SPY×FAMILY(スパイファミリー)【5話 MISSION:5】【感想・ネタバレ】【コミックライク】
5話「MISSION:5」
前回のあらすじ
面接試験会場では入門から厳しくチェックされますが、万全の対策を取っていたロイドはトラブルを次々と回避していきます。試験監督官を務める寮長に「エレガント!」と言わしめ、ヨルとアーニャの活躍もあって第一関門はクリアしたのでした。
【漫画ネタバレ目次】「SPY×FAMILY」【コミックライク】
「SPY×FAMILY」【4話 MISSION:4】【コミックライク】
二次面接本番三者面談開始 面接官の意地悪な質問にロイドがキレる アーニャにほっこりさせられました
二次面接本番、三者面談が開始されます。ロイドは他人に成否を委ねることへの恐怖で、スパイ歴十数年で初めて緊張しています。気持ちが伝染してしまったアーニャも震えています。
オペレーション<梟>の最大の正念場、この情報戦フォージャー家が制してみせるとロイドは気を引き締めます。学園側の試験監は以下の三人。
ウォルター・エバンス(59)。第5寮<マルカム>寮長、担当国語。温厚・実直・保守的。生徒からの信頼も厚い。
マードック・スワン(47)。第2寮<クライン>寮長、担当数学・経済学。先代校長の一人息子で縁故による登用。高慢・強欲・無神経。先月妻から離婚を突きつけられ娘の親権も失ったばかり。八つ当たりで面接で憂さを晴らしているようです。
ヘンリー・ヘンダーソン(66)。第3寮<セシル>寮長、担当歴史。性格エレガント。前話からロイドに注目している細面に片眼鏡、白くて長い髭が特徴のお爺さんです。
面接が始まって、エバンスが再婚のことを訊いてきます。いきなりの踏み込んだ質問にもロイドは落ち着いていて、あらかじめ考えていたストーリーを話します。
初めて会った時に背後を取られたことを「彼女の凛とした立ち振る舞い」と言い変え、利害が一致したことを「意気投合」と表現します。スラスラと自分の長所を褒められ、訓練通りの受け答えとはいえヨルは若干照れています。
ヨルも独身で困っていたことを「気遣って頂いてますし」と答えます。
しかし、妻と離婚したばかりのスワンは良好な家庭を妬み、「奥さんキレイなのに何でわざわざコブつきなんか選んだんだい?」と挑発するように言ってきます。要注意人物とロイドは思いながら、刺激しない方がいいとスルーします。
「本校を志望した理由は」とエバンスが次の質問に移ります。ズバリ標的デズモンドに近づくためですが、「貴校におられる先生方のレベルの高さに尽きます」「質の良い知識・教養は元より 愛国理念やエリート精神に至るまで広く厚くご教導くださるのは 誇り高きイーデンの先生方をおいて他にないと考えております」。
まったくのデタラメでしたが、エレガントな男・ヘンダーソンの心にはズバリと刺さっていました。(さすがはワシが見込んだ男)。
アーニャの長所・短所は「好奇心旺盛な子どもです 何にでも首を突っ込んでしまうのは短所とも言えますが」とロイドは模範解答をしています。
「欲目かもしれませんが とても賢いです」と付け加えると、当然ながら(賢い!?これが!?)とヘンダーソンに思われてアーニャはショックを受けていますが、テストが30点では仕方ありません。
「時々こちらの心を見透かしたかのような言動を見せるのでドキッとさせられます」との言葉に、アーニャが一番ドキッとしていました。短所は少し偏食なところと言っていますが、確かにピーナツばかり食べています。
ヨルにも質問が及びます。「好かれようとつい甘やかしがちでしたが この子の将来を思えばこそ時には厳しくもなれるよう心がけております」と本心のようにも見えますが練習通りのようです。
料理の話に発展しますが、掃除しか家事のできないヨルはどもってしまいます。ロイドが「ウチは料理は主にボクが作っています」とフォローしますが、スワンが「うっそ 飯作らない嫁とか存在するの!? 娘の前に自分に厳しくした方がいいよ」と喰いつきます。顔を伏せるヨル。
ロイドの顔つきも少し厳しくなっていて、「人には得手不得手があります」と掃除や育児は申し分ないと言いますが、「どっちも女がやって当たり前のやつだし」とスワンも引きません。
苛立つロイドをヨルが宥めます。そもそも本当の妻でもないのに何をムキになっているのかと、ロイドは一旦、心を落ち着けます。
スワンはスワンで(美男美女のおしどり夫婦だと? 虫唾が走る! 粗を突きまくってボロ出させてやる)と歪んだ意欲を燃やしています。その思考を読んだアーニャが(ちちとはは きらわれてる! アーニャががんばらないと!)と奮起します。
アーニャに質問が移り、休みの日にどんなことをしているかと聞かれてこれは答えられますが、学校に入ったら何がしたいかという質問に答えを忘れてしまいます。
ロイドは(オレの場合 まずは何より懇親会に参加し敵組織とそのトップ デズモンドの計画の全容を暴き出す! そしてそれを阻止するためにまず――)と考えていますが、テンぱったアーニャは「そしきのボスのひみつをあばきたいです」とそのまま口にしてしまいます。
ロイドが「娘は向上心が人一倍でして トップにまで登りつめた校長先生の人柄や生き方に興味津々なのです」と誤魔化すと、ヘンダーソンはエレガントさに惹かれて事なきを得ます。校長の名前はロイドが思い浮かべた答えをカンニングです。
「彼のように大成するためにはどんな努力が必要と思うかね?」と訊かれると、「からだひとつでじゃんぐるをいきぬいたり しととなりあわせのてすとをくりかえしてせいしんをきたえます」とスパイアニメで主人公がやっていた特訓を答えます。
ヘンダーソンは(な なんという覚悟! このお禳さんを少々見くびっていたようだ!)と勝手に驚いてくれています。
話題が変わってエバンスに父親の職業を訊かれ、「すぱ」と言いかけて慌てて「すぱらしい『こころのおいしゃさん』です」と誤魔化しました。ヨルのことは「とってもやさしいです でもたまにおっかないです」と言い、ヨルは密かにショックを受けています。
「お父さん お母さんに点数をつけるとしたら 何点かな?」との問いには「100てんまんてんです ちちもははもおもしろくてだいすきです」
「ずっといっしょがいいです」
アーニャの本音に虚を突かれたような顔になるロイドとヨル。
スワンは(だからそういうのいらねーっつの)と舌打ちすると、「じゃあ今のママと前のママどっちが高得点だ?」と訊いてきます。さすがに行き過ぎた質問にエバンスが止めていますが、聞き入れません。ロイドの質問の変更要求も却下です。
アーニャはぽろぽろと涙をこぼしています。「ママ・・」。ヨルも「あんまりです!」と抗議していますが、ロイドは「ヨルさん落ち着いて」と冷静になるように言います。
スワンは「ウチは親元を離れた寮生も大勢いる ささいなことでいちいちベソかいてたらこの学校ではやっていけませんぞ!」ともっともらしいことを付け加えます。「ささいなことですって?」とヨルがキレる姿を見て溜飲を下げるスワン。
ロイドは心の中で、(しょせんまがい物の家族 中傷されたところでそれがどうした)(我慢だ黄昏)と考えていますが、起こした行動は真逆でした。
椅子から立ち上がり、振り上げた拳をスワンの目の前の机に叩きつけます。「失礼 蚊がいたもので」と確かに蚊はいましたが、机は粉々になってスワンは引っくり返っています。それを見届け、「本日はありがとうございました」とくるりと身を翻しました。
スワンは「オイどこへ!? まだ終わってないぞ!」と叫んできますが、ロイドは「子どもの気持ちを軽んじるのが貴校の教育理念なのでしたら 選ぶ学校を間違えました」と冷たく言い放ちます。
ヨルとアーニャを連れて退室します。スワンは収まらずに尚も喚き立てています。エバンスやヘンダーソンとも軽く揉めますが、「先代とはいえ父の影響力はまだまだ健在 口には気をつけた方がよろしいかと!」と態度が変わりません。
しかし、ロイドに触発されたヘンダーソンが、(ただただ権力にへつらうだけのワシに 教育者たる資格なし)と反省すると、「我が校を侮辱したのはどっちだ」とスワンの顔面にパンチを叩き込み、吹っ飛ばすのでした。
家に帰りついたフォージャー家はどんよりとした空気に満ちています。(絶対落ちた)と誰よりもショックなのはロイドです。任務に要らない感情を持ち込んでしまい、スパイ失格だと反省しています。
「ちちごめんなさい アーニャてすとがんばれなくて ごめんなさい」とアーニャが謝ってきますが、「いいんだアーニャ 謝る必要なんてない あんな学校行きたくないだろ」とロイドは慰めます。
アーニャはロイドのひざ元にぎゅっとしがみつきます。「アーニャがっこういきたい」。(”にんむ”がしっぱいになったら いっしょがおわっちゃう)「がっこう いかないと」。
アーニャはロイドがスパイとして活動していることを心の声で知っていて、任務のために入学が必要なこともわかっています。入学できなかったらまた手放されると思っています。
ヨルも(もし不合格になれば当然この生活も・・)と考えています。「仕事(暗殺者)」への支障を懸念しただけで、と自分に言い訳していますが、寂しいと感じているようです。
とはいえ色々やらかしてしまっただけに、合格は絶望的です。ヨルとアーニャに励まされ、ロイドはスパイは己以外の何物も信じないと考えていた自分を少しだけ包み込んで隠します。
「ずっといっしょがいいです」と言ったアーニャの言葉を思い返しています。とりあえずあとはなるように任せて、試験の労をねぎらって乾杯します。
その後方で壁から家族写真が落ち、どよーんとする三人でした。
まとめ
三者面談が終わりました。というか別の意味で終わってしまいました?
万全の対策を練って挑んだにもかかわらず、スワンの意地悪に耐え切れずにロイドが人間らしさを爆発させてしまいました。もうすっかり家族です。
普段は子どもっぽくわがままなアーニャですが、だからこそというか、ロイドとヨルの生活を気に入っていて、「ずっといっしょがいいです」と言った言葉は本心だったでしょう。ロイドとヨルの心にも届いたはずです。
アーニャが自分の失敗で「任務」が達成できず、更にそうなれば手放されてると感じていてロイドにしがみつくところは、しんみりしました。
ヨルもなんだかんだでこの生活が気に入っているようですし、苦難を乗り越えていって欲しいですね。
ヘンダーソンが「エレガント」に反応してくれているのが救いです。まあ、勘違いがほとんですが・・。
面接試験の結果はいかに。というところが次回ですね。
「SPY×FAMILY」【6話 MISSION:6】【コミックライク】
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