えるとディーンボウと共に浄化されて、「新たな獣王よ」と消えていきました。
むくりと起き上がるプルチノフに、サキ、カーニャは叫び声を上げて驚きますが、ベルは「デビルリバースみたいな」と一人だけ冷静です。
プルチノフははっきりとルチアの姿をの脳裏に浮かべ、獣王ヤムドゥアに感謝を捧げています。
ベルたちはダンジョン捜索を開始し、カーニャは「バリバリ盗掘するにゃ」とノリノリです。
人馬族を追い立てていたジェラリエ軍では、負傷した騎士たちにカーヴィンが回復魔法をかけていますが、外道の技なのか肉体が変質して恐ろしげな姿に変わり果てています。ジェラリエも戦線復帰さえできればどうでもいいと気にしたふうもありません。
ジェラリエの関心はブルガルムにあり、カーヴィンにどうやって倒すのか手立てを訊いています。カーヴィンは対魔獣戦用の最新魔導兵器を使うと言い、骸はいただきますとジェラリエと約束を交わしています。
ダンジョンを脱したプルチノフらは手ぶらで森を通って帰って来ています。財宝の一つもなくポーションの無駄遣いだったとベルたちは愚痴をこぼしています。
「獣王は生前に供物や宝物を共に葬ることを禁じたようだからな 遺体にも装飾品は一切纏わせぬようにと」説明しますが、「民に優しい王様だけど 墓荒らしには優しくないにゃん」とカーニャが素直過ぎる感想をこぼしています。
目的のひとつだったミスリルスライムの生息地はわからずじまいで、結局人馬にしかわからないと結論づけます。
そろそろ村に辿り着こうとした時、ジェラリエの騎士団が村を包囲しているのを発見します。ベルいわく「アグレッシブなお客(クレーマー)」。その中にジェラリエの姿もあります。
すると地中からベイダーが飛び出し、その穴から村に入れると報告してきます。女王と人馬族もそこにいることを知ります。
村ではジェラリエ軍とブルガルムが戦っており、対魔獣戦用の最新魔導兵器「制御不能星屑弾(スターダストアロー)」の前にブルガルムはいくつもの傷を負わされています。トドメを刺そうとするカーヴィンとそれを阻止しようと守る村の子供たち。ファルコンアローで応戦され、子供たちは吹き飛ばされます。
ちょうど穴から村に戻ったプルチノフは吹き飛ばされた子供たちを見て、面影のルチアに「ボケッとしてんじゃないよ! 早く子供たちを!」とハッパをかけられます。
トドメを刺されようとしていたブルガルムは、ベルの「獅子王城壁(ジェリコウォール)」という地面を隆起させて壁にする魔法で防御します。
その魔法を見て「上位魔法!?」と驚くカーヴィン。ベルの姿を見つけ、ほくそ笑み、攻撃を中止します。ジェラリエには激怒されていますが聞き流し、「まさかあのオリジナル魔法のガキがこんなところに」と喜びを隠し切れない顔になっています。
ベルは久しぶりに使った上位魔法で魔力を使い過ぎて跪いています。ベルもカーヴィンを魔導院の魔術士だと認識しています。
幸いにも子供たちは鎧のおかげで命は助かりましたが、武器を与えたばかりに子供を戦場に立たせてしまったとプルチノフは自分の失態を悔やんでいます。
そこに現れるマルセロス。災厄を村に持ち込んだことを謝罪してきますが、プルチノフは「咎なき者が謝る必要はない」と歓迎し、共に戦って欲しいと申し出ます。
ベルは何かを決意した表情でプルチノフを呼ぶと、ベルと共に一軒の民家に入ります。カーニャには聞かれたくない話のようで、「完全密室(ルームオブコナン)」で締め出します。
サキは秘密を明かしていいのかとベルに確認しますが、ベルは従軍魔術士が魔導院の追手だと言い、「もうこれ以上 北へは逃げられない」と観念した様子で帽子を脱いで魔法を唱えます。
帽子の中には精巧な模型のような武具が色々詰まっていました。
「これを解凍したら 騎士団を追っ払えるみたいな」と、ベルは意味ありげに言うのでした。
まとめ
プルチノフは獣王になりましたが、またしてもライドンタイムならずでした。次は何に騎乗するのでしょうか。
ベルはただのポーション中毒者ではなかったようです。「オリジナル魔法」で魔導院に追われていたりとワケありで、相当な実力があるようです。
帽子の中身がどう絡んで来るのかわかりませんが、プルチノフならうまく活用するでしょう。
本気を出しているジェラリエ軍との対決も間近で、どういうふうに対決するのか注目ですね。
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