五等分の花嫁【95話 分岐の時②】【感想・ネタバレ】【コミックライク】
95話「分岐の時②」
前回までのあらすじ
女優業に専念するので学校を辞めるという一花。風太郎は引き留めようとしますが失敗し、一花は着々と決意を固めるのでした。
以下、「週間少年マガジン(2019年34号)」のネタバレを含みます。
週刊少年マガジン2019年 34号[2019年7月24日発売]【電子書籍】[ 週刊少年マガジン編集部 ][楽天kobo電子書籍]
(感想→あらすじ→まとめ)
一花を引き留めるための風太郎の作戦、三玖との阿吽の呼吸がお見事
お金に困っているから個人的に家庭教師として雇ってくれ、これはビジネスだと持ち掛けて空振りに終わった風太郎が、今度は逆に一花を雇って「自主映画を製作する」という方法で勉強を教える場を整えるという発想はお見事です。
三玖が自分のバイト先を紹介してパン作りを教えたり、風太郎が一花を引き留めたい本当の理由を聞き出したうえで、素直にそれを言えない風太郎をフォローして一花の心を変えさせるところは、息がピッタリでした。
前は五月が風太郎のサポートをすることが多かったですが、三玖がその役割をこなしていますね。
風太郎は一度家庭教師をクビになった時、一花がアパートや家庭教師のお金を用意してくれたからこそ、姉妹との関係を続けてこれたことを感謝していました。
それでも渋る一花にかつて彼女から言われた言葉、「青春をエンジョイ 言ってたろ?」と切り返して、一花をほわっとさせます。
まあ、雇うお金が足りなくて一花にお金を貸してくれというところまで含めて、風太郎の良さですね。というか本当に取り立てられるのでしょうか。
二乃も結局は一花のことを応援していました。姉妹のことが大好きですからね。バイト先に押しかけて、仲良さげな風太郎と三玖の姿を陰から、ぐぬぬと睨みつけていたのが可愛かったです。
四葉と一花の話し合いはもっと深刻なものかと思っていましたが、四葉が風太郎のことを覚えていたとすれば悪いことをしたと謝り、四葉には本当にやりたいことを探しなと押しつけのない言葉で背中を押していました。四葉も変われるでしょうか。
姉妹たちはそれぞれの夏を楽しみ、お祭りも五人で行っていたようです。一花は休学扱いになり、風太郎のマンツーマン指導を受けることになって、無事に卒業できそうです。
最後にちょっと風太郎をからかうところとか、一花らしさが戻ってきてひと安心ですが、恋愛レースからは手を引くかもしれません。
以下、あらすじです。
95話のあらすじ
「忘れられない夏にしてあげる♡」と、売れっ子になった一花は、飲料水のCMに出演して笑顔を振りまいています。
TVを観てはしゃぐ五月を横目に、二乃はスマホをいじりながら「一花なら毎日見てるでしょ」とつれない態度ですが、実はこっそり「中野一花 CM」と検索していたり相変わらず素直じゃありません。
風太郎は三玖の紹介で、三玖のバイト先のパン屋で働いています。三玖から指導を受け、それを陰から見守る店員(店長?)は、「あの三玖ちゃんが新人君にレクチャーしてる」と感慨にふけっています。
風太郎は一花が退学を選んだ理由を三玖に尋ねますが、当然言えるわけもなく緊張した顔で「それは言えない」としながら、「ただ 心からの言葉じゃないと思う」とも付け加えています。
「フータローこそなんで一花を引き留めようとするの?」と聞き返しています。
場面変わって夕方の公園。一花と四葉の話し合いです。一花は四葉に「やっぱり覚えてたんだフータロー君のこと」と確認しています。それを踏まえると色々と申し訳なく、ごめんと謝ります。
四葉は「私を一人にしないでくれたのは一花たちじゃん」と、一花が辞めるなら私もと言いかけますが、一花に遮られます。
「四葉は四葉の本当にやりたいことを探しな」と、優しく諭すように言うのでした。
夏休み中、一花は女優業、五月は受験勉強、三玖は風太郎とバイト、それを覗く二乃。姉妹たちはバーベキューやお祭りにも一緒に出掛けています。風太郎の姿がなかったのは、バイトのシフトを入れまくっていたからでしょうか。
いくらかの時が過ぎ、風太郎は三玖と共に一花の所属事務所に赴きます。社長を交えて再度、一花との話し合いです。
まずはストレートに退学を考え直して欲しいと切り出しますが、社長が断りを入れ、彼女が決めたことだしそれを尊重すると答えます。
すると風太郎はあっさりと「わかった諦める」と返し、続けて「ビジネスの話だ」と提案します。「それなら前に・・」と一花は言いかけますが、被せて風太郎は「俺は自主映画を撮ることにした」。
出演は家庭教師と生徒の二人のみ、撮影は週二回、三時間カメラの前でぶっ続けで勉強を教えるという素晴らしい脚本、監督兼家庭教師役はもちろん風太郎で、生徒役を一花に依頼します。逆転の一手です。
一花がなんでそこまでするのか聞くと、「俺はなぁイラついてんだよ」と、一度は家庭教師を辞めたのに引き戻したのは一花たち、それなのに勝手に降りたのも納得いかず、5人揃って笑顔で卒業すると挑むように言い放ちます。
しかし、隣にいた三玖が「違うでしょ」とびしっとツッコみます。バイト先で聞き出した風太郎の本音、「感謝してるんだって」、あの時風太郎を雇い直せたのは一花が仕事をしてくれてたおかげで、「その恩返しがしたいんだって」とバラします。
照れてそっぽを向く風太郎。頑なだった一花の態度も少し軟化します。「そんなに勉強してまで学校に行く理由ってなんだろ?」と何かを願うように聞くと、風太郎は考えながら、「そりゃ・・青春を・・エンジョイ 言ってたろ?」と答えます。
風太郎はクラスのメンツと海に行ったことを話し、今まで不必要と切り捨ててきたものだけど、色んなことができるのは今しかない、「今しかできないことをお前たちとしたいと思った その中には当然お前も含まれている」と言います。
それでも決めるのは一花次第、「しかしもし学校にまだ未練があるならこの金で俺に雇われてくれ」と封筒に入れたお金を差し出します。
割り込む社長。中身を検めますが、全然足りませんでした。風太郎としては多めに入れたつもりですが、看板女優になった一花のギャラは安くなかったようです。
困った風太郎は「一花 金貸してくれ」と一花に頼りました。一瞬の間の後、一花は大笑いします。バツが悪そうな三玖と黒塗りになってしまった風太郎。
「締まらないなー」と一花は笑っていますが、それで気持ちも吹っ切れたのか、「じゃあ足りない分は出世払いで」と快諾するのでした。契約成立です。
9月になり、ロケに出発する一花の見送りに、姉妹たちが駅まで着いて来ています。皆のリクエストで三玖が一花のCMの真似をして、「忘れられない夏にしてあげる!」とキメ顔をします。一花には「そっくり!」と褒められますが、恥ずかしそうな三玖です。
改札をくぐろうとする一花を呼び止めたの二乃。「体調 気をつけて」と泣きそうなるのをこらえて声をかけます。一花は休学となりました。
どこかのホテル(マンション?)で風太郎が一花に勉強を教えていますが、契約通りにカメラは回しています。
疲れたとこぼす一花に、「ったく このままじゃあいつらと卒業できねーぞ」と風太郎は言いますが、「卒業したいのは妹たちとだけじゃないけどね」とさらっと返されてドキマギします。
「それって俺・・」と言いかけた風太郎に、「隣の席のユミちゃんにテニス部の・・」と一花が言い、「危ねー!」と風太郎は慌てて口を塞ぎます。
それを楽しそうに見つめる一花でした。
まとめ
一花の堅くなった心をどうやって解きほぐすのかわかりませんでしたが、ビジネスを逆手に取るのはうまいやり方でした。皆で卒業できそうで良かったです。
四葉との話し合いでは一花が謝ることで、またブラック四葉になるのかもと心配していましたが、一花に優しく背中を押されただけでした。何がきっかけになって四葉が前向きになれるのかわかりませんが、見守っていきたいと思います。
夏休みも終わり、いよいよ二学期です。本編は高校卒業までで終わるはずなので、物語も終盤に入ってきました。
三玖とはいい関係になっていますが、恋愛のドキドキ感よりも、普通にパートナーのように落ち着いちゃっています。恋愛パートのイベントがそろそろ発生するでしょうか。定番だと体育祭、文化祭あたりですね。
どんな展開になるのか楽しみにしています。
「五等分の花嫁」【96話 進み続ける日常】【コミックライク】
↓良かったら応援して下さい!
五等分の花嫁10巻【電子書籍】[ 春場ねぎ ][楽天kobo電子書籍]