Dr.STNOE【130話 悪魔の選択】【感想・ネタバレ】【コミックライク】
130話「悪魔の選択」
前回までのあらすじ
暴走してペルセウス号に突っ込んだマグマを追いかけ、突入した千空たち。マグマによる銃の乱射とゲンの話術で優位を取るものの、モズの参戦で一気に情勢が覆り、船倉に押し込められます。モズとイバラは勝利を確信しますが、千空は計算づくで追い込まれていて、檻に閉じ込められていた氷月を復活液で石化解除するのでした。
「Dr.STONE」【129話 JOKER】【コミックライク】
以下、「週間少年ジャンプ(2019年51号)」のネタバレを含みます。
週刊少年ジャンプ(51) 2019年 12/2 号 [雑誌][amazon.co.jp]
(感想→あらすじ→まとめ)
氷月の選択 モズのクズっぷりが科学王国に追い風
復活させたとはいえ、氷月がどうやって味方につくのかが注目点でしたが、「ちゃんとしている」を基準に氷月が科学王国を選択しました。というよりモズのクズ加減に見切りをつけ、科学王国側についただけのような気がしますけど。
氷月をただの戦闘狂だと思っていましたが、そう言えば選民思想があるヤツでした。「全人類を救う」という千空の大義だけは未だに納得していないようですが、自分の役割を「ちゃんと」こなすゲンやニッキーには好感を抱いているようです。
「ちゃんとしている 今ここで後ろにいるほぼ皆」と「ほぼ」とつけたのは何気にマグマだけが除外されている気がします。
それでも「私の仲間たちは」とまで言わせてしまうのは、ちょっと無理めには感じました。
モズも「実はこういう事情があって」みたいなのがあるのかと思っていましたが、本当にただのハーレム大好き男だったようです。薄っぺらい心情を氷月に見透かされています。
「オレ最強!」と己惚れていたモズが氷月にブチのめされましたが、本気になったモズとはどういう決着になるでしょう。さすがに一方的にやられるとは思えません。
狭い船倉から、邪魔にならないように千空たちはいち早く脱出しています。(そのことも氷月の評価ポイント)。イバラに阻まれるのではと危惧していましたが、イバラはイバラで石化解除を見て速攻で動き出しています。
仕方なかったとはいえ、イバラやモズの目の前で石化復活を見せても良かったのか?と思っていましたが、やはりイバラは見逃しませんでしたね。
龍水を見た時に察するかなとも思っていましたが、石化復活を見て「そういえばコイツも」みたいな感じでパズルのピースが埋まったようです。
イバラとの戦闘にはならずに済みましたが、船上に出たイバラはタイミング良く駆けつけたキリサメに「島全体を包め!」と命令します。さすがにこれにはキリサメも驚いています。
頭首ごと石化させるような命令をキリサメが受け入れるのか、それとも自分の意志で踏み止まるのか。ターニングポイントになりそうです。
ドローンの存在を思えば石化装置自体は使用されるように思いますが、キリサメが思い留まってイバラが直接、石化装置を使い、龍水たちがドローンで横からゲットという流れでしょうか。
ちなみに船倉には全員集合していたのですね。先週、数人の姿がなかったので、別働で何かあるのかと邪推していましたが、単にコマに入らなかっただけのようです。
カセキの姿もありましたし、マグマもイバラに特攻していましたし、ニッキーも普通にいました。海に落ちた陽だけはハブです。尚、海に落ちた際には銃だけが心配されていました。
大樹らも頭首の石像を組み立て終わってペルセウス号に向かっていますので、オールキャストが集合です。密かにコハクの復活があるかもと思っていましたが、それもなかったみたいです。
氷月は口元の不気味なヒビ割れが再復活で綺麗になくなっており、最後のコマではどこぞの王子か?というくらいのイケメンでした。ほむらもますます惚れ直すことでしょう。
あと、氷月は千空と司には「君」じゃなくて「クン」なんですね。特別に見ている証拠でしょうか。
以下、あらすじです。
130話のあらすじ
緊急事態とはいえ氷月を解放したことにゲンが慄き、ニッキーも「銃もない今 この後どうやってこいつを止めようってんだい」と冷や汗をかいています。
千空はそれをわかったうえで、まずはモズをなんとかするためには、この禁断のジョーカーに頼るしかないと腹を括っています。
目の前で石化を解除されて復活する氷月を見たモズとイバラは、驚きに目を見開いていますが、イバラは冷静に状況を分析しています。
どう見ても石像だった氷月が復活したことと、龍水については石像になって腕を破壊したにもかかわらず完全体で動き回っていることから、何が起こったのかを察します。いち早く現場を離脱し、船上へと駆けて行きます。
マグマはそれを阻止しようとしますが、モズが素早く反応してマグマはブッ飛ばされます。その動きを見た氷月はモズの戦闘能力と、自分が起こされた状況を瞬時に把握します。
「私は君たちの敵ですよ?」と試すように言うと、「だろうな本来」と千空も余計なことは言いません。
「つまりここで 千空クンたちと組んで科学王国を制するもよし モズ君たちと組んで科学王国を殺すもよし」「決定権(キャスティングボード)は完全に私の手中にあるということです」と氷月は悠々と言い放ちます。
船上に駆け上がったイバラは妖術使い(千空たち)が、砕いた石像すら復活させてしまうと考え、砕いたはずの頭首も復活させられると誤解しています。 頭首像はパーツが欠けていて復活は不可能ながら、慎重な性格が逆に正解を導いていました。
杠・大樹たちのチームは頭首の石像を完成させていました。ソユーズが「父さん 20年間 一人ぼっちにさせてごめん 今 島の皆に逢わせてあげるからね」と頼もしい表情で頭首の石像に語り掛けています。
船内ではゲンが必死に頭を巡らせ、氷月とモズを戦わせようとしています。「なんだかんだ氷月は俺らの仲間!」とモズに思わせることができたら、モズの方から戦いを仕掛けてくるのではと考えています。
ニッキーに氷月の恋人のフリをしろと無茶ぶりをしますが、見かけによらず純情乙女なニッキーは、「アタシが!? 寝ぼけてんのかい そういうのはアマリリスとかの必殺技だろ!」と赤面してガチガチに固まっています。
それでもやれと言われればやると決意を固めるニッキーですが、氷月が割って入り、「その薄汚い口を閉じなさいゲン君」とゲンを牽制します。
「閉じます 閉じちゃう だから殺さないで!」と必死に謝り倒すゲンですが、「殺しませんよ 私はその薄汚さを高く買っているんです 君は君の仕事をちゃんとしている」と氷月の顔は穏やかです。
ニッキーに対しても「ニッキー君 君もです 今も最も苦手な科目なのにすぐ対処しようとした」と評価しています。「そう――」。
(ちゃんとしている 今ここで後ろにいるほぼ皆 モズ君と組むのなら殺すことになる)と氷月は、千空の「全人類を救う」という氷月いわく「浅はかな大義」さえなければ、としこりを抱えています。
「私は選別がしたいだけです 愚かな人々にはこのまま眠ってもらい 優れた遺伝子のみを残す そうして進化してこそ万物の霊長!」と自説を説き、モズに「君の考えはどうですか」と問いかけます。
(見積もっているのか? 両陣営のどちらにつくかを)と龍水が警戒するなか、モズはあっさりと「んー そう思うよ 氷月って言ったっけ 君の言うとおりだ選別すべきだ」と乗っかってきます。
しかし、内心では氷月の好みそうな答えを言っているだけで中身がありません。「というかこの島じゃもうやってるよ選別 ちゃんと顔カワイイ子だけ選んでる なんなら氷月 君もハーレムをいただいたらいい」。
龍水が反射的に口を挟み、「はっはー お子様だなモズ貴様は 全ての女は皆美女だ その愉しみがわからんとは 俺はこの世の女性は皆欲しい!」と龍水らしい台詞にゲンはちょっと呆れています。
「皆美女・・?」とモズの視線はニッキーに止まり、軽くため息を吐きます。ニッキーはそういう視線に慣れているのか、ニヒルな顔で受け流しています。
モズの視線を捉えた氷月の顔つきが鋭くなります。「モズ君 君にとって選別すべき優れた人間とは美男美女のことですか?」と訊くと、「? そりゃそうじゃん男からしたら」とモズは即答です。
「そうですか」と頷いた氷月は、「この場でどちらに与するかなど元々どうだって良かったんです私にとっては」「今 決めました」と槍を一閃させます。
船上に出たイバラは、キリサメがペルセウス号に近づいて来るのを見てニヤリと笑います。「イイネ! 素晴らしいタイミングよ」と、キリサメに「包んで 島全部を ソレで今すぐに!」と石化装置の使用を命じました。驚くキリサメ。
氷月の振るった槍は千空へと向かっていました。クロムとゲンが口を大きく開けて言葉を失っていますが、「千空クン 左へ」との氷月の指示に、千空は「あ”ぁ」と涼しい顔で顔を動かします。
千空を狙ったモズの石槍と氷月の金の槍が激突し、千空は無傷です。槍先の手応えに邪悪に微笑むモズ。氷月とモズの激しい戦闘が開始されました。
「ククク俺らが離れた方が闘えんだ 行くぞ」と千空はさっさと戦場を離脱します。一方、大樹らもペルセウス号に向かっています。
「ほら実にちゃんとしてますよ 私の仲間たちは」とマスクを取った氷月は、凛とした表情でモズを見やり、氷月の実力を甘く見積もっていたモズを吹っ飛ばすのでした。口元のヒビ割れは、石化再復活で綺麗に治っていました。
まとめ
氷月が味方になりました。まだ千空に対しては思うところがありそうですが、それ以上にモズを受け入れたくなかったのでしょう。・・と思うことにします。
まあ、それはいいとしますが、このまま素直に仲間になってもそれはそれで「なんだかなあ」という気持ちはあります。この場面では共闘しつつ、事後には別行動、となった方がすっきりします。
たとえばイバラやモズを排除してこの島を与えるとか? ・・ないでしょうけど。
にしても口元のヒビ割れがなくなって相当、爽やかになりましたね。最初からこれを狙っていたのだったら凄い伏線です。ソユーズの「名無し」の伏線もかなり前から張ってありましたし、ここまで想定していての初期キャラデザかもしれません。
イバラが島全体を石化で包めと命じたことは、キリサメにとってポイントになりそうです。キリサメこそ味方キャラになって欲しいので、思い留まって欲しいですね。
あと気になるのは石化装置が島全体を覆い尽くせるほどの威力が出せるのか、という点。使用時に範囲指定できるような作りになっているのでしょうか。
氷月対モズの決着、キリサメの石化装置の使用の行方、ドローンの活躍、陽と銃の行方、謎の石像、頭首の石像のお披露目などが今後の見どころです。
年内には決着が着くのかどうか微妙なところですが、残念ながら来週は休載のようです。
白夜の物語も短期集中で同時連載していますから厳しいのは確かですが、むしろ白夜の方を休載を挟みながらでいいように思いますけども・・。
次の展開が待ち遠しいですね。
「Dr.STONE」【131話 悪りー罪】【コミックライク】
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