ライドンキング【14話 大統領と忍び寄る混沌(ケイオス)】【感想・ネタバレ】【コミックライク】
14話「大統領と忍び寄る混沌(ケイオス)」
前回のあらすじ
マルセロスと融合して「プルセロス」となったプルチノフは、ジェラリエを倒して村を守りました。ジェラリエにトドメを刺すことをよしとしなかったプルチノフは見逃し、瀕死のタクタロスが彼女を連れ去って行きます。新たに半人馬という存在を知りましたが、ジェラリエがそうだということをプルチノフは知らないままでした。
「ライドンキング」【13話 大統領と人馬の兄弟】【コミックライク】
以下、14話(月刊シリウス2019年9月号)のネタバレを含みます。
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街の強化とジェラリエ・タクタロスの行く末、新たな敵の登場
前回で戦いにひと段落がつき、新展開に移行するためのつなぎの回でした。プルチノフ陣営に戦闘はなく、ライドンタイムもありません。
村の発展話は見てみたかったのですが、ベルの魔圧縮のオリジナル魔法と、ベイダーの素手(爪)での岩の切り出しや、カーニャの木工魔法であっという間に村から町へと発展させられそうです。
岩を作り出す魔法は、地中にある岩盤の一部を一瞬だけ簡易ゴーレム化して地表に飛び出させるもので、放っておいたら数日で地下に沈み込む、と理屈の通っている説明でした。それにしてもベルの魔法は優秀です。
優れた技術が逆に子供たちを窮地に追いやるのではとプルチノフは迷っていましたが、混沌(ケイオス)の邪教徒、魔族たちから守るためと言われて納得していました。
前回のヒキから半人馬との決着を着ける流れかと思いましたが、今度の敵は魔族のようです。
ジェラリエの窮地を救って連れ去ったタクタロスは、恋仲に近い深い関係かと推測していましたが、妻となる予定だった人馬の娘、が正解でした。只人に攫われて生まれた子供で、タクタロス側は一方的に父親としての意識を持っていました。
しかし、ジェラリエにはその意識はなく、最後までデレずに突き放していました。というかタクタロスは傷も深かったですが、回復魔法でなんとかなるのではという思いもあったので、あっさりと死んでしまってちょっと驚いています。
それ以上に驚いたのがカーヴィンが生きていたこと。プルチノフに倒されたのは魔造人形(ホムンクルス)で、やけに簡単に殺された気がしていましたが、確かに魔術士ならそれも頷けます。見逃していました。
カーヴィンは魔造人形と記憶を同期させると言っていましたので、ベルはしつこくつけ狙われるでしょう。ただ、残骸は村の近くにあるはずなので、簡単に回収できるものなのでしょうか。
ジェラリエはゴルドーの街に連れて行かれ、見せしめとして処刑されようとしていましたが、魔族が街を襲って来て生き残る流れのようです。魔族はプルチノフ村の脅威でもあり、敵対する勢力なので、ジェラリエとの共闘路線はまだ生きていますかね。
まあ、タクタロスにさえ心を開かなかったジェラリエが素直に手を貸すとは思えませんが、半人馬関係か獣王の力でなんとかするかもしれません。
つなぎの回ということで、ギャグもなくライドンタイムもない真面目な回でした。
以下、あらすじです。
14話のあらすじ
ジェラリエを撃退したプルチノフら。ブルガルムも大事なく、人馬たちは再会を喜んでいます。
ベルが「獅子王城壁(ジェリコウォール)」で地中から岩を生み出し、プルチノフは感心していますが、ベルの説明によれば地中にある岩盤の一部を一瞬だけ簡易ゴーレムにして、うにょ~んと飛び出させているとのこと。
岩の下はその分の隙間があり、放っておいたら数日で沈むので恒久的な城壁には向かないらしいです。
ただ、岩を切り出すだけなら問題ないとベルが言うと、ベイダーが間に入って、手刀で四角形に造形された石材に作り替えます。それをベルの魔圧縮魔法で小さくすると楽に運搬ができます。
他にも先に圧縮した木材をカーニャの木工魔法で角材にしてから魔法を解けば、大きな木材として利用できます。事前に知らされていなかったカーニャは木材の下敷きになって「殺す木(気)か!」と怒っていますが、いじられキャラが定着しています。
プルチノフは小さくした建築材を村で組み立て、それから元に戻せば簡単に建造物を作れると気付きます。しかし、クロスボウを作ったことによって子供たちを危険に晒したので、優れた技術を安易に使っていいものか悩みます。
サキも一理あると同意しますが、結局は工期の短縮というだけで、特別に優れた建造物が作れるわけでもなく、村の防備も必要と説くとプルチノフは納得します。
立地的にも北方の魔境を支配する魔境の住人、混沌(ケイオス)の邪教徒・魔族からも身を守らないと生きていけないとなりません。
ボロボロになったジェラリエを連れ去ったタクタロスは、深い森のなかで力尽きていました。ジェラリエの鎧は完全に砕けて、半人馬の脚が露わになっています。
タクタロスの傷は深く、自分は助からないのでゴルドーの街には戻らず、黒帯の冒険者として生きていけばいいと勧めますが受け入れてもらえず、態度も冷たいままです。
「人馬が半人馬にかける情けか」と嘲笑するように言われますが、違うとタクタロスは反論します。ジェラリエの母アルゼリアは自分の妻となるはずだったが、只人に攫われ、それで生まれたのがジェラリエでした。
だから自分の娘だと思っていると言いますが、ジェラリエは「人馬ふぜいが」とどこまでも冷淡です。彼女の父はゴルドー卿ゲルガラード。奴隷商から買った亜人や鬼人をはらませる悪趣味な男で、アルゼリアも喰うに困った里に売られただけだろうと言います。
それは・・と説明しかけるタクタロスでしたが、何かの気配に気付いて立ち上がると木の槍が飛んできます。槍はジェラリエを庇ったタクタロスの胸を貫き、タクタロスはそのまま絶命しました。
現れたのは死んだはずのカーヴィン。殺されたのはカーヴィンが造った魔造人形(ホムンクルス)だったとのことでした。魔力線(ライン)が切れたので様子を見に来たようです。残骸を回収して記憶を同期させることも可能とか。
ジェラリエを叔父のところに連れて行くと言います。飼い主を変えたというわけかとジェラリエは言いますが、あくまで飼い主は魔導院(タワー)とカーヴィンは悪びれる様子もありません。田舎領主の相続争いには興味ないと見下しています。
ジェラリエの半人馬の脚を見て、「馬脚を現すとはまさにこのこと」と下卑た笑いを浮かべています。
ゴルドーの街ではジェラリエの叔父、キモード・ゴルドーが街の民を集めて演説を打っています。魔法でバケモノの姿に変えたジェラリエの部下たちを拘束し、見世物にして、ジェラリエ自身も半人馬の姿で一番目立つところに吊るされています。
キモートの兄ゲルガラードを謀殺した大罪人として処罰する算段のようです。民は乗せられて「殺せ!」と声を上げています。
ジェラリエは冷ややかに「早く殺せ」と言い、しかし、「誰が兵権を握るにしろ 奴らにこの街の隙は見せられぬ」と忠告します。キモードは鼻で笑って否定します。
「愚かな・・」とジェラリエがつぶやいた時、城壁が兵士ごと吹き飛ばされます。「派手なノックでやってきたようだぞ」。
城壁を破って侵入した白い覆面、白いマントで身を包んだ三人組は、立ちはだかる兵士を物ともせず剣を一閃して首を飛ばします。
「地を枯らす日照りの邪神を祀る邪教徒どもよ 混沌(ケイオス)に還るがいい」と覆面とマントを脱いだ三人組は、肌が黒く、獣の耳を持つ男女と尖った耳を持つ女でした。
まとめ
村は早ければ次回にでも立派な町、あるいは街へと発展してしまいそうな雰囲気でしたが、そこまで発展すると人手が足りません。展開的には半人馬のゴタゴタを解決しそうなのですが、一緒には住まないでしょうし。
魔族とは戦闘になりそうですが、主要な戦闘要員はプルチノフ、マルセロス、人馬族、ブルガルム、ベイダー、ボッチ、サキ、ベル、カーニャ。ガッツリ組んだ戦いになれば子供達は前に出さないでしょうし、やはりプルチノフの無双でしょうか。
ただ、魔族は「地を枯らす・・」と言っていますので、プルチノフは大地の精霊の加護も受けていますし、そっち方面で解決するかもしれません。
ジェラリエはわざわざ逃がしたので死ぬとは思えませんから、どうにかして逃げ延びて共闘するでしょう。まさかマルセロスのような合体はないと思いますけど。
カーヴィンの動きにも気になります。魔造人形の残骸はさくっと回収してしまうのか、回収する段階で会敵するのか。いずれにしてもベルは狙われていますので、決着はつけねばなりません。その後には魔導院(タワー)も控えていますしね。
魔族の立ち位置が今のところはっきりしませんが、新たな展開に期待です。
「ライドンキング」【15話 大統領と地竜の騎手】【コミックライク】
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