187話「弓場隊②」
前回までのあらすじ
北東で孤立したヒュースが生駒隊に囲まれたうえ、弓場隊に狙われ窮地に陥いります。南で合流した修、遊真、千佳はその場から援護することを決断しますが、弓場隊のスナイパー外岡が密かにそこを狙っていて――
「ワールドトリガー」【186話 ヒュース⑧】【コミックライク】
以下、「ジャンプSQ(2019年11月号)」のネタバレを含みます。
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(※感想→あらすじ→まとめ)
さすがのヒュースも苦戦 修のフォローが不発に終わり玉狛第二は大ピンチ
北東でヒュースが囲まれてピンチになり、南西から修は千佳の狙撃で救助するようです。遊真は二宮に気づかれると懸念していますが、それをコミで救出、即離脱してヒュースと合流という作戦です。
いけるかという修の問いに頷く千佳を、遊真がさりげなく伺っていましたが、サイドエフェクトで確認していたのでしょう。ホント気遣いのデキる子です。
生駒の「モテモテ 海じゃなかった 了解」の下りは先週からフリですね。このためだけに振っていたかのようにさえ思えます。
水上が犬飼の漁夫の利を狙った行動に、「漁夫られへんように気ぃつけてくださいね」と言っていましたが、「漁夫る」という言葉は自分だけかと思っていましたが、スタンダードな言葉だったんでしょうか。びっくりです。
ヒュースを巡る戦いには水上、犬飼が参戦し、王子の解説によれば水上(みずかみんぐ)が戦場を主導し、犬飼がそれに乗っかる形でヒュースを輪の内側に囲い込んで逃がさない腹づもりのようです。
水上、生駒、帯島、弓場の連携でヒュースは利き腕の左腕を落とされました。ラウンド8の初被弾です。包囲網には犬飼まで加わりヒュースの逃げ場がありません。
団地の屋上に上った千佳と遊真ですが、さすがに精鋭揃いで警戒されていて射線も通りませんでした。このあたりがシビアなワールドトリガーならではです。修はアイビスでの爆撃を指示しますが、ヒュースは炸裂弾(メテオラ)で自分ごと吹き飛ばせとのこと。
ヒュースが落とされても他を道連れにして4点獲れればオッケーという作戦ですが、ラウンド7で千佳を守ることには慎重だった修はあっさり承諾。ヒュースならアリなのか・・。
にしても運が良ければ耐えられるとヒュースは言っていましたが、だとすれば他の隊員も同じことのような気もしますがどうでしょう。むしろ弾丸を見て避けられる可能性も高いような。アイビスの砲撃よりは避けにくいのでしょうか。
遊真の目測で千佳がメテオラを撃とうとしますが、ここでマンマークについていた外岡の狙撃が火を吹きます。貯水タンクの影になって目標が視認できないなかでも、千佳のメテオラに的中させ大爆発を引き起こしました。
物凄い自爆でした。解説・・というか応援団長の小南は青ざめたのち、千佳の固定シールドで無事だったのを見て魂が抜けていました。これは解説に呼んで大丈夫な人なのでしょうか。
千佳のメテオラの大爆発も凄いし、自爆も予測して練習していたであろう固定シールドでの防御、外岡の狙撃。更には外岡の訓練の結果までチェックしている解説の蔵内などに驚愕しています。
犬飼もシールドを上げさせておいて足元を狙ってヒュースの足を削るとか、地味に凄腕です。辻に当てないように打っていた練習の成果でしょうか。ヒュースは利き腕に続いて左足まで削られ、もはや絶体絶命。
修の作戦がことごとく空振りしていますが、ここからどう巻き返すのでしょう。
予備の作戦があるとは仄めかしていましたが、それくらいしか切り抜ける方法はなさそうです。まだ見せていない変化弾(バイパー)を絡めて、何人か道連れにしてくれそうですが、生き残るのは難しいかもしれません。
小南も「あいつがタダで落とされるとは思えないけどね」と言っていましたので、解説に呼ばれた小南の面目のためにも頑張ってもらいたいです。
以下、あらすじです。
187話のあらすじ
南西の位置から北東のヒュースを援護すると決めた修は、千佳と遊真に団地の屋上に上がって、狙撃でヒュースの突破口を作るように指示します。
遊真は了解しますが、撃てば二宮に見つかると言います。「わかってる」と修はそれもコミで狙撃し、スピード勝負で二宮たちに追いつかれる前に一撃でヒュースを脱出させてそのまま合流する目論見です。
ヒュースの「隠し玉(=変化弾)」と千佳の鉛弾狙撃を合わせて相手の包囲に穴を開けるとのことで、二宮は修自身が監視します。いくつかの小さいダミーのワイヤー地帯を形成済みのようです。
「いけるか?! 千佳!」と訊く修に「うん!」と頷く千佳。遊真が横目で顔色を見ていて、さりげなくサイドエフェクトで嘘の波動を確かめているようです。嘘の気配はありません。
乱戦の場に到着した海が「あーなるほど こういう感じね! オレじゃなくてヒュースチャンがモテモテだあ!」と言うと、「モテモテ 海じゃなかった 了解」と生駒が真面目なのか不真面目なのかわからない応答をしています。「その確認いります?」と隠岐。
水上が「イコさんの後ろ 犬飼が来てますよ 漁夫られへんように気ぃつけてくださいね」と忠告。
ヒュース包囲網に水上が加わり、水上のアステロイド、生駒と帯島の接近戦、更に帯島が生駒もろともアステロイドを放ち、防御しているところに弓場が射撃してきます。今度は防ぎきれずにヒュースは左腕を持っていかれます。
そこへ海が頭上から飛び込んで来ます。狙ったのは帯島。弓場の援護が入り、あわや返り討ちになりそうになった海は弧月を持ったまま(多分一時的にオフ)フルガードで防御、「弓場さんこわあ!」とグラスホッパーで態勢を立て直して生駒と合流します。
弓場隊の動きを見た水上は狙いがヒュースだと読み、おとなしく挟むように立ち回ります。海は複数部隊で一人を囲むのは好きじゃないと言いながらも、その作戦には従います。
犬飼も参戦し、4部隊8人の乱戦になります。場を主導しているのが水上(みずかみんぐ)だと王子は見抜きます。弾と位置取りでヒュース(ヒューストン)が「内側」になるように調整し、犬飼もそれを理解して乗っかっていると蔵内が補足します。
「ラウンド7で圧倒的な強さを見せたヒュース隊員を まずは確実に落としておこうという腹積もりか!」との実況・桜子の言葉に、「あいつがタダで落とされるとは思えないけどね」と小南。
「とはいえ 西の面子が合流すてば状況が変わるので 包囲してる側もそこまで余裕はないと思います」と蔵内が言い、西の面子に目を向けると修たちがヒュースの援護をしようとしている動きがあります。
「たしかにそのほうが早そうだかからね でも・・」と王子の解説に、「うーんそれはまずいまずい」と小南が唸っています。外からだと外岡がマークについていることがわかっています。
外岡は隠密行動がうまい狙撃手で、最初の一撃を確実に当ててくる、「たしか最近の捕捉・掩蔽訓練でも3位だったはず」と蔵内が説明すると、「そんなとこまでチェックしてんの!? 蔵っちすごいわね!」と小南はびっくりしています。
王子は外岡の動きから千佳をマークする指示が出ていると予想しています。シールドで防げない攻撃の瞬間を狙うつもりだろうとのこと。まさにその通りで、外岡は「攻撃モーションに入ったら撃ちます」と弓場に報告しています。
犬飼は千佳たちが消えていることから鉛弾狙撃か砲撃狙いと読み、一応遊真の隠密にも警戒しています。水上も二宮たちの動きが静かなことから、西か南から撃って来る可能性があると同じく警戒。
狙撃作戦が読まれて射線が通らず、修はアイビスでの砲撃に切り替え、混乱に乗じて逃げるようにヒュースに指示を出そうとします。
しかしヒュースは、「炸裂弾(メテオラ)だ オレのところへ炸裂弾を落とせ」と言います。「運がよければ耐えられるし 死んだとしてもまわりの敵をまとめて倒せる」「4点 獲れればオレが落ちても問題はない」と冷静に状況を判断しています。
その作戦を承知した修は千佳と遊真に変更を指示。できるだけ近づいて撃つこと、遊真がレーダーを見てどこを狙うか千佳に指示することとつけ加えます。
千佳と遊真が位置を変えたことで、マークしていた外岡の射線が貯水タンクに遮られますが、なんでもないことのように場所を変えています。
犬飼は上に撃ってシールドを上げさせておいて、下を狙い打ってヒュースの足元を削って来ます。ヒュースは左腕に続いて左足にも被弾。
遊真が見ている場所を栞にマークしてもらい、目標を確認した千佳が巨大メテオラを頭上に出現させます。ヒュースごと狙う作戦にどよめく実況席。
弓場、帯島が警戒。観客席の古寺は、位置関係からして外岡が、遊真らの的が見えていないと予測していますが、外岡は見えていないはずの目標にも動じることなく狙撃。千佳のメテオラが放たれる前に一角を撃ち抜き、誘爆させます。
「あっ」と声を上げる千佳。巨大な爆発が一帯を吹き飛ばします。実況席では小南が青ざめ、修も二人の名前を叫びます。
崩壊する建物の中から現れたのは、「固定シールド」で周りを囲って無事だった千佳と遊真の姿。小南は魂を吐き出していました。
柿崎隊も自分たちと戦った時に使っていなかった固定シールドを使う成長ぶりに感心しています。
値千金の一発だった外岡の一撃ですが、「え? あれで死んでない? マジか」と心底驚いているようです。
玉狛第二の作戦は失敗し、左腕と左足を削られたヒュースは絶体絶命の危地に立たされるのでした。
まとめ
戦闘が始まり、あっという間の2話でした。
予想外の展開続きでハラハラして読んでいます。トリオン長者のヒュースに、実弾が撃てるようになった千佳がいて無双だと、そう思わせつつそう簡単に点を獲らせてくれないのがワールドトリガー。
2話掲載でもまったく追いつかないくらい読み足りないですが、来月は単行本作業のために1話掲載のようです(巻末コメントより)。
葦原先生は以前、単行本作業で無理をして首を痛めたという経緯がありますので無理はできません。むしろまだ1話でも掲載してもらえるだけで助かるというか。
ヒュースはこのままベイルアウトしてしまいそうですが、大きな爪痕を残していって欲しいです。
予備の作戦で変化弾(バイパー)を使うにしても、エスクードで壁を作って内側からバイパーを撃ちまくるとかでしょうか。
落とされるとしたら帯島か海あたりでしょうが、後に残される修たちのためにも(まだ決まったわけではありませんが)、生駒か犬飼、できれば弓場を落としておきたいです。
そういう展開になれば修、遊真、千佳という初期のトリオになります。修の活躍のためにもワイヤー戦術が活きてくれればいいですが、ヒュースへの攻撃を見てもそんな甘い連中ではありません。
修もトリガーセットをいじるか何かして隠し玉を仕込んでいるかもしれません。二宮を修が落とす展開になれば面白いですが、充分な説得力がないと現実味がなくて批判もされますでしょうし、難しいところですね。
ヒュースは落とさそうですし、残るは千佳の高速ライトニングでズドンでしょうか。ポケインのままベイルアウトする姿も見てみたいです。
毎月、思いますが、今回も来月が待ち切れませんね。
「ワールドトリガー」【188話 ヒュース⑨】【コミックライク】
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