43話「MISSION:43」
前回のあらすじ
口にした者たちが数多、皇帝の学徒となったと言われる「知恵の甘味」と呼ばれるイーデン校に伝わる7不思議のひとつを巡り、アーニャとベッキーがダミアン一派とババ抜き対決。勝負を通じて、アーニャとダミアンの距離がまた一歩近づきました。
【漫画ネタバレ目次】「SPY×FAMILY」【コミックライク】
「SPY×FAMILY」【42話 MISSION:42】【コミックライク】
(以下、43話のネタバレを含みます)
フランキーのいつもの実らない恋の話 今回のパートナーはヨル
フランキーが主役の時はだいたいアーニャがパートナーになっていましたが、今回はヨル。ヨルも最近出番が減っていたのでいいタイミングです。
ロイドはいつも通りにフランキーから裏の情報を入手していますが、いくつか入手できていないデータもあります。
情報屋が1人消されたらしく、保安局ではなく「ガーデン」と呼ばれる組織にやられたのでは、とフランキーは推測しています。
ロイドは半分都市伝説のような暗殺組織だと流しますが、フランキーは実在を信じていています。
「まあそりゃ非公式の民兵組織くらい当然あるだろうが・・」とロイドは認めますが、「バカやつらはそんな生温いもんじゃない 兵士1人で一個中隊を殲滅できる力を持っているのだ!」フランキーは力説です。
そんなことより情報を頼むと言い残し立ち去ろうとするロイドを呼び止めたフランキーは、追加の労力と引きかえに仕事を手伝えと言います。
「仕事・・?」振り返るロイドに、フランキーが「こいつだ」と見せたのは迷い猫のポスター。
フランキーの行きつけのカフェ店員ケイシーの飼い猫コピというらしく、先週行方不明になってからケイシーがえらく悲しんでいるとのこと。
「黄昏よ ケイシーちゃんの笑顔を取り戻すため ひいてはオレとケイシーちゃんがいい感じになるために この猫の捕獲を手伝ってくれ」きりっとした表情のフランキー。
ロイドはスタスタと足早に去って行きます。フランキーは手伝わないと情報をやらんぞと脅したり、オマケで新開発の歯ブラシ型ピストルをつけると懐柔を試みたりしますが、まったく聞き耳を持ちません。
ロイドも色々と便宜を図ってもらっているはずですが、割と冷たい対応です。「いいさ オレ一人の力で捕まえてやるさ! 情報屋をなめるなよ・・!!」とフランキーは奮起します。
公衆電話を取ると、ジェフリー、テレンス、ジャスパー、ハウンド・ジョー、ナンシー、パット、ハリソンと人脈を駆使して情報を集めます。
ほどなくしてジョーから市役所近くのリッター通りでそれらしいのを見かけたと報告があります。早速現場に向かったフランキーは、ばったりヨルと出くわします。市役所勤務のヨルは、ちょうどランチ休憩に入ったところでした。
フランキーが迷い猫を探していると聞いたヨルは、手伝いを申し出ます。「オ・・オット? シュジン?のご友人のピンチですもの・・!」。
仮面夫婦のことを知っているフランキーですが、真面目に夫婦を演じているヨルに感心しつつ申し出を受けます。
フランキーは自作の「猫型盗聴器C20」を周辺の各猫集会所に仕掛け、コピの首輪の鈴の音に反応するようにセットします。
ヨルと二人で見守っているとすぐさま反応がありますが、猫型盗聴器が珍しいのか猫たちに攻撃され、次々と破壊されていきます。
「くっ他のポイントも・・よそ者として排除されてしまったのか・・」「猫ちゃんの世界も厳しいのですね・・」。
ならばとフランキーは次の発明品を取り出します。「猫誘引装置MTTBデコイ」。マタタビの匂いを拡散させて対象をおびきよせる仕様です。
フランキーの器用さにヨルは素直に感心しています。裏の住人であることは言えないので、あわよくば特許で大金持ちになることを夢見る青年だとフランキーは誤魔化します。
装置の効果はすぐに現れ、付近の猫が大群で押し寄せて来ます。「まずい 集まりすぎた!!」焦るフランキーですが、狙い通りにコピも誘引されています。
少し遠い位置にいるため、「ハイパーロングハンド」を取り出して捕まえようとしますが、軽々と避けられてしまいます。「点の攻撃ではダメだ 面で攻めねば・・!!」と次に取り出したのは「カメラ型ネットランチャー」。
その名の通りカメラの形をしていて、レンズの部分からネットが飛び出す仕様です。写真を撮るフリをして近づいて捕獲する作戦ですが、射程距離が短いため確実に捉えるためには2メートル似内に近づかないといけません。
じりじりとコピに寄って行くフランキーですが、警戒され一向に詰められません。業を煮やして走って追いかけますが、当然追いつけるわけもなく逃げられてしまいます。
それを見ていたヨルが「あれがコピさんですね!」とターゲットを確認しています。
すーんとした表情でバカにするコピにフランキーがキレ、「くくくコピよ おまえはオレを怒らせた 後悔してももう遅いぜ このオレが10年かけて作り上げた最終兵器・・驚異的な身体能力を得られる(はずの)超人外骨格(パワードスーツ)!!」。
全身を覆う強化外装を取りつけますが、「待ってろよー 電源を入れてモーターが温まるまで15分かかるからな それまで大人しくしてろー?」と、意外に穴の大きい装置でした。
もちろん大人しく待っているはずもなく、大通りへと逃げて行くコピ。「バカそっちは大通りで危ないぞ!! 止まれ!! ごめんもう追いかけないから!!」。
背後に現れるヨル。「フランキーさんこれちょっとお借りしますね」。パワードスーツの背中部分を、むんずと掴んだヨルは力任せに引きはがし(破壊したとも言う)、悲鳴を上げるフランキーを無視してそれを前方に放り投げます。
遠い目になるフランキーの先で、投げられた装置の破片がコピの目の前に落下して、コピが急ブレーキをかけます。
はっと振り向いたコピの後方に迫っていたのは、鬼神のような表情で飛びついてくるヨル。コピが驚愕の表情で凍りついています。「つかまえました!!」ヨルがはしっつとキャッチし、無事に捕獲です。
「つかまえましたよフランキーさーん!」無邪気にはしゃいでいるヨルですが、「あ・・うん・・ありがとう・・」フランキーとは温度差があります。
「・・10年・・オレの10年・・」と真の性能を発揮する間もなく粉々になったパワードスーツを、呆然と見つめるフランキー。(・・いやだがしかしこれでケイシーちゃんが振り向いてくれると思えば安いもんだぜ)。
気を取り直したフランキーは(待っててくれマイハニー!!)とカフェにコピを届けますが、お約束通りケイシーにはイケメンの彼氏がいて、嬉し泣きをするケイシーの頭を優しく撫でています。
目の前でイチャイチャし出す二人を見て真っ白になったフランキー。「ま・・まあヨカッタヨうん それじゃオレはこれで・・」。
「本当にありがとうフランキーさーん!」仲良く二人に見送られ、「フッ・・お二人さんシアワセにクラシナヨ・・」と恰好をつけながら去ります。ぶわっと目から涙を流しながら、フランキーは仕事に生きることを決意したのでした。
市役所勤務に戻ったヨルはご機嫌です。(ふーっ やっぱり人助けは気持ちがいいですね)。
その様子を見た同僚たちが「先輩なんだか楽しそうですね」「えーなになにダンナに何か買ってもらったとかー?」「えっちがいます」「充実してそうでよござんすねー」「ほんとムカつくー」「ようやく人並みになれただけでしょ」といじってきます。
「人並み!! 私 人並みですか!?」と喰いつくヨル。「よかったです!(偽装できてて一安心)」と喜ぶヨルに、「おいシャロン あんま図に乗らすなって」「いや皮肉のつもりで・・」と同僚たちも呆れています。
そこへ上司が「おーいブライアくん!・・じゃなかったフォージャーくん! 電話!」と声をかけてきて、「はい私はフォージャーです!」とナチュラルに同僚をイラッとさせています。
しかし、「キミの担当の得意先から」と聞いてはっとします。「・・もしもしお電話代わりました」冷たい表情になっているヨル。
「こんにちは ”お客さま”が入りましたよ<いばら姫>」電話の向こうの声はそう告げてくるのでした。
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フランキーの結末は御察しでしたが、ヨルに新たな動きが!?
フランキーが出る回はだいたい番外編とかなのですが、普通にメイン回でした。ヨルとの組み合わせは新鮮で良かったです。
冒頭では「ガーデン」という危ない組織のことに触れられていて、ロイドはさらっと流していましたが、いずれ関わってくるのでしょう。お笑いオチ要員としてなのか、ガチの敵対組織なのか今のところまだわかりません。
フランキーはカフェ店員のケイシーの気を引こうと迷い猫の捜索。ロイドに手伝ってもらおうとしますがすげなく断られます。ロイドは割とフランキーには便宜を図ってもらっていますが、塩対応でした。
フランキーは自らのツテを使ってすぐにコピの居場所を探り当てたり、様々な発明品を作り出したりと意外に優秀なんですが、肝心なところで残念なんですね。
猫型盗聴器は破壊されるし、猫誘引装置は効果が大き過ぎたし、ロングハンドやカメラ型ネットランチャーも不発。
とっておきの10年かけて作ったパワードスーツは起動に15分かかるという難点があり、起動するまでにコピが逃げたことによって、ヨルにめきっと背中部分を破壊されて投擲道具にされてしまいました。哀れです。
捕獲に向かった時の暗殺者モードのヨルの顔と、コピの驚き顔が面白かったです。
猫は無事に捕獲できましたが、結果は御察しの通り、ケイシーに彼氏がいて爆沈。通常営業ですね。
一方、ヨルはご機嫌なところを同僚にからかわれますが、人の感情に疎いヨルはむしろ夫婦仲が良いと思われたことに、偽装がうまくいっているとますます上機嫌です。
そこへかかってきた1本の電話。暗殺者<いばら姫>への依頼です。
ここまでほのぼのとした感じで進んできましたが、ヨルの元々の職業は暗殺者。殺しの依頼を達成してしまうのは作品の雰囲気を損ねる感じがしますので、どう落としどころをつけるでしょう。
「ガーデン」が関わってきて一気に両方解決、というパターンもありそうですが、それにしても人を殺せないとなれば暗殺者稼業は廃業となりますが、どうなるのでしょうね。
次回より、ヨルが主役のターンになるようです。
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