ライドンキング【16話 大統領と宴の夜】【感想・ネタバレ】【コミックライク】
16話「大統領と宴の夜」
前回のあらすじ
ゴルドーの街が魔族の三人に襲われ陥落。街の住民を逃がし、一騎討ちを望んだジェラリエは敗北し、胸を貫かれます。一方、プルチノフは村を発展させています。魔族のヨシュアスが剣竜類(ケラトプス)に騎乗し襲撃してきますが、あっさりと返り討ちにし、久々のライドンタイムを満喫するのでした。
「ライドンキング」【15話 大統領と地竜の騎手】【コミックライク】
以下、16話のネタバレを含みます。
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(感想→あらすじ→まとめ)
ゴルドーが陥落してジェラリエは絶命 プルチノフ村は砦に発展して宴を開催
ジェラリエが昇天しました。もう一回プルチノフと絡むかと思っていましたが、タクタロスと同じく会わずじまいです。不死者にされずに済み、魂を浄化されましたが、霊魂として再び現れる機会はワンチャンあるでしょうか。
領主代行のキモードはさくっとやられ、ゴルドーの街は陥落です。
前回も思いましたがプルチノフ村は砦に発展し、もう「村」ではないです。ベルとサキが「カオスな村」と評していましたが、ブルガルムや子供たち、ケンタウロスや半人馬(サテュロス)の老人、オーク、ベイダーやケラトプスに、一応エルフもいます。
しばらくライドンタイムがなかったぶん、プルチノフは存分にケラトプスのキャルマーに騎乗してご満悦です。またボッチがやきもちを焼くのではないでしょうか。今回は登場しませんでした。
ベイダーは料理番もこなし、なんでもできる人材(魔材?)になっています。サキの魔法も、贅沢に火力として使われていました。
砦では各自が持ち寄った食材で宴をする日常回。和気あいあいとしていました。次回からはゴルドーの街から逃れて来た住民も加わり、より混沌としてきそうです。
新しい設定としては「古代人」が出て来ました。竜などを創造した、超文明を築いた先史の人類とのことで、いずれプルチノフとはなんらかの形で接触するかもしれません。
「魔族」の設定も、「一度死んでから魂の不浄なき者が魔族として生まれ変わる」とリィナが言っていました。そういうふうに魔族の中では語られているだけなのか、事実なのかはまだ判断がつきませんでした。
というかエドゥも女性キャラだったんですね。男だとばかり思っていました。
保護した魔族のヨシュアスは、道化の化粧を落とした途端にチャラ男から一転、むしろ美男子です。今後どういう立ち回りをするのか気になる存在です。
以下、あらすじです。
16話のあらすじ
ゴルドーの街で魔族に敗れたジェリエは、胸を貫かれて絶命。「転魂はできそう?」と訊かれたミィナは「魂は問題ない」「でもこの魂この世 未練ない」と答えています。
エドゥはリィナに一太刀浴びせるほどの戦いをしたのだから、悔いはないだろうと納得しています。ミィナは「不死者(アンデッド)する?」とリィナの意向を伺いますが、「その必要はない」「彼女が信じる神の下へ送ってやって」と指示します。
ミィナは首を傾げていましたが、エドゥが、勇敢な敗者を不死者に貶めるのは勝者も貶めることと説明され、魂を解放します。ジェラリエの魂は浄化されていきました。
残ったのは、ジェラリエの叔父のキモードと強欲商人ら。キモードは下手に出てエドゥと交渉して命乞いをしますが、エドゥは無能と断じて一蹴します。
王国との衝突を避けようと思わないのかとキモードは説得しますが、エドゥは「避けられるとも思ってないし むしろこっちは衝突したいんだよ」と不敵に笑います。
キモードは自分たちがいなければ周辺の農奴から麦も回収できないし、殺しても何の益もないと食い下がりますが、「益はある」とエドゥは剣でキモードを貫きます。「その薄汚い口から耳障りな鳴き声を聞かなくてすむ」。
リィナが「お前たちはこれから混沌の試練を受ける」と宣言。一度死に、魂の不浄なき者が魔族として生まれ変わるとのこと。
ミィナが「招魂泉浄(デスレイクドライブ)」とキモードに唱え、死体が不気味に起き上がりますが、「やっぱりダメ 魂ドブ色」と三角にした指越しに見ていたミィナは言います。
エドゥの指示で不死者として使役されることになりますが、ドブ色は最低レベルのゾンビになりに運び程度にしか使えないとのこと。ゾンビとして魂が固定されます。
処刑時の決まり事のようで、強欲商人らも同じように処置され、「全員アウト」とミィナに判定されます。
プルチノフ村は大きく発展し、村からほぼ城に近いくらいの立派な砦になっています。
プルチノフは心を通わせた剣竜類(ケラトプス)のキャルマーにライドンして外を駆け回り、カーニャ、ベル、サキも乗っています。極上のソファに似た柔らかい乗り心地にうっとりしています。
ベルやサキの説明によればケラトプスは亜竜とはいえ竜であり、もともと竜は古代人が乗り物として創造した生き物とのこと。
古代人とは超文明を築いた先史の人類で、お伽話にしか出てこない本当にいたのかどうかも怪しい連中と二人は言いますが、カーニャはエルフはその末裔と言っています。
プルチノフは機械文明とは違う、生物工学を中心とした文明があったということかと解釈しています。
竜は食べ物を与えなくても魔力だけで生きてゆけ、伝説では太古の竜はどんな国でも一瞬で飛んで行けたし、神々の国にも行けた凄い生物だそうです。
プルチノフが許したからベルやサキ、カーニャも乗れているけども、本来は古代人しか乗れるものではなかったようです。
プルチノフは「そうなのかね? キャルマー」と尋ねると、「ケーンケンケン」とキャルマーは答えますが、プルチノフには(わかんないー お嬢ちゃんたちは嫌じゃないよー)と聞こえているようです。
プルチノフとキャルマーは意思疎通が可能で、いつか皆で旅に出たいものだと将来を語り合っています。
そんなプルチノフを見ていたベルとサキは、プルチノフが無理矢理プルチノフ村の王様に祀り上げられてストレスMAXになっているのではと心配しています。とはいえプルチノフ以外にはカオスの塊となった村をまとめられる人材はいません。
ライドンタイムを満喫していると、オークたちが「圧殺大蝦蟇(スプラッシュソード)」を狩っているところに出くわします。カーニャは巨大ガエルにドン引きですが、プルチノフは「なんと見事な大蛙だ!」と目を見張っています。
「こんなご馳走ミート逃がすわけにはいかないブリ」とオークたちは連携して、あっという間に仕留めます。
別方向ではケンタウロスたちも狩りをしています。「白鬚黒大蛇(メンソールブラックバイパー)」という大蛇が現れ、またしてもカーニャがドン引き、プルチノフが「なんと見事な大蛇だ!」と声を上げていますが、同じコマの使い回しです。ケンタウロスたちもあっという間に大蛇を仕留めます。
オークとケンタウロスたちはお互いの戦利品を褒め合い、オークは猪鬼秘伝の猪鬼山椒と合うと言っています。ケンタウロスは「猪鬼もなかなか美食を知っているではないか」と感心しています。
美食はオークの生きる喜びとのことで、今までは食べ物がなくて仕方なくエルフや只人を食べていたけど、「人間はミートでも最悪の味ブリ」と、人喰いと思われていたオークは意外にも人間を好き好んで食べているわけではなかったようです。
「ふむ そうだったのか」と頷いたプルチノフは猪鬼山椒はどのようなものか聞き、手持ちがあるなら試してみたいと言います。ケンタウロスも自慢の人馬唐辛子があると言い、バーベキューパーティ開催が決定。ブルガルムも猪を狩ってきており、豪勢な宴会となりそうです。
夜になり砦の中は宴になっています。ベイダーが大きなプライパンを振って調理し、サキが「大王火炎(ポーゴファイア)」の魔法で火力を担当しています。指示通りにうまくできているとプルチノフに褒められたベイダーも嬉しそうです。
オークやケンタウロスも満足しています。半分馬の老人には大蛇の骨と塩で味付けしたスープを振る舞い、子供にはプルチノフが騎士たちが残した小麦から作った生地を入れたスープを出します。プルチノフは小麦の生地を素手でスライスしてベルに驚かれています。子供たちも満足です。
「こんなご馳走が食えるなら我らトーア族はプルチン様に忠誠誓いまくりブリ」と言い、ケンタウロスに「プルチノフ様だ 陛下とお呼びしろ!」とたしなめられていますが、プルチノフは「好きに呼べばいい」と鷹揚です。
捉えられたヨシュアスにも食事が提供されていて、「美味しい・・」と味わい深そうに食べています。化粧を落としたヨシュアスはすっかりおとなしくなっていて、プルチノフから、暴力を振るったことを詫びなければと言われて戸惑っています。
魔力を封じるサキ特製の「魔力封じの腕輪」を嵌められているとはいえ豹変したヨシュアスに、サキとベルは「魔族院の夏休み明けによくいたタイプみたいな」といじられています。
プルチノフが止めると、ヨシュアスは「姫さまみたいに強ければ虚勢を張らなくても大事にしてもらえるのに・・」と自分語りを始めて、今度はサキとベルに面倒くさがられています。
プルチノフが「姫さまとはその人も魔族・・なのかね?」と水を向けると「そうだよ!知りたい!?」と勢い込んだヨシュアスはその人のことを語ります。
魔族の中でも最強の剣士、吹雪の銀閃だと言い、今頃はゴルドーの街を攻め落としているはずと嬉しそうです。突然もたらされたゴルドー襲撃の報にベルが慌てます。サキはゴルドーは城塞の街なのでそう簡単に落ちるとは、と懐疑的ですが、「陛下!」と呼ぶ声。
マルセロスが物見櫓からの報告を届けに来ます。村に大勢の人間が近づいていると言われ、その方向に目をこらしてみればゴルドーの街から逃れて来た住人たちでした。マッドゴン親方、神官のおじさん、ギルドのお姉さんもいます。
プルチノフは城門を開けて招き入れ、宴会をそのまま炊き出しとして迎え入れます。
魔族の侵攻がすぐそこまで迫っていることを実感したプルチノフは、「ならばこの村を守るためにも知る必要があるな」「魔族とやらの戦力を」と厳しい顔つきになるのでした。
まとめ
日常回でした。戦闘続きでしたので、息抜きとして良かったですね。
魔族の設定はリィナが語ったように真実なのか、魔族の間で伝わっているだけなのか、判断に迷うところです。後者だとそれをきっかけに切り崩していけそうですけども。
プルチノフ陣営と魔族陣営との衝突がどういう形になるのか読めません。楽しみです。
あと、プルチノフ村はもう「村」じゃなく 「王国」を名乗っていいんじゃないかと思いますね。
「ライドンキング」【17話 大統領と魔法の大蕪】【コミックライク】
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