友達がいらないマイペース男子・湯神くんに振り回される、ふんわりコメディ
主人公は空気の読めない孤高の存在、湯神裕二。
「俺の味方は俺だ、俺には俺がついているから大丈夫!」と平然と言い放ってしまう性格です。
落語と亀と犬を愛し、常にマイペース。努力家で、入念な計画を立てて行動し、周りからどう思われようと自分を貫いているので気にしません。
野球部のエースでもあり、実力は申し分ないのですが、面倒な性格のために厄介な人間だと思われ遠ざけられています。
しかし、明るくて前向き、徳を積めば自身にその運が返ってくると考えているために人助けにも精を出し、悪い印象は受けません。ただ、関わってしまうと面倒なだけなのです。
困っている人を見ると手を差し伸べてはくれるものの、悪気のない物言いと、独特の思考パターンに相手は戸惑ってしまいます。かといって押し付けるわけでもないので、いつも湯神くんが勝手に一人で完結します。
そんな湯神くんに振り回される様子が面白おかしい、ふんわりとしたコメディマンガです。
ヒロイン枠?綿貫ちひろ
湯神くんの通う上里高校2年A組に転校してきた綿貫ちひろ。
親が転勤族のため転勤を繰り返し、友達が欲しいと思っていますが、内気で要領も悪いためにうまくいっておらず、いつも人間関係に悩んでいます。
転校初日、自転車の置き場に困っているところを湯神くんに助けてもらうのですが、この件ではのちのちトラブルに見舞われてしまいます。これが最初の被害かもしれません。
クラスでも湯神くんの隣の席になり、転校してから何日か経っても友達ができなかったことを指摘され、そこからちょくちょく話をするようになります。
湯神くんの突拍子もない行動に振り回されますが、もともと主体性もないために時々感化されてしまったりする女の子です。
真意を理解されない湯神くんですが、多く関わるうちになんとなく真意を理解できるようになってしまい、周りからは仲が良いとみなされています。
野球部の後輩・門田春樹
野球部の後輩で、湯神くんとは少年野球時代からの付き合い。
湯神くんは立派なエース(県大会で決勝にいけるくらい)でありながらも、性格が災いして誰もバッテリーを組みたがらず、キャッチャーを押し付けられています。
望んだことではないものの、湯神くんのおかげでレギュラーになっているようなものなので、常に湯神くんのフォロー役に走り回っています。
ちひろと共に多くの被害を受けていますが、共感することのあるちひろと違って、まったく尊敬の念はありません。
野球部のマネージャー・久住若菜
湯神くんのクラスメイトで野球部のマネージャー。野球部のことは大切だけど、湯神くんには関わりたくないと思っています。
ちひろのことを気にかけてお弁当グループに誘い入れます。
ラブレター事件を起こした藤沢梨緒
1年生の時、体育祭の準備で湯神くんに助けられたことを美化して恋をし、ラブレターを送ります。
これがちひろや門田を巻き込む騒動に発展。面白いエピソードのひとつです。
湯神くんを敵視するクラスメイト百瀬香織
久住の幼稚園からの友達で、彼女に対して強い独占欲を抱いています。
野球部の件で久住に迷惑をかけている湯神くんを敵視したり、久住が気にかけているちひろが湯神くんと仲が良さそうに見えるために、距離を置いています。
湯神くんに対してストレートな敵意をむき出しているのが彼女です。他の人は関わるだけ無駄と割り切っているのに対し、むしろ百瀬だけが真っ向から絡んでいます。
しかし、修学旅行ではトラブルに巻き込まれ、湯神くんの意外な(百瀬にとっては)一面を見て、若干態度を軟化させます。
この修学旅行のエピソードが一番笑いました。
ライバル?他校のピッチャー・林山真咲
小学3年生の時に湯神を少年野球に誘い、何かと面倒を見ていましたが、インフルエンザで休んだ間にピッチャーの座を湯神くんに奪われたため、勝手にライバル視しています。
ところが、マイペースな湯神くんは林山のことを覚えておらず、以来、何かと絡んできます。
気の優しいちひろが構ってくれたため、好意を抱いています。
オススメのところ
友達いないけどそれが何か?という湯神くんの潔さが気持ちいい。
それでいて何かと世話を焼き、予想外の行動で周りを振り回した挙句、自己完結して周囲を更地にしていってしまいます。
毎回、いろいろと笑わせてくれつつ、「あ~それもありかもなあ」と思わせてくれる部分もあったり。
まったりと楽しみたいという方にオススメです。
この作品は
作者は佐倉準さんで、小学館の「週間少年サンデーS」にて2012年7月号から2013年11月号まで17話分連載した後、同社「週間少年サンデー」に移籍して、2013年48号より月1回で連載中。
2019年4月に最新刊15巻が発売。もうすぐ完結する模様。
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