ライドンキング【3話 大統領と人馬の勇者】【感想・ネタバレ】【コミックライク】
3話「大統領と人馬の勇者」
前回のあらすじ
サキとベルに連れられてゴルドーの街までやってきたプルチノフは、冒険者として登録しました。
早速、クエストを受注しようとしたところに、人馬(ケンタウロス)の幼子を縄にかけて連行する騎士たちが現れます。ケンタウロスに跨る女騎士を目にしたプルチノフは興奮し――
「ライドンキング」【2話 大統領と人馬剣士(ケンタウロス)】【コミックライク】
以下、3話のネタバレを含みます。
「ライドンキング」(マガジンポケット)で試し読みできます。
ケンタウロスに騎乗する女騎士を羨ましがるプルチノフ
半人半馬のケンタウロスは常に馬に騎乗している気分なのか、人馬一体を既に成し得ている彼らが人を騎乗させる意味はあるのだろうかとプルチノフは思考していますが、正直なところはただただ女騎士ジェラリエが羨ましい。
興奮状態のプルチノフの形相にサキが引いていますが、ベルは冷静に、幼子をわざわざ連れ回しているのは何故かと怪しんでいます。
すると建物の上に人馬(ケンタウロス)が現れ、弓で騎士の頭を一撃で射抜きます。どうやらジェラリエはそのケンタウロスをおびき出していたようです。
マルセロスという名のそのケンタウロスは自在に駆け回り、両手に持った剣で次々と馬に騎乗した騎士たちを屠っていきます。まさに人馬一体の戦いぶりに感心するプルチノフ。
縦横無尽のマルセロスに立ちはだかったのはジェラリエ。騎乗しているケンタウロスに「命令」し、応戦させます。タクタロスと呼ばれたそのケンタウロスは、マルセロスの兄でした。
サキによれば「隷属の首輪」という、100年も前に使用を禁じられた魔道具で絶対服従を強いられているとのことです。自我を奪われ、実の弟と戦わされているタクタロスは元々は人馬族の長で、騙し討ちか何かで首輪を嵌められたのだろうと推測します。
それを聞いたプルチノフは一計を案じ、サキに魔法のランタンを要求しました。
閃光魔術師(シャイニングウィザード)誕生!
タクタロスとジェラリエの二人がかりに攻められて防戦一方のマルセロス。その背後にプルチノフはランタンを投擲します。そして、気合いを入れ、「光れ!!」と念じました。
強烈な光が一帯を支配します。背中で光ったために難を逃れたマルセロス以外、全員、目をやられました。
閃光魔術師の誕生です。本職の魔法師よりも強力なんじゃないでしょうか。
目を眩ませている隙にプルチノフは二人の幼子を救出し、マルセロスと共に逃げ出します。またしても奴隷商人かと問われますが、もう聞き慣れたのか受け流し、「信条として幼児を見捨てられないだけだ」と言って、マルセロスが侵入したところまで案内させます。
城壁に抜け穴があるとのことでしたが、辿り着く前に追手に追いつかれ、やむを得ずプルチノフは体術で鎧の上から一瞬で気絶させます。
マルセロスは何かの魔術かと勘違いし、更に殺すほどの威力はないようだと判断してトドメを差そうとしますが、プルチノフは現世での殺し合いや騙し合いに疲れていたため、殺す必要はないと止めます。
顔を見られたぞと忠告を受けますが、「ここ(異世界)」で報いを受けても構わない心づもりのようです。
無事に城壁の抜け穴、排水溝まで着き、マルセロスは人馬の誇りにかけてこの恩はいつか返すと、自らの尾とたてがみを編み込んだ網み紐を預けてきます。友情の神ティエンコジーの導きを求めるなら助けとなろうと言い残して去って行きました。
サキとベルはプルチノフを危険人物と見做すもお金につられて・・
サキとベルは後先考えず騎士に喧嘩を売ったプルチノフを危険人物と見做し、投資したお金を捨ててでも縁を切るべきか迷っています。
そこへ帰って来るプルチノフ。光が邪魔して顔は見られていないだろうとの目算があったようです。
友情の証に貰った編み紐を見せると、美と宝石の神メイウイザードの加護でベルが鑑定します。ベルは攻撃魔法はからっきしだが、支援魔法や鑑定はスペシャリストなのだそうです。
鑑定の結果、編み紐についていたのはミスリルスラムの核。
スライムはほとんどが水気で、死ぬと魔石の大きさまで縮んでしまいますが、その時に種類によって魔石にまとわりつく素材に違いがあり、鉱山系のスライムは鉱山の鉱脈まで浸食し、自分の体を少しずつ融合してくのだそうです。
なので長生きした鉱山系のスライムは成分が多くなるから核も大きくなり、年代物ほど高価で貴重なのだとか。
山でミスリルスラムを見つけるのはミスリル鉱脈を見つけたも同然で、もしそれがダンジョンだったら、お宝ダンジョンです。
プルチノフは、子供たちを助けたお礼に編み紐を渡したということは、もしかすると編み紐が人馬族の里やミスリルスライムの生息地の手掛かりかもしれない、と一人ごちます。
鋭くお金の匂いを嗅ぎつけるサキとベル。人馬族の集落はジェラリエが探して見つからないと言っていて、ミスリルスライムが出るダンジョンなんてこの辺じゃ聞いたことない。未発見のダンジョンではと素早く損得を計算します。
悪だくみの顔つきになった二人はプルチノフに、「友情の印にこの編み紐をくれたってことは、きっと自分たちの集落を訪ねて欲しいのよ」と誘導します。
ケンタウロスの集落・・聞いたプルチノフはプルチノフで、ケンタウロスに跨って遊ぶ勝手な想像をして「楽園(パラダイス)!?」と浮き立ちます。「行かねばならんな!!」。
即決でした。ライドンのためならブレません。
旅のためにプルチノフの装備を整えていきますが、またしてもサキの出費です。メイン武器は素手だが短剣くらいは持っていた方がいいと、ドワーフのマッドゴン・ロン=ベルドが経営する武器屋に行きます。サキはここでもツケが溜まっているようです。
後学のためにミスリルについて聞くプルチノフ。
生ミスリルは別名「魔法銀」とも呼ばれ、銀と大差ない柔らかい金属で、鋳溶かして薄くのばし、コーティングして使うそうです。最後に魔結(ファイナライズ)加工します。
魔結とは生ミスリルに魔力を流し真のミスリル鉱に加工する作業で、そうすることで鋼の10倍に匹敵する硬さと靱性を持つ金属に変質するとのこと。
魔結加工はベルにもできるようです。いずれ編み紐のミスリルスラムの核も加工するつもりのようです。
装備万端で出発するプルチノフらですが、その姿はしっかりとジェラリエに捉えられていました。顔は見られていないと思っていたようですが、しっかりとアタリをつけられていました。
人馬族の里を見つけてもらうために泳がされてしまいます。
感想
今回はライドンタイムはなかったですが、閃光魔術師という異名を持つことになりました。近接格闘に続き、チート級の強さを誇っています。
現世で殺しに嫌気が差していたプルチノフは余計な殺しはしないと決めているようです。顔に似合わず幼児を見捨てられない優しい性格でもあり、自然に人助けをしています。
ケンタウロスとのつながりもでき、いずれライドンする日が来るのでしょうか。
しかし、そのせいでジェラリエに目をつけられてしまい、戦闘の気配が濃くなっています。
サキはお金の匂いに敏感な割に、損ばかりしてしまうタイプですね。
次回からは本格的に冒険が始まりそうです。次は何にライドンするのか楽しみです。
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