ライドンキング【13話 大統領と人馬の兄弟】【感想・ネタバレ】【コミックライク】
13話「大統領と人馬の兄弟」
前回のあらすじ
プルチノフ村を襲撃してきたジェラリエ軍を撃退し、交渉を持ちかけるプルチノフでしたが、ジェラリエはタクタロスに騎乗して戦いを挑んで来ます。プルチノフはマルセロスと力を合わせて戦おうとしましたが何故か合体し、「プルセロス」が誕生したのでした。
「ライドンキング」【12話 大統領と人馬の誇り】【コミックライク】
以下、13話(月刊少年シリウス2019年8月号)のネタバレを含みます。
「ライドンキング」(マガジンポケット)で少しだけ過去回が試し読みできます。
人馬合体したプルチノフがキモカッコイイ
ギャグ回かとツッコみたくなる面白さでした。
前回、ライドンタイムを期待してマルセロスに跨ったプルチノフは、合体して「プルセロス」誕生となりました。いったい、どういう仕組みかと思っていましたが、「限りなく魔法的な存在」とのことで、魔力が尽きると元に戻るそうです。良かったですね。
融合しても体をうまく使いこなせなかったプルチノフは心の中でマルセロスと会話し、その背景キラキラシーンからの変形、お腹にプルチノフの顔が出る「マルチノス」も笑いました。
しかし、それで動きをつかんだプルチノフは反撃、ジェラリエを手玉に取るというバトルシーンもあり、ちゃんと強いプルチノフも見せてくれます。
倒した後は為政者モードで無用に争いを好まず、取引を持ち掛けるところもらしいです。人馬族は恨みが募って皆殺し派が主流ですが、サキやベル、カーニャはできるだけ争いは避ける派で、チームとしてはまとまっています。
敗北したタクタロスは自力で隷属の首輪を引きちぎってましたが、やろうと思えばできたんですね。ジェラリエとは訳ありの関係のようです。
半人馬(サテュロス)という存在も出てきました。消費の少ない体に改造するために、幼少時に前足を切断して作り上げられた存在で、奴隷階級として虐げられていたところを獣王によって正されたのですが、一部の人馬が未だに奴隷として扱っているとのこと。
ジェラリエはどうやら半人馬のようで、タクタロスは隷属の首輪をつけられながらも本当は支配していた側なのか、ジェラリエと恋仲で解放しようとしているのか、族長の腕輪を簡単に弟に譲るくらいですので引けない事情があるのでしょう。
ジェラリエは人馬族が他人を責める資格などないとキレていましたが、そのあたりが彼女の行動の源のようです。プルチノフは事情を知れば解放の手助けをするでしょうし、今後、共闘という展開になる可能性大です。
サキとベル、カーニャの出番はなし。解説係でしたね。
では、あらすじで振り返ってみます。
13話のあらすじ
人馬とのライドンタイムを心待ちにしていたプルチノフでしたが、合体していまい、「こういうことではないっ!!」と全力でツッコんでいます。
ところが人馬族の皆は感動さえしている様子で、その存在は「人馬合体(ツープラトン)」という伝説の騎士だそうです。
サキは思いっきり引いていますが、ベルとカーニャの説明によれば「あの肉体は限りなく魔法的な存在」とのことで、どちらかの魔力が尽きたら自然に分離するようです。
しかし、2対1になったから加勢したのに合体したため、再び2対1に戻ってしまい、ジェラリエに指摘されてプルチノフは「た、確かに」と焦りを見せています。融合した体も思い通りになりません。
その時、マルセロスが心の中で語りかけてきます。「陛下(プルチノフ)はまだ只人としての脚使いに意識を取られている」と、一度上半身の意識を貸してくれと言ってきます。
プルチノフとしては普通に跨れればいいだけでしたが、マルセロスはまったく話を聞かずに進め、獣神変形して「マルチノス」が誕生しました。
上半身のプルチノフの顔の更に上に、マルセロスの顔がトーテムポールのように作り出されました。ベルいわく「悪魔的な融合」だそうで、見た目はかなりキモいです。
ジェラリエはその無様な恰好を笑って意気揚々と攻めてきますが、マルセロスが巧みに防御します。その動きを確かめていたプルチノフは四本足の合理性を感じ取り、人馬の優位性を即座に理解しました。
再びプルセロスに戻ると、「人馬跳横蹴り(ケンタウロッセ ティミョ トラヨプチャ チルギ)」という後ろ回し蹴りを繰り出します。強烈なキックはジェラリエの体勢をあっさりと崩します。前足をジャブのように使うなど、早くも馴染んだようです。
ジェラリエはたまらず「邪王炎爆(サンダ・ファイヤー)」の魔法を出しますが、モーションの大きいこの技はプルチノフは完全に見切っており、技の始動を妨害して弾き飛ばします。
すると今度は槍に魔法をまとわりつかせて、タクタロスに「肉弾突撃(スーサイドチャージ)」させて、人馬を犠牲にして攻撃しようとしてきます。
ならばとプルチノフはカラテの技を使い、正拳に全ての力を込めて迎え撃ちます。四本の脚で踏ん張ると大地から魔素を吸収し、「大統領流 人馬鉄騎正拳突き(ケンタウロストレート)」という威力抜群の右拳がタクタロスの胸にヒットします。
放たれた衝撃はタクタロスを突き抜けて騎乗していたジェラリエをも吹っ飛ばし、 一撃で決着です。プルセロス体は分離しました。
プルチノフは倒れたジェラリエを見やりながら、王都に攫った人馬の子らを返すと誓うならこのまま見逃してもいいと諭します。
ジェラリエは王都の貴族がそんなことを許すはずがないと一笑し、意味のないことだと反論しますが、プルチノフは「その誓いに誠実であればこそ そこに信頼や信義が生まれる」と言います。その信頼や信義こそがこの世に意味を与える、と。
ジェラリエは綺麗事をと反発し、プルチノフも無理強いするものでもないと諦めて、タクタロスだけは返してもらおうとします。
しかし、タクタロスは「その必要はない」と自力で隷属の首輪を引きちぎりました。首から大量に出血しますが、失命はしていないようです。族長の腕輪を弟のマルセロスに譲って、ジェラリエの始末は自分がつけると連れ去って行きます。
マルセロスや人馬族は追いかけようとしますが、プルチノフがそれを止めます。
ベルやサキも深追いはしなくてもいいと同意し、ジェラリエが生きていればいずれ交渉の余地が生まれるかもしれないことや、バリスタやクロスボウの魔法武器の矢も残り少ないことを説きます。
そこに現れたのが半人馬(サテュロス)のお婆さん。カーニャは半人馬の存在を知っていたようですが、エルフの姫婆とツッコみ返されてキレています。
お婆さんが語るところによれば、人馬族は巨大な体躯が為に只人より数倍の糧を要する種族であり、貧しい土地では多くの同胞が死んだらしい。
半人馬はその時代に消費を減らすため、幼少期に前足を切断し、小さな体で生きていけるようにと人工的に作られた存在。必然的に下層階級や罪人の子らが対象となり、奴隷階級として扱われていたとのこと。
それを獣王が蛮行として罰し、半人馬を十二亜の同胞としたものの、獣王に叛した一部の人馬が南に逃れ、今も半人馬を奴隷とし続けているとのこと。
場面が変わり、去って行ったタクタロスが肩に担いだジェラリエの脚は、魔法的な偽装が解けて人馬の脚になっていました。
まとめ
敗北して去ったタクタロスとジェラリエですが、半人馬という存在も出て来て、立て続けにこっちの路線で話が広がっていくのか、まずは村を立て直す方向になるのか一旦話がひと段落しました。
獣王はプルチノフが受け継いでいますので、いずれは解決に手を貸すことになるでしょうけど。
ジェラリエが半人馬(だと思われる)という秘密も明かされましたが、前半部分の獣神変形なんかの衝撃が強くて、すっと入ってきませんでしたね・・。
プルチノフ的にはライドンタイムは叶いませんでしたが、融合して体を自在に動かすのは悪くない感覚だったのではないでしょうか。マルセロスも忠誠を誓ってますので、変身しようと思えばいつでも可能ですね。
戦闘も終了したので、どっちかと言えば村が発展する方向に進んでいくといいな~と思っています。次回からの新展開に期待です。
「ライドンキング」【14話 大統領と忍び寄る混沌(ケイオス)】【コミックライク】
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