ライドンキング【29話 大統領と魔の瘴気】【感想・ネタバレ】【コミックライク】
29話「大統領と魔の瘴気」
前回のあらすじ
トリトン族と交流を深めていたプルチノフの元に、亀島龍(ザラタン)がやって来ます。情報を知りたくば人質を寄越せと言うザラタンに、激怒したプルチノフが鉄拳制裁。拳で黙らせて友誼を結びます。一方、死の谷では瘴気を抑え切れなくなっていて、入江の村にも肉瘴気が迫っているのでした。
「ライドンキング」【28話 大統領と伝説の島】【コミックライク】
以下、29話のネタバレを含みます。
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肉瘴気を撃退し、亀島龍(ザラタン)内部の温泉レジャー施設で寛ぎつつ異界渡りの方法を得る
和気あいあいと交流を楽しんでいた入江の村に肉瘴気が現れ、トリトン族が取り込まれて犠牲になります。犬人戦士たちが肉瘴気に侵されたらもう助からないと警告し、取り込まれたトリトン族が錯乱して襲って来ます。
「麻痺雷牙ー(パラライガー)!!」とサキが雷の魔法で応戦しますが、効くどころか分裂して増えます。「ムダだ! 魔法は奴らのエサにしかならん!」遅過ぎる犬人戦士の忠告に「それ早く言ってくんない!?」文句を返すサキ。
犬人戦士たちは「肉瘴気には闘気でなければダメージは通らぬ!」「見ておれ! うおおお! 犬上剣奥義 犬神剛闘剣(シュケーキオン)!」と気合いで生み出した闘気を二人がかりで肉瘴気にぶつけますが、まったくダメージが通っていません。
「弱いじゃん闘気!!」ツッコむサキですが、「でも闘気なら!」と取得した雷の闘気で「獅子姫連斬(リオネルサルト)!!」と技を繰り出して肉瘴気を切り裂きます。
肉瘴気だけを切り裂く技に犬人戦士が驚いています。サキは侵食されたてだからと、ボロボロになったトリトン族にポーションをかけるようベルに頼みます。
あと少し遅かったら助からなかったと、ベルはポーションをかけながら真剣な面持ちでいますが、生き残っていた肉瘴気が油断していたサキに飛びついて来ます。
「ケーン!」ピンチを救ったのは、ちびキャルマー。頭突きを浴びせると肉瘴気は黒いモヤへと姿を変えます。その黒モヤをキャルマーが吸い尽くします。
「キャルちゃん!?」「そんな汚いの吸っちゃお腹こわすよ!?」サキとベルが制止しようとしますが、それを止めたのは亀島龍(ザラタン)。「いや 瘴気を分解するのも竜の務めだ 残らず吸い込ませるのだ」。
プルチノフがあれはなんだったのだと訊ねると、肉瘴気だという答え。未熟者の竜が処理しきれなかった魔の瘴気とのこと。この世界の理(ことわり)に関わる問題で、「この場とこの姿では話しづらいこともある 詳しいことは我が宮殿で教えてやろう」。
ザラタンの背中の山が崩れていき、でかいお城が現れました。「さあ入るがいい」。
「あれは・・『まぼろし怪獣ずかん』で見た太陽竜宮(サン・ドラパレス)・・!?」ベルの目が驚愕に見開かれています。
サキがどこから入るのかと首を傾げていると、「いや 儂の口が入り口じゃ さっさと入れ」と言われますが、「ええ・・」「なんか生臭い臭いがするみたいな・・」と女子二人は引き気味です。
ところが中に入ってしまえばきらびやかで宮殿らしい豪華なな造りになっていて、大きなお風呂にトリトン族ははしゃいでいます。的当てや卓球の設備もあり、「ふむ まるで温泉レジャー施設だな」とはプルチノフの言です。
「まさしくそうじゃ この宮殿は古代の主たちがレジャーを楽しむために作った施設なんじゃ」壁から顔だけ出す<亀爺室内形態>に変形したザラタンが答えます。
「古代の主・・やはりそのような者たちが存在したのか」「うむ すでに滅びて久しいがのう」。
そこへ風呂を堪能したサキとベルがさっぱりした姿でやって来て、竜宮名物ヨーグルミルクをもらって寛いでいます。
「それで 先ほどの肉瘴気とやらの話だが・・」プルチノフが話を戻すと、ザラタンが語り始めます。
肉瘴気は魔の瘴気が受肉した魔物で、魔の瘴気とはキャルマーが吸い取った黒いモヤモヤ(黒煙)のこと。竜以外の生物が触れれば肉が腐って骨が溶け、魂をも腐らせる死の瘴気だと聞いて今更ながらにサキがビビっています。
竜だけが瘴気を分解できるものの限度を超えた量は無理で、超えた分は肉の瘴気として竜の身体から排出されるとのこと。そして、猛毒である魔の瘴気をそのまままき散らさないよう、竜の肉に受肉させた肉腫が肉瘴気。
しかし肉体を持ったがゆえに自我を持ち、強い魔力やその持ち主を喰らって分身を増やそうとするとのこと。
「その魔の瘴気ってどこから生まれてるの?」サキが訊ねますが、「わからぬ・・ここ100年の間に生まれた謎の瘴気なんじゃ・・それが龍脈を汚し続けておる」「龍脈?」。
龍脈とはこの世に巡らされた魔素の道で、かつてその龍脈を古代の主たちは竜に騎乗して渡ったという。星の海をも超えて。
「そう おぬしがこの世界に渡ってきたようにの」「何? ! では私が地球に帰る方法とは・・竜に騎乗してその龍脈を・・ん?」。ふと違和感を覚えてキャルマーを見つめるプルチノフ。
「キャルちゃん!? それ・・どうしたのその羽根ぇ!?」サキやベルも驚いていますが、ちびキャルマーの背中に、小さな一対の羽が生えています。
「ケン?」。ちびキャルマーが小さな羽根で、宙に浮かんでいるのでした。
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肉瘴気をあっさり退けるサキの成長 キャルマーの思わぬ役割と異世界渡りの謎が
前回、隙を伺って接近していた肉瘴気でしたが、プルチノフが出るまでもなくサキがやっつけました。
犬人戦士たちのアテにならなさ(情報の遅さも含む)はむしろ微笑ましい感じですが、サキは雷の闘気を使いこなし始めていて、お荷物ではないところを見せ始めていますね。
小さくなってしまったちびキャルマーにも意外な役割がありました。異世界渡りのキーファクターという、まさかの重要な役割でした。
世界に巡らされている龍脈(魔素の道)を竜に騎乗して渡れば星の海をも越えられる、すなわち地球へも帰還できると秘密が明かされました。
ここでプルチノフの「ライドンタイム」が活きてくるのが伏線回収というかタイトル回収!という感じで良かったです。
まあ、まだ終わりは遠いでしょうから続きはありますが、終わりの道筋は示されましたね。キャルマーは立派な竜になって地球まで連いて来てくれるのでしょうか。
ちびキャルマーに羽根が生えましたが、話の流れからすると瘴気を吸った分、成長した感じです。そうなると瘴気で溢れて困っている死の谷で、プルチノフの拳とキャルマーの吸い込みで事態は解決しそうですね。
それにしてもザラタンの太陽竜宮は、れっきとした温泉レジャー施設でした。口から入る時は「生臭い臭いがするみたいな・・」と引き気味だったベルも温泉を堪能したようです。どこから出したのかヨーグルミルクというものまでもらってました。
ぼんやりとしていたプルチノフの旅路に、はっきりとした目標が見えた回でしたね。
今後のちびキャルマーから大人キャルマーへの活躍に期待です。
「ライドンキング」【30話 大統領と竜(ドラゴン)の翼】【コミックライク】
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