ワールドトリガー【192話 二宮匡貴③】【感想・ネタバレ】【コミックライク】
192話「二宮匡貴③」
前回までのあらすじ
ラウンド8も終盤戦になり、戦場の隊員が減っていくなか、弓場に追撃されていた犬飼が二宮・辻と合流し、二宮隊チームが完成。一方、遊真は帯島との1対1を制してポイント獲得し、遠征選抜まであと2点とするのでした。
「ワールドトリガー」【191話 弓場隊④】【コミックライク】
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(今回からあらすじを省略します)
メインは弓場対二宮 二宮の本気モード炸裂! 玉狛も玉狛なりに頑張ってます
二宮の本気モードが見られました。ポケットから手を出した途端に多彩な技を繰り出して、弓場ほどの実力者を完封。メタ的には弓場が二宮隊をもっと削ってくれるかと思っていましたが、犬飼に多少のダメージを与えただけで退場となりました。
「タイマン最強」と評されていたほどの弓場も、二宮相手には分が悪かったようです。というかスタートが二宮の間合いだったうえに、相手はチームが揃っていたので仕方なかったかもしれません。ベイルアウト後の、髪型や私服が割とカッコ良かったです。
二宮が追尾弾(ハウンド)を上に撃ち、二重の時間差で弓場を上から叩くアイデアが決め手になりました。最初に上空からの曲射と思わせておいて、もう一段階ひそませていたのを、置き弾で気を逸らしたりと罠にハメていく感じが二宮らしかったです。
注目してコマを見返してみると、確かに上空から曲がって落ちて来る弾と、そのまま上に伸びている弾が描かれていました。初見で気付いた人はいるでしょうか。
弓場も自分の間合いに入ったと思った瞬間にやられましたから、二宮の読み勝ちです。最後はズドンとアステロイド(バイパーの直進?)で撃ち抜いての勝利。まさに完勝です。
玉狛も修が千佳の爆撃を指示して二宮隊を襲わせたり、隙を突いて犬飼を狙ったりしていましたが壁を崩せず。辻のサポートがしっかりしています。修が追撃されなかったのは、爆撃と姿を消している遊真を警戒してのことでしょうか。
二宮は千佳の爆撃を強化追尾弾(ホーネット)で応戦していましたが、すかさず1対1で弓場を倒すことに切り替える思考の柔らかさも指揮官として優秀。その作戦を忠実に実行できる犬飼、辻もやはり能力が高いです。
千佳の爆撃は二宮のホーネットや、犬飼の射撃で全部撃ち落とされてましたが、実力者はシールドだけではなく弾丸で防いでしまうんですね。隙がありません。どうやったら遠距離の爆撃が刺さるのか・・。
修が千佳に指示を出して炸裂弾(メテオラ)の分割数を増やしていくところは、何か作戦がありそうな感じでした。今のところ千佳は人に対して撃てていますが、修の指示に従ってです。自力で撃てる、とはまた違う感じでしょうか。
前回、遊真が見せたブレード乱反射(ピンボール)についえは蔵内が解説。「グラスホッパーは物質化したものしか反射せず トリオンの弾丸が当たると相殺される」とのことで、帯島は弾丸でグラスホッパーを処理する手があったと。
この説明だと弧月とかは物質化しているのでグラスホッパーで弾けることになりますし、スコーピオンとかレイガストも弾ける感じなのですが、そのあたりも説明が欲しかったです。たとえば力の差で割られてしまうとか。
あと、遊真や緑川の使う通常のグラスホッパーのピンボールでも、囲まれた瞬間に全包囲にアステロイドやバイパーを発射すれば、良くて相手を撃ち落とせて、悪くても足場のグラスホッパーを潰せるので、囲む側が不利になるように思います。
弾丸を発射する前にやられてしまうのか、その暇がなくなるのかわかりませんが、一方的に有利が取れるとは思えません。まあ、この仕様を知っていたのが蔵内くらい、とは小南の言ですが、今までは知られていなかっただけかもしれません。
ブレードが曲がる理屈については推測があるようですが、詳しいことは試合後のまとめで明かされる感じです。
というか小南は完全に玉狛応援団で、「もう狙撃手(スナイパー)いないから まとめて爆撃し放題よ! いけ! やれ!」と叫んでいて、隣で解説している蔵内が若干引いていました。そして王子はずっと修に注目しています。
遊真の新技解説と、二宮の圧倒的強さを見せつける回でした。
すぐに続く
今月号は久々の二話掲載です。ひゃっほう!
「ワールドトリガー」【193話 二宮匡貴④】【コミックライク】
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Dr.STNOE【141話 FIRST TEAM】【感想・ネタバレ】【コミックライク】
141話「FIRST TEAM」
前回までのあらすじ
月に行くことを決めた千空たちは、宝島の事後処理で石化された島民を次々と石化解除していきます。復活した島民はソユーズに忠誠を誓い、ソユーズは新頭首となって島に残ると宣言します。キリサメ、松風が千空らに同行し、島を離れて本土に向かいます。作る予定のロケットの乗員は三名。パイロット、化学要員、実働部隊。実働部隊として、司の復活を明言するのでした。
「Dr.STONE」【140話 新世界飛行士】【コミックライク】
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司復活 石化装置の秘密 仲間の証
宝島から無事に帰還した千空たちを出迎える居残り組。松風をタナボタで配下にした銀狼がゲスってますが、慣れたもので総スルー。皆のヒビがなくなっていることにすぐ気付いています。
石化装置を持ち帰って来たことにルリは、災厄さえも味方にしてしまう「科学」に感嘆し、未来は兄・司を想って安堵しています。
浮かない顔をしている千空。イバラに負わされた傷もそのままで、一人だけ顔にヒビが入ったままの千空を見て異変を感じ取ったのは龍水。船乗りのカンと言っていますが、龍水は基本スペックが高いです。
龍水が察したように石化装置を使わずに取ってある理由は、驚きの「電池切れ」。まさかそういう理由があったとは。
前回の感想で、即死でなければいくらでも回復可能になって緊張感が薄れる、と心配事を書きましたが、その必要はなかったです。
千空いわく電池かどうかはわからないが、「何かのエネルギー」。無から無限のエネルギーはどうあがいても生まれないとのこと。
キリサメに範囲指定が半径だと確認すると、最後、イバラに使った時の指定は5メートルだったにもかかわらず、広がった石化光線は半径1メートルちょっとだったと千空は言います。まったく気付きませんでした。
キリサメは幼い頃に頭首から、「石化光線の光を広範囲に濫用してはならないという言い伝えがある」と聞いていたようで、心当たりがある様子です。くるくるの触覚があるちっちゃいキリサメは、無邪気な顔をしていて可愛らしいです。
皆は司をコールドスリープしている場所に向かい、最後の希望を託します。
未来が司の手を握り、大樹が「未来 全力で握りしめておくんだ 兄さんの手を!!」と強く握らせ、コハクも激しく押し付ければわずかな光でも効き目がるかもしれないと同意しています。
気休めに過ぎないとわかっていてもぎゅうぎゅうと握りしめ、そこに千空も手を添えます。「気休めでもやらねえよりゃマシか ククク これで俺も石化に巻き込まれりゃケガもヒビも消えて合理的だしな」と相変わらずのツンデレです。
ゲンも手を添えます。司はコールドスリープ状態のまま石化開始。「1m 1second」と唱えると、かすかに石化装置が光り、司だけ石化。即座に復活液をかけて再生します。
というか通常通りに作動していたら、全員仲良く石化して誰か別の人が復活液をかけに来ないといけませんでした。司だけ石化からの復活で良かったです。傷も治っていて、未来と感動の再会です。
司ファンでもある情報屋の南も、ニッキーやルリに促され、司とご対面です。このシーンで、ルリが意外に力があるということが判明。クロムいわく「ゴリラコハクの姉貴」とのことですが、コハクに笑顔でボコられています。
千空と司は無言でのドライな再会。通じ合ってる感があり、お礼も言わないところが逆にらしいです。すかさず現況を訊ねる司に、松風は「起きて即座に!」と驚いていますが、司を知るメンバーは「いつでもあんなだよ」と動じていません。
しかし、「月に攻め込む」と千空にさらっと言われて、さすがの司もフリーズです。それでもすぐさま理解して、「月に行ける人数はわずかだ」と単体で強い戦士が必要なために復活させたのだと察します。
「・・クククそうだ100億パーセントな 分かってんじゃねえか んでなきゃテメーの顔なんざ見飽きすぎて見たくもねぇ」と千空は毒づき、司は遠回しな気遣いに微笑で応えますが、空気の読めないゲス銀狼が口を挟みます。
「こきレベルMAX」になった銀狼が、「ホントはアレでしょ 冷凍が腐る前にって司のために急いで戻ってあげたんでしょぉ~ そうゆうベタベタしたの二人とも好きくないからってぇえ!」。
「だって強い人 欲しいだけなら『僕の最強の手下』護衛の松風くんだっていいわけだもんねぇえ」と千空を肘で突いていますが、千空は無視。コハク他はドン引きです。銀狼はすっかりいつもの調子に戻ってますね。
松風は司の佇まいを見て只者ではないと察知し、落ちついたら手合わせをと申し出ますが司は即座に了承します。司の部下がさりげなく「司マント」を持って来てくれていますが、こういうのを見ると司はカリスマでもあったんだなと再認識します。
手合わせは瞬殺で司の勝利。銀狼の鼻っ柱も折れてようやく「こきレベル」がゼロに戻りました。
ただ、司も松風の強さを感じ取り、(ここに現代の磨かれた武術を習得すれば・・)と将来性を買っています。氷月やモズは復活させない方向のようですが、足りない戦士成分は松風で補う方向でしょうか。
司は「俺はおめおめと科学王国の戦士として仲間に加わるわけにはいかない 違う理想の世界のために石像たちを傷つけた その事実は消えな――」「あ”- いいから そういうの」と千空がぴしゃり。
大樹も「結局杠が軒並み直してくれたしなー!」とこっちも気にしていません。司の心情を思いやっているのはメンタリストのゲンです。
電池切れになってしまった・・ということになった石化装置。一人だけヒビが消えない千空のことをスイカが気遣っていますが、もちろん千空は気にしていませんし、龍水もホワイマンに勝って石化の謎を解明すれば治し放題とこっちも前向きです。
そんな気配りをまるっと解決したのがゲン。「千空ちゃん一人ズルいじゃない~ 俺も戦化粧♪」と黒墨(?)でかつてのヒビ模様を顔に書きます。「シンボルにピッタリでしょジーマーで♪」
「みんなの戦化粧が消えるのは みんなで石化の元凶に勝ったその瞬間」と言うと大樹、杠、龍水、フランソワ、ニッキー、羽京、他モブらが揃って化粧します。ゲンはここぞとばかりに司にも強要。言葉でも煽って、さすがに断れません。
「ありがとうゲン みんな」とその気遣いを受け入れた司は、二本のヒビを顔にザシュッと書き入れます。【獅子王司が仲間になった!!!】のテロップです。
司の仲間入りで、「ホワイマンがどんなんでも これなんか勝てんじゃねって気ぃする!!」と盛り上がっています。
千空がお待ちかねの「これが楽しい宇宙船クラフトのロードマップだ!」と紙の束を取り出したところで、次回に続くです。詳細は次ですね。
ゲンの気遣いでまとまった科学王国 石化装置問題とヒビ問題も解決
司帝国を作って戦争までやらかした元凶の司の加入は、物語的には必須としても心情的にどうなんだろうという感じはありましたが、千空自身があまり気にしていませんし、周りも大樹を始め特にわだかまりはないようです。
元から司の部下だったメンツには好かれていますし、あとは口実というか流れさえあればいい、というところでゲンの活躍です。
ヒビ問題は「顔にヒビがあってこそDr.STONE」みたいなところもありましたので、石化復活で皆のヒビが消えてしまったのは残念にも思っていました。それがこんな形で復活するとは。
驚きでしたし、その理由についても「戦化粧」ということで、次に消えるのは石化の元凶に勝った瞬間というのがじんときました。司も「ありがとう」と素直に受け入れれざるを得ませんよ。
まあ、なんか一人だけ別格という感じで顔に墨を入れてましたが、単体で松風より遥かに強く、最強の戦士という看板は変わりないようです。今度こそ従順に、戦士として科学王国のために働くのでしょうか。
石化装置問題も、まさかの電池切れとは思いもしませんでした。一応、何の力で動いているか判明するまでは使用不可、ということでいいのでしょうか。そうなるとキリサメの出番が随分と減ってしまう気がしますが・・。
諸問題を解決し、次回はいよいよ「宇宙船」のロードマップです。結構な量の束の巻き紙を持っていましたし、3~4ページくらいは説明に裂くでしょうか。
久しぶりに科学マンガ復活という回になるかもしれませんね。
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ライドンキング【20話 大統領と混沌(ケイオス)の渦】【感想・ネタバレ】【コミックライク】
20話「大統領と混沌(ケイオス)の渦」
前回のあらすじ
海底ダンジョン経由で聖王国を目指すプルチノフ一行でしたが、門番の二頭の牛頭(ミノタウロス)に阻まれ戦闘に。キャルマーやベルらの助力を得ながら、激しい戦闘の末、ほぼ単独でプルチノフが牛頭を打ち倒すのでした。
「ライドンキング」【19話 大統領と牛頭の戦士】【コミックライク】
以下、20話のネタバレを含みます。
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迷宮の心核に邪魔されてパーティが分断 別行動に
今回はあまりプルチノフの出番がありませんでした。
前回プルチノフが倒した門番の牛頭人(ミノタウロス)は、カーニャの祖母が辛うじて知っているくらいの、神話のような存在のボルトスとウィンドス。彼らの生い立ちは彼ら自身が語ってくれました。
混沌に創り出されたものの、戦に嫌気が差して太陽神に降ったところ、種族として魔獣にまで堕とされるような呪いをかけられ、なんとかしようとボルトスとウィンドスが戦いを挑んで返り討ちに遭い門番にされたとのこと。
混沌の主は1000年、門を守れば呪いを解放すると言っていたが嘘で、薄々ボルトスらも気づいていた様子でした。最期に抵抗して迷宮の心核の天井崩しから救ってくれましたが、石化して崩れ落ちてしまいました。
もしかしてプルチノフが呪いを解いてライドンするのかとも思っていましたが、そんなに都合良くはいきませんでしたね。戦士らしく潔く散って行きました。
キャルマーが地竜としての意地で門を開き、存在感を示したところは良かったです。プルチノフとヨシュアス以外には言葉が通じないようで、ベルもカーニャも何を言っているのかわからないようです。
ボッチもすかさず駆けつけてくれましたが、またプルチノフとは別行動になってしまいました。なんだかずっと相棒ポジションから遠ざけられていて不憫になってきますが、サキを引っ張って行く姿からしてほぼ主力になっています。
なんとか門を通過しましたが、一行は3パーティに分断されました。プルチノフ・ヨシュアス組、カーニャ・ベル・キャルマー組、サキ・ボッチ・ホッチ・ホッチ組。それぞれ迷宮の中、どこかの森、トンネル(正解ルート?)に飛ばされています。
プルチノフは武力で押し切れそうですが、ヨシュアスと同行しているので追跡してくる魔族たちとの絡みになりそうですし、まだ迷宮の中に閉じ込められています。一番の難所です。
カーニャ、ベルたちは魔力組でしょうか。どこの森かはわかりませんが、もしかしたら聖王国側へと渡ったかもしれません。
サキのところはボッチが主力。基本的に力で押し切るメンバーで、トンネルの中みたいでしたし、ヨシュアスの言っていた正解ルートでしょうか。
キャルマーの意外な活躍と、ボッチの頼もしさが垣間見られた回でした。
以下、あらすじです。
20話のあらすじ
ヨシュアスを追うエドゥ、リィナ、ミィナの魔族たち。地竜は足跡を残さないため、かすかに残る魔素を手掛かりに、海底ダンジョンへ向かったと見当をつけます。
ヨシュアスの性格からして仕事を放り出すはずもなく、誘拐、人質、捕虜といった事態を想定。ヨシュアスを使って聖王国へ向かうつもりの者がいると推測します。
弟・ヨシュアスのことを溺愛するリィナが先を急ぎ、エドゥとミィナは仕方ないと諦めています。リィナは弟のために魂の半分以上を混沌に捧げたとのこと。
戦闘の終わった門の前では、カーニャが牛頭たちのことをウィンドスとボルトスの兄弟、と彼らの正体のことを話しています。
祖母から聞いた物語の英雄で、ベルは聞いたことがないと言っています。カーニャによればエルフにとっても祖母の語る物語など、神代の伝説に等しいとのこと。
神々が人界に起こした最大の戦で、太陽神(マウナー)の先鋒を務めた戦士と言われていた者たちが何故、混沌の迷宮の守護していたのかと訊ねると、「すべて 我ら牛頭人にかけられた混沌の呪いのため」とボルトスが話ります。
「神代の時代 我らを創ったのは混沌の神々であった・・ だが我らの父祖は果てなき戦に疲れ果て・・ 太陽神の軍勢に降り 太陽神に帰依することを選んだ・・」。
「だがそれに怒った混沌の神々は牛頭人という種族すべてに呪いをかけた その呪いで・・ 生まれる子は徐々に小さくなり そして獣のように言葉を忘れていった・・」。
「数世代後には人に狩られる魔獣に堕ちる・・ そんな呪いだ」「その呪いも混沌の神々や眷属を人界から追い出すことができれば解けるはずだったが・・」「奴らはこの魔境に立て籠もり この迷宮を砦として生き延びようとしていた・・」。
「だが 我らの呪いを解くには混沌を根絶やしにするしかない・・」「そこで我らは2人でこの迷宮を突破すべく 闘いを挑んだのだが・・」。
その戦いに敗れたものの、混沌の主は彼らが門番としてこの門を守る限り、種族への呪いは発動させないと誓約したとのこと。そして1000年守った暁には牛頭人を解放し、呪いも解くと言われていたとのこと。
ボルトスは混沌の主の言葉が本当だったのかどうか、人界で牛頭人が地位を得ているのか最期に聞きたいと言ってきます。ベルたちは言葉を濁すと真意は伝わり、ボルトスは察します。「混沌の言を信じた我らが愚かだった」。
その時、「ココココ」という声が天井の方から聞こえてきます。「無慈悲な只人どもめ 愚かな牛のまま死なせてやればよいものをココココ」。
ボルトスによればその声は彼らを門番にした「迷宮の心核(ダンジョンコア)」。カーニャからすれば、迷宮の心核が人格を持つほど成長するのは驚くべきことのようです。
「ココココ 我はこの迷宮の神 招かれざる侵入者に慈悲はかけぬ」と天井を崩しにかかってきます。
「ふむ 洞窟への侵入者を殺すには門番や怪物に襲わせるより よほど確実な方法だな」とプルチノフは冷静ですが、サキは落ち着いて分析している場合ではないと怒鳴っています。
ボルトスはもはや間に合わないと、門を開いて先へ進めと提言してきますが、迷宮の心核は「我の許しなく門が開くわけなかろう」と高笑いです。
「ケン・・ケーン(それなら・・ぼくが・・)」とキャルマーが立ち上がり、門に向かって行きます。「ケンケン(今こそ竜の役目を果たすんだ・・」「ケケーン!(大地よ 力を!」と魔力を集めます。
ヨシュアスは傷ついた身体で魔力を使えば危険、と止めますが聞きません。サキは言葉がわからないので「キャルちゃん?」と訝しんでいます。
「ケーン!」とキャルマーが門に頭突きをかますと、角に触れた部分が反応して門が開きます。サキたちは驚いていますが、迷宮の心核も「古竜の出来損ないの地竜ごときに異界を開く力が!?」と忌々しそうに唸っています。
そこへボッチたちが駆け込んで来ます。(サキは「ホッちゃんたち」と呼んでいます)。プルチノフは無事に合流できて嬉しそうです。
「よし! 皆が揃ったならこの中に飛び込むしかあるまい」プルチノフは門の先に渦巻く不気味な渦に、躊躇なく飛び込もうとしていますが、サキたちは腰が引けています。
カーニャは「闇の精霊が渦を巻いている」と言い、ベルも「禍々しい魔素みたいな」と渋い表情です。
しかし、業を煮やした迷宮の心核が、生き埋めにしようと天井を崩します。「させぬ!!」とそれを阻止したのは今にも力尽きようとしていたボルトスとウィンドスです。
「行けい! 太陽神の使徒よ! これ以上 混沌の思い通りにはさせぬ・・」と最後の力を振り絞って、落下する天井を支えます。「行くのだ・・ 我らの愚行に・・ 僅かでも・・ 意味を・・」。
二頭の心意気を受け取ったプルチノフは「あいわかった!」と頷くと、仲間たちを促します。サキはまだ尻込みしていますが、ヨシュアスが「この先はムローラまで真っすぐのトンネルに出るはずだから!」と後押し。
どのみち選択肢はないとカーニャが飛び込み、ベルも「お先みたいな」と軽いノリで続きます。ぐずぐずしているサキは、ボッチに回し蹴りで突き飛ばされました。
プルチノフもキャルマーとヨシュアスに声をかけ、「さらばだ! 牛頭の勇者よ 君たちのことは決して忘れぬ!!」と二頭の最期を見届けてから出発します。
「おのれ太陽神の使徒ども このままタダでは通さぬぞ!」と迷宮の心核。
プルチノフとヨシュアスは魔素の海のようなところに放り出されています。泳ぐように進んでいると出口が見えてきて、突き破ると雪のようなものが降っている場所に辿り着きます。
「ここは野外か?」と一人ごちるプルチノフに、ヨシュアスが「いや 外には出てない! 迷宮の中に雪が降ってるんだ!」と、迷宮の心核が海底トンネルへの道を無理やり変えたと言っています。
「そんなことが・・」納得するプルチノフの視界に光のようなものが襲って来ます。拳を一閃、薙ぎ払いますが、待ち伏せされていたようで、大勢の鬼人の呪術行使種(きじんのシャーマン)に囲まれています。
ヨシュアスは尋常ではない数にビビっていますが、プルチノフは迷わず盾になると宣言。皆に後ろに隠れているように指示しますが、振り返ればヨシュアスしかいません。仲間たちとは別行動になってしまったようです。
キャルマーとカーニャ、ベルがセットになっています。虫だらけの森に飛ばされたようで、カーニャは目を剥いています。「全身鳥肌で鳥になりそうみたいな」とベルは虫除け魔法を発動しています。
キャルマーは門を開けるために魔力を使い過ぎたため、ベルたちと同じくらいのサイズに小さくなっています。プルチノフらの行方を訊ねますが、キャルマーもわからないと答えます。ただ、言葉は通じないため何を言っているかわかりません。
ボッチたちとサキが同行動。トンネルを進んでいます。襲い来る敵はボッチの蹴りで一蹴。サキが仲間の名前を呼んで探していますが、「クピピッピ(喚くな小娘)」と、ボッチの方が冷静です。
一行は、3つのパーティに分断され、別々の場所に飛ばされたのでした。
まとめ
比較的おとなしめの回だったかと思います。
牛頭人たちの成り立ちや、混沌たちのやり口、迷宮の心核などの説明。プルチノフは台詞も少なく聞き役になっていたという感じでした。
ボルトスたちも潔く散ってしまってライドンタイムなし。キャルマーの開いた門に飛び込んで、一行が分断されたというところまでです。
パーティの振り分けはバランスが良いですね。それぞれが活躍できそうな雰囲気です。ヨシュアスは守られているだけでなく見せ場があるのか、それともプルチノフに助けられまくって懐くパターンなのかどっちでしょう。
いずれにせよリィナとの衝突は避けられそうもありません。今後のメインストーリーになってきそうです。
しかし、残念ながら次号は休載とのこと。メンバーが別れて新展開になったタイミングだったのでもどかしく感じますが、仕方ありません。 休み明けのプルチノフの活躍に期待しましょう。
「ライドンキング」【21話 大統領と雪原の嵐】【コミックライク】
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