ライドンキング【感想】【コミックライク】
主人公は屈強な大男プルチノフ
15年前に大国から武力で独立を勝ち取った、中央アジア・プルジア共和国の終身大統領のアレクサンドル・フルチノフ。
鍛え上げた肉体、数々の武術、格闘技で黒帯の達人プルチノフは、バイク、車、馬、戦車、サメ、戦闘機どころか国家までも乗りこなします。
「あらゆるものを乗りこなしたい」という欲望を持つ彼ですが、テロリストとの戦闘の際に自身の巨大石像が破壊され、頭部が彼の頭上に落下。異世界へと転生します。
異世界転生ものではあるけれどひと味違う
流行りを超えてひとつのジャンルとして定着した異世界転生ものですが、王道は「転生した主人公がチート能力を得て異世界で無双する」パターン。
最近はそこからひとつ捻って料理ものだったり、ほのぼのライフだったり、建国ものだったりといろいろあるものの、「ライドンキング」は一線を画す内容です。
現世では上に立つ者の性(さが)として何かを「乗りこなす」ことを常に目指し、国家さえも乗りこなしきたプルチノフが、異世界に転生してもそれを曲げず、目の前の全てのものを乗りこなそうとします。
「まだ見ぬ乗り物はないものか」と己の騎乗欲が満たされることを渇望していた彼にとっては望んでやまない状況だったのです。
オーク、ワイバーン、ケンタウロス・・。アクションシーンも迫力あるけれど、とにかく次は何に騎乗するのだろうというワクワク感が止まりません。
異世界転生モノのお約束も踏襲し、旅に同行するのは少女や幼女ですが、ハーレムぽくありつつも、プルチノフはひたすら「未知の乗り物」に興味しんしんなので、湿っぽくはありません。
正義感も強く、またそれを貫き通せるだけの武力や政治力を持っていますので、チート級の強さも健在です。それでいて力をひけらかすわけでもない。
魔術も気合いでなんとか発動してみせ、「閃光魔術師(シャイニングウィザード」と呼ばれることにもなります。ファンタジー要素もふんだんに含まれています。
主な登場人物
アレクサンドル・プルチノフ
主人公。数々の武術、格闘技で黒帯を有する強面の大男。中央アジアの小国プルジアを独立させた為政者でもあり、英雄。
公正かつ弱いものを助ける正義感を持っています。
どんなものでも乗りこなしたい、という欲求を強く抱いています。
サキ・スクイーダ
17歳の女冒険者で魔法剣士。プルチノフが転移した時に出会った少女で、以降、行動を共にします。
金にがめつく、いつも何かを企んでいますが、イジメを見過ごせない善の心も持っています。
王国西方の大貴族、スクイード辺境伯家当主の側室の娘で、追手に追われています。
ベルベディア・デルーシア
16歳の女冒険者で魔法使い。サキとコンビを組んでいて、サキと共にプルチノフに出会います。
魔法に関しては教養が高いですが、魔法薬を飲んで酔うジャンキーでもあり、残念な部分も持ち合わせています。
「みたいな」と語尾につけるのが特徴。
カーニャ・カンナリエン
ハーフエルフの少女で木工細工師。サブクラスがアーチャーと精霊使い。
いわゆる「ロリババア」で、あざとく媚を売っていますが、幼女に興味のないプルチノフには効き目がないようです。
マルセロス
人馬族(ケンタウロス)。隷属の首輪を嵌められてヒュームに使役されている元リーダー・タクタロスの弟。
攫われた人馬族の幼体を取り戻す際に、プルチノフに助けられます。
この作品は
作者は馬場康誌さんで、月刊少年シリウスにて2018年8月号より連載開始、2019年5月現在連載中。既刊2巻。
馬場さんは週間マガジンで「空手小公子 小日向海流」(全50巻)や「空手小公子物語」(全6巻)、「ゴロセウム」(全6巻)などを書いていた方ですね。
プルチノフの活躍を楽しむストーリーでありつつも意外に細かい設定も
己の欲求を忠実に貫きつつも、周りを導いていくプルチノフの活躍を楽しむ作品です。話の展開も軽く、サクサクと読み進んでいけるところもポイント。
魔法の設定も実は丁寧に練られていて、ストーリーにもちゃんと絡んできますし、先への期待感も持たせてくれるのもいいですね。
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