SPY×FAMILY【30話 MISSION:30】【感想・ネタバレ】【コミックライク】
30話「MISSION:30」
前回のあらすじ
社会学習の課題で、ロイドの表の職業・精神科医の仕事を見学したアーニャ。いつものアーニャらしくドタバタでしたが、レポートの内容を(主にロイドの思考を読んで)発表。その突飛な内容に後日、ロイドは釈明に追われるのでした。
【漫画ネタバレ目次】「SPY×FAMILY」【コミックライク】
「SPY×FAMILY」【29話 MISSION:29】【コミックライク】
(以下、30話のネタバレを含みます)
新キャラはロイドの同僚・女スパイ! 嵐の予感
バーリント総合病院事務のフィオナ・フロスト。ロイドの同僚の女スパイが新キャラとして登場しました。
クールでキレ者の印象のあるフィオナは味方からも「毒婦・冷血・鉄面皮」と気味悪がられていましたが、登場時のオーラからして「こうなるな」という空気があり、期待に違わずロイドラブな人でした。
なんとかしてヨルを押しのけ、自分がロイドのパートナーとして潜り込もうとしますが、アーニャに思考を読まれてロイドが好きなことがバレ、しかも悪いことばかり考えているものだからアーニャに即刻拒否されています。
それでもまだ諦めるつもりがなく、今回は小手調べ。なかなか好感の持てるキャラ登場しましたね。(どのキャラも好きですけど)。ちなみに暗号名は<夜帷(とばり)>です。
フォージャー家に乗り込むも不発に終わるフィオナ
<黄昏>との共同作戦を言い渡された<夜帷>ことフィオナ。彼女もまたWISEのスパイです。
オペレーション<梟>の進捗が進んでいないと聞き、計画始動の時に私が空いていればと、なんなら今からでもと言い出すフィオナに、もちろんそんなにコロコロと親が変わってもイーデン校に怪しまれるので却下です。
「フォージャー夫人が『リタイア』された場合は仕方ないですよね・・?」とつぶやくフィオナ。よからぬことはするなと管理官に釘を差されますが、あまり聞いていない感じです。
味方からも「毒婦・冷血・鉄面皮」と気味悪がられているとのことで、今回も周りを無視して行動しています。
女には野望があった、とモノローグで語られ、フィオナはフォージャー家に突撃です。ロイドが留守の時を狙っています。
ロイドの職場の同僚と自己紹介し、先日アーニャが社会見学に来た時に虫メガネを忘れたと届けにきたテイです。ヨルに招かれて家に上がり込みます。
ヨルは素直に綺麗な人だと感心していますが、フィオナは内心で隙あらば「妻の座」を乗っ取ろうと企んでいます。
しかしヨルも裏の顔は暗殺者。隙がありません。直接手を下すのはリスクも高いので諦め、搦め手から攻めます。
アーニャのことから切り出し、「色々と大変でしょう 子育てにうんざりしてませんか・・?」と軽くジャブ。「大変? なぜですか? 元気なのはとても良いことです」とヨルはまったくピンときていません。「アーニャさんといるのはとっても楽しいです」。
(フン・・すっかり母親気取りか)とフィオナは変な深読みをしています。
「あ でも色々こなされてるロイドさんは確かに大変そうだな・・と 私が至らぬばかりに・・」(そうよ・・ あなたは己の未熟さを自覚すべきよ この作戦にはふさわしくない!)。
「そうそうフォージャー先生 職場でいつもぼやいてますよ ウチの嫁はいつも――」とフィオナが切り込もうとしたところで「アーニャきかん――」と、アーニャとロイド、ボンドが散歩から帰って来ます。
フィオナの予想より早い帰宅ですが、空模様が怪しかったので切り上げてきたとのこと。ヨルは忘れ物を届けに来てくれたと説明し、アーニャも虫メガネを確認していますが、ロイドは緊急の案件かとフィオナに密かに問います。
スパイ同士の暗号会話で、口の形と音声を分けてしゃべっています。表向きには当たり障りのない会話をしながら、裏で任務のことかと訊きますが、フィオナなオペレーション<梟>の現場を確認しておきたかっただけとシラを切ります。
もちろん、思考の読めるアーニャには筒抜けです。フィオナの正体がスパイだと知って驚いています。
フィオナはロイドに(=黄昏先輩と呼んでいます)犬の散歩は必要かと訊き、雑用ならこの女にやらせるべきでは?とキツイ口調です。ロイドも何が言いたい?とピリッとします。
(こんなところで<黄昏>ほどのお方が おままごとに現をぬかしていては世界にとっての損失です 計画の見直しを提案します)(おまえが口を出す話じゃない)とバチバチやり合う二人を交互に見て、アーニャは仲が悪いのかとおろおろしています。
しかし、次の瞬間、フィオナの脳裏に浮かんだ思考は「すき」。唖然として目をこすって二度見するアーニャ。
「すぅきぃ――♡♡♡」と見開きを2ページも使っての心情大暴露です。もちろん表情ひとつ変えていません。心のうちを知るのはアーニャのみ。目が真っ白になるアーニャです。
フィオナの妄想は止まらず、(私の方が絶対 奥さんに適任なのに!! 任務の面でも家庭の面でも超絶サポートしてみせるのにッ!!)と料理、洗濯、生活費、ケガの手当て、任務とどれもさくさくとこなしてロイドに感激されている自分を想像しています。
フィオナの中のロイドはヨルを見切り、「世界平和のためにはキミと結婚するよ夜帷くん・・!」と手を取り合っています。夜帷の野望は、黄昏のお嫁さんになることでした。
コーヒーを淹れると言うヨル。アーニャにはココアでいいかと訊ねていますが、アーニャは燃え尽きたかのように真っ白になっていました。
外では雨が本降りになっています。ヨルは飲み物を用意しながら、フィオナが途中で切った言葉の続きを想像しています。
ロイドがいつもドジばかりするヨルを見限って、フィオナに新しく嫁に来ないかと言っているシーンを思い浮かべながらも、(でも私なんかじゃそう思われても仕方ないことかもしれません・・)と落ち込んでいます。
コーヒーと同時にミルクを出すとフィオナは(先輩はブラック派よ ミルクを入れてるところなんて一度たりとも見たことがない そんな情報も知らないで今までよく妻役が務まったわね 私と代われ)と欲望まる出しですが、ロイドは躊躇なくミルクをドボドボと注ぎ、(えぇっ!?)とびっくりしています。
自分の知らないロイドを知っているヨルに嫉妬しつつも、(・・いやそうかこれは「ロイド・フォージャー」としてのキャラ付けね ミルクを入れる人物を完璧に演じているのだわ この家の雰囲気に合わせているのだわ さすが先輩! すき!)とだだ漏れですが、ロイドは単にミルクで胃へのダメージを軽減しているだけです。
そんなフィオナを(おねいさん ゆかい)とアーニャは楽しんでいましたが、手元が狂ってココアをこぼしてしまいます。
フィオナは表情も変えずに(粗忽な娘ね)とアーニャをこきおろします。更には自分が母親になったらスパルタで鍛え、分単位のスケジュールで知識と体術を教え込み、1ヶ月もあれば星製造マシンに改造してみせると意気込んでいます。
(アーニャこのはは だんこきょひ!!)とアーニャはフィオナの計画を知ってショックを受けています。
「あ~なんだかアーニャ ははにあまえたいきぶん~」とヨルに甘え出します。「ここあ ふいてくれるははは せかいいちすきぃ~」と口からでまかせですが、信じたヨルが涙目になって感動しています。ちなみにロイドは(何だその理由・・?)と冷静です。
(フン・・私だって甘やかすくらい・・)フィオナも「そうだアーニャちゃん 今度すごくおいしい外国のココア プレゼントしますね」と懐柔を試みますが、「しゃあーっ!」とアーニャは牙を剥いています。
初対面で緊張しているのかとヨルが訝り、ロイドはボンドと遊んでろと遠ざけますが、「なかよしのちちとははがいてボンドもいて アーニャ ホージャーけのむすめでよかったぁ~ あ~すごくよかった~」とまだ猿芝居を続けています。
きゅんとしたヨルが「ロイドさん私がんばります!(傍に置いてもらえる限り)お二人のために一生懸命努力します! 何度でもココア拭きます! だから・・」と決意を語り、それを冷めた目で見るフィオナ。(こぼさないよう しつけるのが教育でしょう 私と代われ)。
ロイドはふっと力を抜くと、「ヨルは充分がんばってるよ だからアーニャもこうして懐いてる それ以上に助けてもらえることなんてないよ」。ロイドからも温かい言葉をかけてもらったヨルはまたもや涙目です。
フィオナはそのロイドの笑顔を(偽りの表情)と察します。かつて黄昏に直接指導を受けた時、スパイたるものどんな時でも感情を表に出すなと教え込まれています。心を殺し、隙を見せるなと言われてそれを守ってきたフィオナ。
国防軍のライオネル、闇商人のローレンス、政治秘書のロバート。色んなロイドを見てきたからこそわかる、よくできた作り物の笑顔――そこに滲む微細な感情(ほんね)を見て取ったフィオナはギリッと拳を握り締めます。
一時撤退を決めると、暇を告げてすぐさま去って行きます。その行動に不審を感じたロイドは、傘を渡すと口実をつけて追いかけます。
雨の中、傘も差さずに濡れたまま歩いているフィオナに追いつくロイド。呼び止めると「先輩・・ひとつ伝え忘れてました 今度の任務 先輩と私2人であたるように管理官が」と本来の用事を伝えてきます。振り向いたフィオナの表情は雨に濡れてよくわかりません。
「夜帷・・?」。フィオナは雨が降っていることに感謝しています。(この気持ちは隠し通す なぜなら私たちは裏世界の住人だから 大好きな先輩にそう教わったから いつか冷戦が終わるその時まで――だけど任務(=いつわり)の夫婦でもいい 今はただ側に・・次の任務で私の有能さを示し証明してみせる)。
「今の先輩はおままごとでふぬけています」「私の足を引っ張らないよう お願いします」と口では言いながら、(黄昏の妻にふさわしいのはこの私以外いないと・・!!)と堅く決心しているのでした。
4巻まで発売中!今なら1巻からでも揃えやすい↓
フィオナの登場でストーリーにますます厚みが出てきました
学校関連で話を進めていくのかと思っていましたが、新キャラ登場でロイドとヨルの夫婦関係に焦点を当ててきました。
ヨルの活躍の場が少ないとずっと感じていましたので、これはいい配置です。ユーリも悪くありませんが、夫婦仲はそれでは進展しませんからね。
というか既に当て馬が確定しているフィオナですが、<黄昏>が大好きな感情がアーニャにだだ漏れてしまっているところが可愛らしいです。
見開きで「すき」からの「すぅきぃ――♡♡♡」ですからね。アーニャの呆然とした表情と併せて面白かったです!
アーニャも最初はひとごとだと思って楽しんでいましたが、スパルタ教育が実施されるとわかった途端に全力で拒否しています。猿芝居で仲良しアピールをしていますが、それさえもまるっと信じてしまうヨルも素敵です。
そういえばいつの間にかロイドはヨルと呼び捨てにしていましたが、いつからだったでしょう? 覚えていません。それともフィオナの前だからそう呼んだのでしょうか。自然と呼び捨てになっているのなら、それはそれでほんわかしていいですけどね。
フィオナとしてはまずは様子見。ロイドが本音をわずかにでも漏らしてしまうくらい、ヨルに心を開いていると知って傷つきながらも、まだまだ始まったばかり。
フィオナ目線で言えば、問題は心が筒抜けなアーニャの攻略ですが、アーニャもちょっとはフィオナを認める流れになるでしょうか。
盛り上がってきそうですね。
「SPY×FAMILY」【31話 MISSION:31】【コミックライク】
↓良かったら応援して下さい!
SPY×FAMILY 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)[kindle版]