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ライドンキング【17話 大統領と魔法の大蕪】【感想・ネタバレ】【コミックライク】

17話「大統領と魔法の大蕪」

前回のあらすじ

ゴルドーの街が魔族に襲撃され、ジェラリエは決闘の末に死亡。街の住民らはジェラリエの指示でプルチノフ村へと避難します。プルチノフ村は更なる発展を遂げて要塞化。村の外で狩りをしていたオークの集団も軍団に引き入れ、 村の一員として迎えて宴を開催します。そこへゴルドーから逃れて来た住民らが現れるのでした。

 

【漫画ネタバレ目次】「ライドンキング」【コミックライク】

「ライドンキング」【16話 大統領と宴の夜】【コミックライク】

 

以下、17話のネタバレを含みます。

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避難民を受け入れたプルチノフ村 衣食住を整えて魔族との交渉へ向かいます

要塞化して戦力増強しても依然、呼び名は「プルチノフ村」のままです。千人単位の難民を受け入れたことで人数的にも凄いことになっています。ギルド長や神官、親方らもいますのでそのまま普通に街なんですけどね。

 

ギルド長マーニャの説明によれば魔族の誕生は前回リィナが言っていた通り、一度死んでから儀式によって選ばれた者が魔族になるということで合っていました。概念的なものかとも思っていましたが、そのままの意味でした。

 

最初に誕生した魔族が長なのでしょうか。

 

ゴルドーの街の権力者たちを交えた首脳会議では、プルチノフは戦いに傾く流れを戻して交渉を選択します。さすがとも言えますが、おそらく普通に戦闘になるような気がします。

 

「大抵の問題は解決されるのだ」との言葉に、周りが「それって・・」と言葉を失っていたのが何よりの証拠でしょう。

 

ヨシュアスはタヌキ野郎と呼び名が決定。ビビらせてやろうと魔境の怖さを伝えたつもりでしたが、プルチノフには興奮材料でしかなかったようです。転生した当初から目をつけていたワイバーンに喰いついていたようです。

 

食糧問題ではまたもベルの魔法が役立ちました。蕪を魔法で育成することに成功します。城塞や街の創造などプルチノフに次いで貢献度が高いのがベルですね。マジ有能。

 

ヤムドゥアからもらった加護も意外に強力でした。記憶を鮮明に蘇らせる。妻の面影を思い出せるだけとは謙虚な能力をもらったなとあの時は思っていましたが、忘れかけていた授業を鮮明に思い出せるほどかなり有力な能力でした。使い勝手が良さそうです。

 

ボッチは見かけないと思っていたら山籠もりして修行していたのですね。主様リスペクトのボッチは魔獣としてのランクで言えばブルガルムは勿論のこと、ベイダーにも劣るのでしょうが、独自に成長していっています。

 

プルチノフとの絆がちゃんと描かれていたのは良かったです。

 

キャルマーの背中に家を作って乗せるのも豪快過ぎます。ボッチらもいるしベルの圧縮魔法あるのでそこまでは必要ないかと思いますが、今後何かの役に立つのでしょう。

 

一方で村の守りは指揮官なし。ブルガルムが代理の長になるのでしょうか。リィナらとの戦闘になれば若干、不安の残るメンツではあります。 こちらで戦闘が始まる前にプルチノフが長との交渉を開始するのでしょうか。

 

タイミング的には村への襲撃の方が早そうですが、そうなるのでしょうかね。

 

以下、あらすじです。

 

17話のあらすじ

ゴルドーから避難して来た住民らはプルチノフ村の異様な光景と、城壁の上に君臨する魔獣らを見て、「魔族の王の居城 魔王城!?」と怯えています。

 

プルチノフが姿を現し声をかけますが、「ぎゃー! ま 魔王!? なんて凶悪な面相だ!」と輪をかけて恐れられています。後ろではサキ、ベル、カーニャの三人娘がさもありなんという顔をしています。

 

住民らはここまで導いて来たジェラリエの配下たちに、「よくも騙したな!」「俺たちを生け贄にするためにこんなところまで!」と罵声を浴びせています。

 

配下たちは「少なくとも魔族ではない! たぶん人間だ!」「魔族よりも凶悪な奴だが少なくとも人間は食ったりはせん!」と擁護になっているのわからない説得を試みますが、「だから安心しろ!」と言っても「できるか!」ともっともな答えが返って来ます。

 

三人娘は笑いをこらえ、プルチノフも「疑いを晴らすならもう少しマシな言いようがあるのではないかね」と苦笑しています。

 

村の子供たちが「山賊からみんなを助けてくれたんだから!」と庇い、マルセロスやオークのボスもフォロー。先に砦に入っていた神官ガブクス・ヤンクステーソンもプルチノフからは混沌の気配はせず、むしろ太陽神や大地神、さらにその従属神の加護を感じると、とりなします。

 

ゴルドー冒険者ギルドの代理総裁マーニャ・スノウやドワーフの武器屋マッドゴンらの口添えもあり、ようやく住民らは信用します。住民らを城壁の中に招き入れ、宴で用意されていた食事を振る舞います。

 

城壁の上で成り行きを見ていたブル・ガルムの配下の魔狼やベイダーらは、プルチノフに無礼な態度を取る住民らに腹を立てている様子ですが、ブルガルムが「やめておけ あんな馬鹿どもを食っても腹を下すだけだ」と諫めています。

 

プルチノフはジェラリエの配下から、ゴルドーが魔族の手に落ちたことや、ジェラリエが民を逃がす時間を稼いで死亡したことを聞きます。

 

サキは「あの高慢ちきが街の人のためにねぇ・・」とボソリと漏らし、「高慢ちきとはなんだ!」と口論になりますが、「うっせー! こっちは人馬の里やこの村の子供たちを燃やされそうになったんだ! 半人馬だろうと同情なんかしてやるわけねーだろ!」と引き下がりません。

 

意外にもマルセロスは「半人馬だったのなら 奴の人馬への恨みは理解できる・・」と少し同情していますが、「だからといって殺された同胞の恨みを忘れることはないがな」と全面的に許しているわけではないようです。

 

プルチノフは「今は恨みを口にするより生き延びる方法を皆で考えよう」と思考を切り替えます。北辺では弱者であり、弱者の正義とはまず生き残ることと論じます。神官のガブクスが同意します。

 

プルチノフは会議に出席しているマーニャに、魔族の脅威について訊ねます。マーニャによれば魔族となった者は一人一人の戦闘能力が只人どころかどんな戦闘種族をも上回り、上級騎士や黒帯冒険者以上、巨人やトロルでさえ敵わず、彼ら相手に生き残るのは至難とのこと。

 

「魔族となった者?」とプルチノフは引っかかりを覚えます。「ということは彼らは魔族という種ではないのかね?」。

 

「魔族は転魂という混沌の儀式によってごく稀に生み出される超人です」。混沌の神々の力をこの世に顕現させる器と言われているとマーニャ

 

魔族として生まれ変わる確率は上級騎士や黒帯冒険者、高位の神官など相当な精神の強さを持った者でも千人に一人と言われ、それ故に魔族の総数はかなり少なく、いかに一人一人が強くとも戦争になるとまでは考えられていなかったこと。

 

実際、ゴルドーの街を襲撃した魔族は三人だけだったものの、そこに醜小鬼や猪鬼、オーガなどの鬼人が混沌の勢力に加わり話が違ってきていると。

 

それでもプルチノフ村の城壁があれば簡単には攻め込まれないし、ゴルドーの街の城壁よりも強力な魔法防御が施してある。人馬と猪鬼の手もあり、ジェラリエの配下や魔獣、神獣がいれば、と皆が戦いに傾倒しますがプルチノフが待ったをかけます。

 

「敵の戦力や戦略を正確に把握しなければ いかに戦力があろうと防御など儘ならぬ 今必要なのは城壁より情報だ」「もし敵方に対して戦力が過小であれば当然守ることなど不可能だが 過剰であったとしても大規模な戦力を呼び込むことになる」と警鐘を鳴らします。

 

ヨシュアスに魔族が交渉に応じる用意があるか訊ねますが、そんなものないと即答です。ジェラリエの配下たちは今更ながらにヨシュアスの存在に気づきます。サキはヨシュアスのことをタヌキと呼んで、魔力も封じてあるし捕虜だから気にするなと言っています。

 

交渉相手がいないなら強行偵察になり、極秘裏に魔族の有力者と繋がりがもてればいいのだがとこぼすプルチノフに、ヨシュアスは只人が魔境に忍び込んで帰れるわけがないと抗弁します。

 

魔境では古飛竜(エルダーワイバーン)や合成魔獣(キメラ)、黒帯角竜(ブラックベルトプス)など、キャルマーよりも大きい地竜や空から襲って来るワイバーンもいるとその恐ろしさを伝えようとしますが、「な なんと素晴らしい」とプルチノフは逆に興奮を抑え切れず高揚しています。

 

「なんでそういう逆効果なこと言うかなこのタヌキ男は・・」とサキは呆れていますが、ヨシュアスは当然プルチノフの趣味を知らないので「なんで嬉しそうなの!?」と戸惑っています。

 

「決まりだ」と、プルチノフは村の諸問題が解決次第、自ら魔境に向かって魔族の長と直接交渉すると宣言。

 

人馬や猪鬼、三人娘が驚いていますが、「今までの経験上 私が出向くと大抵の問題は解決されるのだ」と自信満々です。「それって・・」と誰が発した言葉かはわかりませんが、周りはプルチノフほど楽観的ではないようです。

 

翌日になり、プルチノフはマーニャを連れて村を回っています。住まいには空きがあり、衣服に関しても魔獣の皮や毛織物などでなんとかなるが、問題は食糧。

 

耕作放棄された畑から半ば野生化したライ麦やオーツ麦を収穫、肉は周辺の猪が毎日獲れ、塩も岩塩の鉱床をいくつか見つけてあるものの、千人を超える住民を養うには心許なく、冬を越せるか微妙なところだそう。

 

それについてベルがお願いがある、とプルチノフを呼びます。行ってみれば魔導院(タワー)がレシピを秘匿している魔法培養土で作った畑がありました。捲いているのはカブの種。

 

ベルはそこに「老成せよ(キドシルバ)」と老化の呪いをかけます。するとカブは少しだけ成長してすぐに萎れてしまいます。

 

ベルによれば見ての通り、少しだけ成長するもののそのまま枯れてしまうものの、なんとかすれば村の食糧がまかなえるのではと考えています。

 

プルチノフは自分の知識から、「光合成ができない環境では萎れるのは自明だろうな」と納得。「コーゴーセー?」と意味がわからないサキに、「植物が太陽の光を栄養に変える仕組みだよ」と簡単に解説します。

 

「やっぱり・・」とベルは思い当たることがあるようで、魔導院でも似たようなことを言われていたとのこと。ならば呪いをかけている間、プルチノフの閃光を浴びせたらいいのではとはベルですが、光合成には太陽光以外にも必要なものが数多くあるとプルチノフは難しい顔です。

 

「じゃあその必要なものをイメージしてこの魔石から放出してほしいみたいな」とベルが魔石を取り出します。普通なら無理だけども、プルチノフほどの魔力があれば可能だとベルは言います。

 

「エルフは精霊なんて呼んでるけど 魔法の根源となる力を魔素(マナ)と呼ぶみたいな」と魔法について軽くレクチャーし始めます。

 

世界に満ちる様々な魔素は自然現象すら管理する力で世界を正常に維持するための力。かつて神々が荒れ狂う自然の力を治めるために生み出した力と言われていると。

 

しかしそれぞれの魔素は神々に定められた働きしかせず、そこで魔素から神々の命令を削除して人の<想いの力>に変換したものが魔力、とサキが魔導院で最初に習うことだと後を続けます。落第生なのによく覚えてたとベルにからかわれて、うるさいと返すサキ。

 

想いの力を使って自然現象を少しだけ改変したり強化するのが魔法。プルチノフはそう言われて、地面や大気に浮遊している光が魔素で、丹田に吸収して収まった力が魔力かと実感しています。

 

カブを成長させる<想いの力>を魔石を通じて、閃光を放つ時と同じように増幅させてほしいと、火傷防止の粘土に包まれた魔石をベルが差し出してきます。

 

プルチノフは植物の育成に必要な肥料を創造すべきか、それとも大気や土から化学肥料を作り出すイメージがいいのかと考えを巡らせます。とはいえそんなことを勉強したのははるか昔・・と思っていると記憶が鮮明に浮かび上がってきます。

 

ヤムドゥアからもらった能力で過去の記憶をいつでも鮮明に呼び出せるようになっていて、化学のゴビィロフ先生に教わったハーバーボッシュ法を思い出しています。

 

サキが考え込むプルチノフに大丈夫かと声をかけますが、問題ないと断ったプルチノフは魔石を受け取ります。

 

ベルが「老成せよ(ギドシルバ)」の魔法を唱え、プルチノフは「コッ!」と魔石にイメージと力を注入します。両者の魔力を浴びたカブは一瞬で巨大に成長し、本当にできたことにベルが驚いています。

 

しかし牙魔猪(ファングボア)の魔石は一度で限界。いくらカブが大きく育ったとしても、カブ10個で銅貨2分の1、牙魔猪の魔石ならば大銅貨2~4枚(銅貨600~1200枚)で取り引きされます(注:市場価格であり買取価格はほぼ半額から3分の1)。

 

コスパは最悪ですが緊急時では仕方なく、サキの実家からチョロまかした種で色々と試してみることにします。手持ちの牙魔猪の魔石は全部使い切ってしまうつもりのようで、サキは「うえ・・もったいない」と少し怯んでいます。

 

数日後。山で座禅を組んで瞑想するボッチの姿があります。蠍尾獅子(マンティコア)がボッチを狙って、唸り声を上げながら近づいて来ます。

 

「クピ~(またお前か・・)」とボッチは呆れた様子でマンティコアを横目で見ていますが、マンティコアが先制攻撃を仕掛けて来ます。

 

それをひらりとかわしたボッチは「絶! 竜巻抜刀脚(ボッチロビンソン)!!」と胴回し蹴りを上から叩き込み、「クピピ(もはやお前は俺の敵ではない)」と冷ややかに見つめています。

 

(トドメは主様の技で)と、プルセロスの時の必殺技を再現。「砕! 貫虎抜刀脚(タイガーソバット)!!」と後ろ蹴りでマンティコアの胸に強烈な蹴りをお見舞いして倒します。

 

(山籠もりを始めて数日経ったが・・)(もはやこの山に俺と互する魔獣はいなくなった)とボッチは貫禄たっぷりに下山します。(あのぽっと出のブサイク竜=キャルマーや、ゴマすりクソベアー=ベイダーが主様の心を惑わせていたが)(主様も・・ふふふ)とほくそ笑んでいます。

 

村に帰ると仲間のホッチたちが迎えてくれます。そこに現れるキャルマー。ドワーフらの仕事により、背中に家が乗っています。「おおお 素晴らしい!」とプルチノフは感激した様子で見上げています。

 

角竜馬車ならぬ角竜キャンピングカーで、家が乗っていてもキャルマーは重さを感じていないようです。動く要塞とはベルの感想です。その異様な光景にボッチは唖然としています。

 

プルチノフがドワーフの親方マッドゴンらに礼を述べると、マッドゴンも楽しませてもらったと快く返します。人馬やオークたちが見送りに来ていて、何かあればすぐに駆けつけると言いますが、「それはいかん」と村を守ってもらわねばならないとプルチノフは指示を出します。

 

人馬とオークが頷き、マーニャゴルドー冒険者も手伝うと請け負い、ジェラリエの配下も共に闘うと申し出ます。「うむ 皆 頼んだぞ」とプルチノフは後を託します。ブルガルムや魔狼、ベイダーの姿もあります。

 

それらを目にしたボッチは「クピ・・(もう俺たちに居場所はないピ・・)」と涙目で身を翻します。それを見つけたプルチノフが呼び止めます。

 

「我々の冒険はお前たちと共に始まったのだ もう共に行くのは嫌になってしまったのか?」「我々にはお前たちが必要なのだ」と語りかけると、「ピピ!?」と感極まったボッチは泣いてプルチノフの胸に飛び込んで来ます。

 

「クピピピー!!(主様ー!!)」「ふふ 魔境でも頼りにしているぞボッチよ」と背中を撫でるプルチノフ。サキとカーニャが温かく見守っています。

 

「では行こう」「魔境へ!」とプルチノフの号令と共に、ボッチの背に乗ったプルチノフや、キャルマーのキャンピングカーは魔境へと出発するのでした。

 

まとめ

村がますます発展していくところが面白いですね。戦力も着々と増強されていっています。

 

村長のプルチノフは魔族との交渉のため魔境へと旅立ち、若干、村の防備が心配ではありますが、そこらへんどうなるのでしょう。襲われたところをプルチノフが戻って助ける、では前回のジェラリエ戦と同じ感じになりますし捻りが欲しいところですね。

 

魔境へと出発したプルチノフ使節団は、どういう行程を歩むでしょうか。まずは手頃な魔獣にライドンですかね。

 

ワイバーンはプルチノフがこの世界に来て最初に目をつけた「獲物」なので 、もうちょっと引っ張って欲しい気もしますね。

 

街の発展と今度の方針、ボッチの修行パートなど読み応えのある回でした。

 

「ライドンキング」【18話 大統領と混沌(ケイオス)の門】【コミックライク】

 

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