12話「大統領と人馬の誇り」
前回までのあらすじ
プルチノフ村を包囲するジェラリエ軍と交渉を開始した プルチノフ。武力で制圧しようとするジェラリエ軍の魔法師を仕留め、優位に立った。
「ライドンキング」【11話 大統領と妖精の鞄】【コミックライク】
以下、12話(月刊シリウス2019年7月号)のネタバレを含みます。
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熟練の交渉術
サキが実家から持ち出した魔法兵器と立地を活かしたプルチノフらは、魔法で押し通そうとするジェラリエ軍の魔法師のカーヴィンを討ち取りました。
恐れをなしたジェラリエの部下の騎士たちは撤退を進言しますが、プルチノフがそれを止めます。撤退する前に人馬の村で拉致した子供、それ以前に拉致した子らも返してもらうことを要求。
君たちを今、皆殺しにしないのは慈悲ではなく拉致問題が解決していないからだと、強気の交渉がスタートです。ジェラリエを人質として指名します。
魔狼らも参戦し、馬車に捉えられていた人馬の子供らを解放。
騎士らは「人馬や亜人を王都に売った金で北辺を安定させている」「汚らしい人馬の里で育つよりもよほど人間らしい生活ができる」「税も賦役もしていない」「内地では王家に将軍として使える人馬もいる」と己の勝手な正当性を喚き立ててきます。
プルチノフは「ならば君たちも皆殺しにされる前に我々に忠誠を誓ってはどうか?」と冷静に問い返します。逆上する騎士たちですが、自分たちにできないことを他者に要求するなと一蹴。
人馬にも誇りがあることを述べ、「人間と人馬が同等だと言うのか」と本音を語った騎士たちに、プルチノフは「他者の誇りを尊重できぬ者に誇りの何たるかを説く四角はない」と見切りをつけます。
ド正論なうえ、騎士たちを高所から魔法武器で包囲している圧倒的優位で騎士たちを論破します。
ジェラリエは騎士たちを下げ、一人進み出てきましたが、捕虜になるためではなく対決を選択したからでした。「邪王炎爆破(サンダ・ファイア)」という強力な剣魔法で攻撃してきます。
しかし、プルチノフにとっても拳で語るのはむしろ都合が良く、即刻、戦闘態勢です。
戦闘開始
斬りかかって来たのは首輪の力で支配されている人馬の族長・タクタロス。お互い一歩も引かぬ攻防となります。
プルチノフは「馬(ば)ックドロップ」を繰り出しますが、その瞬間を狙ってジェラリエが 、タクタロスもろとも吹き飛ばそうと魔法を放ってきます。プルチノフはタクタロスの身も案じて回避。
ジェラリエはタクタロスに騎乗し、そのまま2対1の戦いに突入します。それでも余裕のあるプルチノフは、傷つけずに済ます方針を切り替えようと内心で決意します。
そこへ乱入して来たのはマルセロス。今までは一騎打ちならばと静観していたようです。
「ではお前もその男を背に乗せて戦うということか?」とジェラリエが挑発してきますが、その言葉に何より喜んだのはプルチノフ。ドキドキしています。
マルセロスはプルチノフに恩義は感じていますが、背に乗せるのは誇りが邪魔します。かの獣王なら・・と逡巡しますが、その時、プルチノフの胸に浮かび上がったのは獣王から受け継いだ「十二亜八冠」、獣王の証でした。
マルセロスは自分たちが何故プルチノフの元に辿り着いたのか理由がわかったと納得。跪いて、獣王陛下と呼び、王と認めます。
しかし、プルチノフは「私は誰の王でもない それでも私が王と言うのなら誰もがまた王であり 皆 我が友だ」と、「友」としてその背に乗せて欲しいと目線を合わせて語りかけます。
マルセロスも頷き、背に乗せることを承諾します。してやったりのプルチノフです。
ところがマルセロスの背に跨った途端、プルチノフの膨大な魔力と獣王の冠の魔力、ティエンコジーの友情パワーなどなんやかんやが融合し――
獣神合体していまいました!
上半身がプルチノフ、下半身がマルセロスという「プルセロス」が誕生したのです。
「思ってたのと違う!!」
白目を剥くプルチノフでした。
ライドンならずのプルチノフでした
大統領時代の交渉術を駆使し、ジェラリエ軍を制圧するプルチノフはさすがの実力でした。戦闘になっても怖気づかず、むしろ喜々として応戦しています。
マルセロスに友として認められ、背に跨った時にはようやく人馬にライドン!と思ったのですが、なんと合体。
交渉、戦闘シーンとシリアスな展開からいきなりのトンデモ展開でしたね。
白目を剥いているプルチノフの心中、お察しします。
それでも新たな騎乗感に目覚めてしまうのか、欲求不満のまま終わってしまうのか。なんだか戦闘やジェラリエのことなどそっちのけで、プルチノフの心情を追いかけたくなりますね。ますます楽しみです。
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